スピード矯正・痛くない矯正を同時に達成する『コルチコトミー』『コルチシジョン』
1.コルチコトミー・コルチシジョンのメリット
①矯正治療の痛みをなるべく少なくすることができる
②動かす期間が短くなる
通常6ヶ月かかるところが最少3ヶ月
③歯・歯茎に優しい治療(歯に異常な力がかからない)
④大きく動かせる(矯正治療の並びがよくなる)
やった方にしかわからない矯正治療のデメリット『痛み』
やった方にしかわからない矯正治療のデメリットとして、『痛み』があります。
歯が動くメカニズムとして、奥歯で200~300g前後、前歯で100g前後の力を歯にかけると動きも早く、矯正中の痛み、矯正後の歯根吸収・骨吸収、歯髄(歯の神経)の失活、などのトラブルもおきにくい、ということがわかっています。この力を『至適矯正力』と呼びます。
『至適矯正力』が均等に全ての歯にかかる装置が理想的な矯正装置ということになりますが、残念ながらそういった装置はまだ開発されていません。
現実的には、歯並び、歯根の長さ・面積、歯の傾斜、骨質、歯肉の状態、etc、など多くの制約があり、装置をつける際に『至適矯正力』以上の力がかかることがあります。
また、装置をつける術者の感覚に左右されるところもあります。
コルチコトミーで矯正中の痛みを軽減
矯正治療における、過剰な痛みの原因は、この『至適矯正力』を超える過剰な力に由来するといわれています。
この過剰な矯正力を少しでも小さい力に変えることができるのが、『コルチコトミー』という治療法です。
『コルチコトミー』を行うと、小さい力でも歯がしっかり動くので、矯正中の痛みを軽減させることができます。
そればかりか、はじめに挙げたようなトラブルが起きる可能性がかなり減少するのも大きなメリットです。
また、コルチコトミー法は『スピード矯正』と呼ばれているように、治療期間の短縮(約2/3~1/2)にもつながります。
これも、より小さい力で動きやすくなるコルチコトミー法の特徴です。
矯正治療が一般的によく行われているアメリカでは、成人の矯正において、多くのケースでコルチコトミー法が併用されています。
2.外科的な負担が最小の新しいコルチコトミー『コルチシジョン』
当院での従来型のコルチコトミーは、CTで精密診断後、ピエゾトームという骨用の超音波器具を用いるため、術中の痛みはもちろん、術後の腫れ・痛みがほとんど出ませんし、術後不快症状などのトラブルはこれまでほとんどありませんでした。
とはいっても、歯茎を大きく開き、10糸程度の縫合をするのは、患者様にとって精神的な負担が大きいのも事実です。
コルチシジョンという方法は、歯茎を開く過程を省き、代わりに小さな切開を細かく入れ、ピエゾトームで行います。
コルチコトミーの効果は全くそのままで、外科的な負担(歯茎を開く・縫合)を大きく省くことができる方法です。
骨外科は、骨を露出させて行うのが基本ですが、骨を露出させずに行うのがコルチシジョンです。
オペ時間は半分程度に短縮(上下全体だと1時間程度)できるため、治療代金もコルチコトミーに比べ、引き下げが可能になりました。
縫合しないので、当然抜糸が不要で、矯正も当日からはじめられます。
当院ではコルチシジョンを基本とし、どうしても必要な場合にのみコルチコトミー(歯茎を開く方法)を行います。
3.コルチシジョンと矯正治療の流れ
術前検査
外来問診、CT撮影、血圧測定を受けていただきます。
▼
矯正装置装着
含嗽剤お渡しいたします。
▼(1~2週間後)
術前クリーニング/オペ
お薬と歯ブラシをお渡しいたします。
<<オペのタイミングについて>>
矯正装置による矯正力が効いている状態でオペを行うのが最も効果的です。
(1~2週間後)
オペのタイミングが遅くなる程、矯正治療期間の短縮については難しくなりますのでご注意ください。
▼(翌日)
消 毒
▼(2週間後)
ワイヤー交換
4.料金
部分矯正の患者様
※矯正精密検査・矯正治療代金は別途必要となります。
※時間は局所麻酔込みの時間です。
検査 | 片顎MTM | 11,000円(約30分) |
上下MTM | 11,000円(約30分) | |
施術 | 片顎MTM | 88,000円(約30分) |
上下MTM | 176,000円(約1時間) |
※金額は税込です。
5.コルチシジョンのデメリット
ほとんどありませんが、外科処置のため、以下の方々の施術はお断りしております。
歯周病がコントロールされていない方・骨粗鬆症の方・糖尿病がコントロールされていない方・ヘビースモーカーの方・血液疾患の方・高血圧がコントロールされていない方・腎臓疾患のある方・悪性腫瘍などで化学療法・放射線治療を受けている方・歯科恐怖症の方・治療に協力的でない方