子供の矯正Q&A(2)歯並びは遺伝なのか生活環境の問題なのか

Q.歯並びは遺伝なのか生活環境の問題なのか?

Ans.私が学生の頃、歯並びが悪くなるのは、遺伝的要因が大きいというふうに習いました。
今でも、矯正専門医の多くは遺伝から歯並びが悪くなってくると考えている人が多いです。
しかし私は臨床経験を通じて、遺伝的要因以上に、噛まないという環境から後天的に歯並びが悪くなる場合も多いと考えています。

歯というものは、生えるスペースがきちんとあればきれいに並ぶものですし、十分によく噛む環境で生活していれば噛み合わせ的にも正しい咬合が作られていきます。

遺伝的要因が大きいとすれば、生まれた時点でその人の歯並びは、ある程度決まっているということになりますが、歯の形が普通の人より大きいといった歯自体の問題に関しては、遺伝的な関係はありますが、きれいな歯並びや正しい噛み合わせという点に関しては、遺伝よりも噛むという環境があるかどうかが大きな要因になっています。

その証拠に、粗食で固い物を食べていた昔の人や、北朝鮮の人に悪い歯並びの人が少ないことでもよくわかると思います。

Q.床矯正という名の取り外し矯正治療

Ans.矯正治療法の中には、床矯正という入れ歯のような物を装着して歯並びを治す方法があります。
この治療法は主に子供の時に用いられ、治療費が安いこと、多くの歯医者が簡単に治療に取り入れられることなどから、かなり普及しています。

とにかく安いということが、患者様にとってはとてもありがたいらしく、ひどい噛み合わせになる前に子供の時に予防的に用いられることが多々あります。
人間は安い、簡単、痛くないといった便利な方法があれば、なるべくそちらの方を好まれるのは当然のことであり、床矯正の適した患者様には(特に子供)床矯正のメリット、デメリットをお話して治療していくべきでしょう。

とくに早期の子供の場合では、奥歯を側方拡大して正しい噛み合わせを作るだけで、前歯などの多くの問題点も同時に解決されることも多々あるのです。

子供の場合は、歯が弱くとても虫歯になりやすい為、ワイヤーによる矯正治療よりも、この取り外し可能な、、入れ歯タイプの床矯正装置で治療していく場合が多い。
それに、11歳未満の子供の場合には、乳歯がある間は矯正治療を完全に終えられないので、ワイヤー矯正の治療期間が長くなってしまうために、虫歯予防の観点からいっても、この床矯正治療にはメリットが多い。

床矯正治療におけるメリットとしては、取り外しができるために、お手入れが簡単であること、治療代が安いこと、歯列弓を広げるのに優れていることなどがあるだろう。
一方、デメリットとしては、慣れるまでは結構使いにくい事、しゃべるのに不便である、患者さんがきちんと使ってくれないと歯は思うように動かないことなどがある。

どの装置にも言えることだが、メリット、デメリットを十分に理解した上で使用する装置は決めるべきである。

床矯正装置

床矯正装置

歯に装着した状態

歯に装着した状態

 

Q.歯の生える順番

  1. 中切歯
  2. 第一大臼歯 6才
  3. 側切歯
  4. 第一小臼歯
  5. 第二小臼歯
  6. 犬歯
  7. 第二大臼歯 12才

Q.大人と子供の矯正治療で何か違いはあるのでしょうか?

A.子供の場合は、多少噛み合わせに問題があっても、骨などの成長によって補ってくれることがありますが、大人は骨などの成長が期待できないので、子供よりも慎重に噛み合わせを作っていかないと、顎関節症の症状が発症しやすくなります。

Q.歯並びが悪くならないように子供のときに気をつけることはありますか?

Ans.まずは、乳歯を子供の歯だと軽視しないで、それぞれの乳歯の役目を十分に全うさせるために大切に長持ちさせることです。
乳歯は、大人の歯に比べて五、六倍も柔らかく、顎や顎関節の成長の邪魔をしないように、凹凸がなく平らになっています。

乳歯だからといって、その歯の寿命よりも早く抜歯することになってしまうと、その後ろの歯が前方に傾いてしまい、永久歯が正しい位置に生えてこようとするのを邪魔することになってしまうのです。

次に、顎と顎関節を十分発達させるためには、よく噛んで、よく運動しないといけません。
よく噛むことによって、顎の骨の血流を良くして、顎の成長を促進します。
そして、よく運動することによって、力を出す時に歯を食いしばるので、同様に顎の血流を促進するのです。

それに、よく運動して筋肉を鍛えることによって、万が一噛み合わせに問題が生じても、多少の顎のズレぐらいでは体の骨のゆがみを伴なわない、丈夫な筋肉を子供の時に培っておかないといけないのです。

いくら食べ物でカルシウムを取ったりしても、運動して筋肉と骨を鍛えなければ、カルシウムの吸収は十分にされないので、骨の育ちも悪くなってしまうのです。
顎が十分に発達しなければ、歯の生えてくるスペースが足りなくなり、必ず歯並びは悪くなってしまいます。

Q.矯正治療で頭が良くなるのですか?

Ans.頭を良くする食べ物や頭を良くする音楽などいろいろなものがありますが、正しい噛み合わせを作り出すことが、最も効果のあることだと思います。
歯の根元と顎の骨の間には、歯根膜といって脳とつながっているセンサーのようなものが存在し、噛むたびに脳細胞に刺激を加えることができるので、よく噛まない子供は、脳細胞が十分発達しないのです。

この説は動物実験でも証明されていて、ネズミを迷路の箱に入れてゴールに餌を置いた時、歯を抜いて育てたネズミだけが何度やってもゴールにたどりつけなかったのです。
また、水の中にネズミをはなした時、歯を抜いて育てたネズミだけが岸へたどりつけなかったのです。

同様な実験で、歯を抜いて育てた子ザルは何度やっても木に登れなかったというように、歯がなくなると脳細胞は活性化されなくなってしまうのです。
「よく遊び、よく学べ」ということわざは、遊ぶことによって筋肉がつき、噛む力も強くなって、自然に脳にも刺激がいくことを昔の人が実感として感じていたことを表しているのかもしれませんね。

脳細胞に刺激を与えるということは、子供の時にだけ関係するわけではありません。
年老いてからも、入れ歯で歯のない人に痴呆症の人が多く、自分の歯で噛める人には圧倒的に痴呆症の人が少ないのです。

Q.祖父母、両親ともに普通の顎なのに子供が受け口になるのはなぜですか?

Ans.何らかの原因で子供の成長期に噛み合わせが悪くなると、骨に伝わる力の方向が変化してきます。
その力の伝わる方向と大きさで、骨の成長が変化してくるのです。

顔や頭部の骨は、遺伝的な因子によってのみ決定されると思っている人が多いですが、噛み合わせが悪いために力の伝わる方向が間違ってくると、骨も正しい成長をしなくなり、頭の骨もゆがんでくるのです。

遺伝的要素も確かに大きいですが、子供の時に噛み合わせに問題があり、下顎の成長方向や成長の程度に異常な発達をしてくると、親は普通の顎や噛み合わせなのに、子供は受け口になったり、出っ歯になったりするのです。

ですから、親が出っ歯だとか受け口だからといって、子供も同じようになるという心配は必要ありません。
正しい噛み合わせを管理していけば、正常な骨格を保てるのです。

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