急速拡大装置の特徴を歯科医が解説|拡大方法の種類やメリットもご紹介します

【監修:青山健一】

急速拡大装置の特徴を歯科医が解説|拡大方法の種類やメリットもご紹介します

急速拡大装置(Rapid Paratal Expansion)とは、歯列矯正のために顎骨を大きくする目的に用いられる装置です。
上顎の骨に力をかけ短期間で上顎の横幅を広げて、歯並びをきれいにするスペースを作るために装着します。

歯列矯正にはさまざまな矯正装置がありますが、急速拡大装置は歯列矯正ではなく上顎の骨を広げるための器具です。
今回は急速拡大装置の特徴や使用する理由、メリット、そして注意点についてご紹介します。

急速拡大装置とは

急速拡大装置とは

急速拡大装置は上顎の小臼歯と大臼歯に輪になっているバンドという装置をはめこんで、接着剤を使い固定します。
装置の中央にあるスクリューというネジを回して装置を広げ、上顎を広げるのです。
急速拡大装置だけで矯正することは少なく、上顎を拡大した後はワイヤー矯正やインビザラインなどの歯列矯正へと進みます。

装置の特徴

装置の特徴

2週間~1ヶ月程度の短期間で上顎の骨を広げて歯列の狭窄を拡大させるのが急速拡大装置の特徴です。
また固定式であることも、この装置の特徴として押さえておきましょう。患者様が自分の意思で装置を外せないため、取り外せる装置より効果を感じやすいです。

金属製で歯列全体の矯正治療というよりは、上顎の骨格を拡大するための整形外科的な目的で使用されています。
急速拡大装置は単独で治療目的として使用されるのではなく、インビザラインやワイヤー矯正と併用されることが多いことも特徴です。

歯列を拡大する仕組み

上顎の骨は左右2枚の上顎骨で形成されています。成長期のお子様はこの骨が完全につながっておらず、強い力をかけこの骨を正中(真ん中)で分離させて骨を広げ大きくすることが可能です。
上顎の中央には正中縫合という骨の継ぎ目があり、この部分を分離させることで顎の骨が大きくなります。

離開させた骨と骨の間に新しい骨ができることで安定し、上顎が大きくなるのです。この現象を利用して上顎の骨を拡大します。
以前は成長期といわれる6歳~12歳までの子どもが対象でしたが、技術の進歩により顎骨の成長しきった成人も装着できるようになりました。

「歯科矯正用アンカースクリュー」という装置を左右の上顎骨に装着することで上顎の拡大が可能です。
しかし、成人の誰もが歯科用アンカースクリューを装着できるわけではありません。歯科医師が診察・検査を経て判断します。

拡大できるのは上顎のみ

急速拡大装置は上顎のみに適応です。下顎には使用できません。上顎が小さくて歯並びが悪いから大きくしたいというケースに合った方法です。
上顎と下顎が両方とも小さいという場合に上顎だけを大きくしてしまったら、噛み合わせが悪くなるというリスクも生じます。

成人でも治療可能?

成人でも治療可能?

歯科矯正用アンカースクリューが開発されたことにより、成人の方でも外科手術なしに歯列を拡大できるようになりました。
従来の装置のように臼歯に固定するのではなく、上顎の骨に固定してスクリューを回して上顎を広げます。

顎骨の成長しきった成人は、成長期の子どものように上顎骨の正中を割り拡大させることは難しいとされていました。顎の骨を切る外科手術しか方法がなかったのです。
歯科矯正用アンカースクリューの登場により、課題であった成人の急速拡大法が可能になりました。外科手術よりも患者様の負担が少なくてすみます。
もしも矯正についてお悩みならば、歯科医院での矯正相談を無料で受けることをおすすめします。

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矯正治療で歯列を拡大する理由とは?

矯正治療で歯列を拡大する理由とは?

生え変わり期のお子様の場合は永久歯が生えるスペースを作ることができ、健康な歯を抜くことを防げる可能性があります。
顎骨が小さいと本来生えるべき場所に歯が生えず、他の場所に生やそうとして歯並びの乱れが生じます。

そのような場合に顎骨を拡大させて永久歯の生えるスペースを作り歯列矯正と顎骨の正しい成長を促すことが同時進行でできるのです。
しかし、拡大装置だけで歯列矯正は難しいため歯並びを整えるには他の矯正法を使います。

急速拡大装置の装着期間は?

急速拡大装置の装着期間は?

急速拡大装置は2週間から1ヶ月が標準的な装着期間です。ネジを回して1日0.2~0.25mmのペースで拡大します。
1日0.2mm拡大していけば1ヶ月後には6mm拡大しているのです。装置期間は歯科医師が患者様の骨格や歯列の状態を判断して決めるため、歯科医師の指示に従ってください。

拡大方法の種類

拡大方法の種類

拡大方法の代表的なものに「急速拡大法」と「緩徐拡大法」があります。
急速拡大法が名前のとおり早く上顎の骨を拡大する方法で、ゆっくり時間をかけ上顎を拡大して上顎骨を前方や横に拡大する方法が緩徐拡大法です。
ここでは、拡大方法の種類とそれぞれの方法について解説します。

急速拡大法

急速拡大装置を用いた上顎の拡大方法です。成長期のお子様の上顎骨の成長を利用した矯正方法で、2週間~1ヶ月ほどで上顎を拡大させます。
成人でも歯科矯正用アンカースクリューを装着して治療可能です。

急速拡大装置は先に説明したとおり、装置の中央にあるネジを1日に決められた回数だけ回すことで装置を広げて上顎骨を拡大します。
金属製の装置を患者様の小臼歯と大臼歯にはめ込んで装着するため、装着後約1週間は違和感がある、発音がしにくいなどデメリットがあることも事実です。

上顎骨の成長しきった成人には急速拡大法に外科的処置を併せて行う「外科的口蓋急速拡大法(SARPE)」もあります。
治療を受けるためには手術に適応できない、口蓋裂による上顎の発育不全の治療のためなどの条件があり、35歳までが適応年齢です。

緩徐拡大法

緩徐拡大法は急速拡大法とは対照的に、ゆっくりと時間をかけて上顎の骨を拡大します。
1年~2年にかけて骨の成長に合わせてゆっくりと上顎骨を拡大するため痛みが少なく、負担も少ないためよく用いられる方法です。

急速拡大装置のような劇的な効果や歯が生えるスペースの確保は期待できませんが、軽度の歯列の狭窄に多く使われます。
取り外し可能な拡大床と固定式のタイプがあり、取り外せるタイプは効果を発揮させるため装着時間を守るなどの管理が必要です。

急速拡大装置のメリット

急速拡大装置のメリット

急速拡大装置は上顎の拡大と歯列の確保が同時に可能です。しかし、すべての患者様に急速拡大装置による治療法が向いているわけではありません。
ここからは急速拡大装置を使用した矯正治療のさまざまなメリットのご紹介です。歯並びがきれいになるだけでなく、健康にもよい影響がみられます。

短期間で済む

1番のメリットは治療が短期間ですむということです。上顎に強い力をかけ上顎の成長を促して拡大させます。
患者様の状態にもよりますが、2週間から長くて1ヶ月ほどで治療が終わります。他の矯正装置を使った治療法が最低1年かかることを比較すれば非常に短い期間です。

鼻呼吸がしやすくなる

急速拡大装置を使用して上顎を広げることで鼻腔が広がり、鼻呼吸がしやすくなります。
鼻呼吸ができるようになると、鼻から外気を取り込む際に粘膜や鼻毛にウイルスや細菌をシャットアウトする機能があるため風邪を引きにくいことが利点です。
また、唾液の量が増えて口の中の乾燥や喉の渇きを防ぐ、いびきの軽減になるなどさまざまな効果があります。

抜歯せずにすむ

上顎が小さくて歯がきれいに並ぶスペースがない場合は、抜歯してスペースを作ることが一般的な方法です。
急速拡大装置を使うことで顎の骨を拡大させて歯の生えるスペースを作り出すため、不必要な抜歯を回避することが可能です。
しかし、抜歯をすることが悪い治療法ではありません症例によっては抜歯が必要となる場合があります。

急速拡大装置の注意点

急速拡大装置の注意点

ここからは急速拡大装置の注意点について解説します。
注意すべき点を理解して管理をすればスムーズに治療を進められるため、下記の注意点を確認してください。

決められた回数ネジを回す

装置の中央に横幅を調節するためのネジ(スクリュー)があります。歯科医師によって決められた回数を患者様ご自身で回すことで上顎の骨が広がる仕組みです。
目安として1日に0.2mm(1/4回転)回すことにより10日で2mm広がり、非常に短期間の間に上顎を広げられます。

食べ物が装置に付着する

口内に装着する装置なためどうしても食べ物の影響を受けやすくなります。
急速拡大装置を装着している間は食べかすが付着しないように、口内の衛生状態に気を配ってください。食べ物ではベタベタする粘着性の高い食品控えたほうがよいです。

発音がしにくいケースもある

発音がしにくいケースもある

口内に装置を装着するため違和感があり食事を取りづらい、舌に装置が当たることで言葉の発音がしづらいケースがあることも注意すべき点です。
こういった違和感は患者様が装置に慣れるまでの1週間ほどでなくなります。お子様は装置に慣れやすく、大人になると順応性が低くなるため慣れることが難しいです。

発音がしにくいなど、少しでも日常生活に不便を感じたらすぐに歯科医師に相談してみましょう。
急速拡大装置に関して不安がおありならば、歯科医院での矯正相談を無料で受けることが可能です。下記のボタンをクリックすると予約ページに移動します。

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急速拡大装置の不安は実績のある医師に相談

急速拡大装置の不安は実績のある医師に相談

歯並びについてお悩みの患者様は、急速拡大装置による矯正法が自分に合っているか、なるべく負担を少なくして治療できないかなどさまざまな心配をしています。
ほとんどの矯正歯科では治療の前に無料でカウンセリングを行っています。

矯正は費用も時間もかかり敷居が高いと思われがちですが、カウンセリングで気になることは遠慮なく何でも聞いてください。
歯列矯正の経験豊富な医師がご質問にお答えします。患者様の大切な歯並びのために、確かな技術を持った信頼できる矯正歯科医に相談しましょう。

まとめ

まとめ

今回は急速拡大装置について解説しました。慣れるまで少し時間がかかりますが、上顎に固定されるため顎が広がる効果は他の矯正方法よりも高いです。
短期間で歯列の拡大ができる魅力的な装置ですが、急速拡大装置はあくまでも歯列矯正の前段階的な治療法になります。

ワイヤー矯正やインビザラインなどの歯列矯正と併用だということを忘れないでください。
技術の進歩により矯正治療は成人してからも可能になりました。年齢に関係なく美しい歯並びは相手に好印象を与えます。

急速拡大装置を使用した矯正治療については、あくまでも歯科医師の判断にもとづいて行うことが第1条件です。
信頼できる歯科医師と出会い、よい笑顔を見せられるようになりたいですね。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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