【矯正治療で後悔する前に必読】「4人に1人」が後悔?失敗しない歯科医院選びの決定的なポイント

【監修:You矯正歯科大阪医院院長】

「矯正治療 失敗」というキーワードで検索している人は少なくなく、「矯正治療に踏み切るのが不安」だと感じている人は多いです。
「美しい歯並びを手に入れたい」という願いの裏側には、「治療後に顔が変わって後悔したらどうしよう」「高額な治療費が無駄になったらどうしよう」といった切実な悩みがあることと思います。

インターネット上で「矯正治療 後悔」と調べると、「4人に1人が後悔している」という驚くべきデータを目にすることがあります。矯正専門の医師にとっても、この数字は非常に驚きをもって受け止めています。

しかし、安心してください。
この「失敗」や「後悔」の多くは、技術的なミスではなく、事前の準備やコミュニケーション不足によって起こっている場合が少なくありません。

この記事では、矯正治療後に多くの人が後悔する具体的な原因を明らかにし、その失敗体験を教訓として、あなたが後悔しないための歯科医院選びの決定的なアドバイスをお届けします。

なぜ「矯正治療で後悔した」と感じる人がいるのか?

矯正治療における「失敗」や「後悔」は、主に以下の2つのパターンに分けられます。

1. 治療結果への不満:期待値のズレと「輪郭の変化」

治療結果が不満の原因となる場合、本当に治療結果がひどすぎるケースもありますが、多くは患者様の高い期待値と実際の仕上がりにズレがあったために生じます。
特に、外科手術や抜歯を伴う「抜歯矯正」のように、大きく口元を引っ込める治療(輪郭を変える治療)には、大きなメリットがある反面、予想外の副作用やリスクが伴いやすいです。

口元が大きく変わることによって、「今まで気にならなかった部分が急に気になり始める」というリスクがあるのです。
抜歯矯正で特に後悔の原因となりやすいリスク(副作用)を事前に知っておきましょう。

☆抜歯矯正で特に注意すべき5つのリスク

これらのリスクは、主に口元を大きく下げる治療によって、顔のバランスが変わることで顕在化します。

法令線(ほうれい線)が目立つようになる

口元が出ていた人が歯を抜いて骨ごと口元を引っ込ませると、元々あった口元のボリュームがなくなり、皮膚がたるんだように感じることがあります。これは、太っていた人が脂肪吸引で痩せると皮膚がたるむのと同じ原理です。
特に40代、50代と年齢が上がるにつれて、若く口元にハリがある方よりも、法令線が目立ちやすくなる傾向があります。抜歯矯正の最も大きなリスクの一つです。

頬がこけたように見える

矯正治療後に、頬が以前よりも痩せてこけたように感じてしまうという不満は、約3人に1人が抱えているというデータもあります。

鼻の下(人中)が長く見える

出っ張っていた口元が垂直に引っ込むと、鼻の下から唇までの斜辺が垂直に立った状態になります。
長さ自体は変わっていなくても、人中が伸びたように長く見えてしまうというリスクがあります。
元々人中が長いと感じている方は、特にこのリスクを念頭に置いておくべきでしょう。

顎関節症(あごの関節のトラブル)のリスク

抜歯をすることで、特に下の歯を抜いた場合、奥歯が倒れやすくなり、噛み合わせの高さ(咬合高径)が低くなることがあります。
これにより、あごの関節に負担がかかりやすくなり顎関節症(あごの痛み、カクカクといった異音)が悪化する可能性があります。

矯正前からあごの音や頭痛、肩こりなどの症状が多い方(不定愁訴の多い方)は、治療後に症状がひどくなる可能性も念頭に置くべきです。

歯の根っこが短くなる(歯根吸収)

歯を大きく動かし、骨の中に押し込んでいく際には、どうしても歯の根っこの先に負担がかかります。これにより、大なり小なり歯の根っこ(歯根)が短くなる現象は避けられません。
これが原因で歯が抜けるレベルまで進行することはほとんどありませんが、レントゲンで見れば必ず根っこは短くなっているのが現実です。

2. コミュニケーション不足による後悔

矯正治療後に「後悔した」と感じるケースの多くは、実は技術的な失敗というよりも、患者と医師の間での「行き違い」や「コミュニケーション不足」が原因であるとされています。

医師側からすれば十分綺麗になったと感じていても、患者様自身が「こんなはずじゃなかった」「自分のイメージと違う」と感じた場合には、患者様には「失敗」と受け取られてしまいます。
特に、治療で実現できる「限界」について、事前に十分な説明がなかった場合には、期待値が上がりすぎてしまい矯正治療の結果に納得できない状況が生まれます。

後悔しないための矯正歯科医院選び:3つの鉄則

矯正治療を成功させ、後悔を防ぐためには、治療後の歯並びの結果だけでなく、治療前のコミュニケーションと準備が非常に重要です。

鉄則①:限界とリスク(デメリット)について「十分な説明」を求める

すべての医療行為には、メリットとデメリットがあります。矯正治療で後悔しないためには、メリットとデメリットを天秤にかけ、納得した上で決断することが重要です。

「できることの限界」を確認する: 自分の歯並びや骨格において、矯正治療でどこまで治せるのか、物理的な限界について事前に詳しく説明を受けましょう。

リスクの説明を求める: 抜歯矯正を選択する場合は、法令線や人中の延び、顎関節症のリスクなど、顔貌の変化に伴う副作用について、具体的に聞きましょう。デメリットから目を背けず、リスクを理解した上で治療に進む姿勢が大切です。

鉄則②:医師との「深いコミュニケーション」を徹底する

治療開始前に、「自分が一番気にしているのはどの部分か」を明確に伝え、医師と価値観を共有することが重要です。
治療前、治療中、治療後のすべての状況で、後悔を防ぐためのフォローが必要です。

ちょっとした不安が不満に変わり、不満の積み重ねが不信感になり、不信感を持ったままの医療行為ではどんな治療結果においても後悔につながってきます。
ですので、ちょっとした不安や不満のうちに解決しておくことが後悔を減らす最も大きな鍵となります。

鉄則③:自分のニーズに合った「治療方針」を理解する

「抜歯矯正」と「非抜歯矯正(歯を抜かない矯正)」にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらを選ぶかは患者様の価値観によって異なります。

Eライン(横顔の美しさの基準)を大きく改善したい場合: 抜歯矯正は、口元を大きく引っ込めるため、大きな満足感を得られる可能性があります。しかし、同時に法令線などのリスクも高まります。

輪郭(顔貌)を変えたくない場合: 口元が大きく引っ込まない代わりに、法令線などのリスクは減りますので、非抜歯矯正の方が適している可能性が高いです。

医師は、患者様が「何を大事としているか」「譲れる部分と譲れない部分」を理解した上で、最良の治療法を提案してくれるはずです。「何が何でも口元を引っ込めたい」のか、それとも「歯並びだけ治したい」のか、ご自身の希望をはっきりさせることが重要です。

まとめ

矯正治療は、あなたの人生を豊かにし、自信を与えてくれる素晴らしい治療法です。実際に治療を終えた9割以上の多くの方は、「やってよかった」「人生が変わった」と喜ばれています。

しかし、「ブサイクになった」「老け顔になった」と感じるような、望まない結果になるリスクがゼロではないことも事実です。
このリスクを回避するために、恐れすぎる必要はありませんが、安易に考えず、治療のメリットとデメリットの両方を正しく理解し、深いコミュニケーションを取ってくれる信頼できる歯科医院を選ぶことが、矯正治療を成功させるための最大の秘訣です。

複数の歯科医院を訪れ、ご自身の要望と治療方針についてじっくり話し合った上で、後悔のない最終決断をしてください。

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