顎関節症を改善する歯列矯正を医師が解説|顎関節症と矯正の関係性もご紹介します

【監修:青山健一】

顎関節症を改善する歯列矯正を医師が解説|顎関節症と矯正の関係性もご紹介します

顎関節症で悩んでいる人は世の中に多くいます。しかし、顎関節症の原因や治療法はあまり多く知られていません。
また、歯並びや噛み合わせが原因と考えている人も多くいますが矯正治療で治療が可能なのでしょうか。今回は顎関節症の特徴や治療法について紹介していきます。

顎関節症に悩む人は多い?

顎関節症に悩む人は多い?

顎関節症は顎の関節やその周囲に何かがあり、それが原因で痛みや顎の動きが制限されてしまう症状です。顎は筋肉や関節・神経が複雑に入り組んでおり複雑な機能をもっています。
顎関節症になると顎への痛みや思ったように動かなかったり不快な音がするといったことが起きてしまいます。

さらにそのまま放置をしていると顎だけでなく肩こりやしびれ、偏頭痛など身体に様々な影響が起きてしまうのが特徴です。
顎関節症は様々な原因が複雑に絡み合うことでなってしまうと考えられており全国で患者数が約1900万人はいることからも顎関節症で悩んでいる人は大勢いることがわかります。

顎関節症の原因

顎関節症の原因

顎関節症はいろいろな要因が考えられておりはっきりとした原因はまだわかっていません。一般的には様々な要因が組み合わさることにより症状が起こると考えています。
また、似たような症状がでるほかの病気もあるため、個人での判断は難しく心配があれば早めに医師に相談をするようにしましょう。
ここでは顎関節症の原因と考えられている要因を紹介していきます。該当する人は一度検診を受けてみましょう。

不正咬合・噛み合わせ不良

不正咬合・噛み合わせ不良

不正咬合には様々な種類がありますがそのどれもが噛み合わせ不良です。
不正咬合により、噛み合わせに問題ある歯があると顎を動かしたときに顎の関節や筋肉に余計な負担を掛けてしまいます。
負担を掛けている状態を放置していると顎に損傷が起きてしまい最終的には顎関節症へと発展していきます。

不正咬合と判断されて、なおかつ顎を動かしたときに痛みや音の症状があれば顎関節症の疑いがあるため医師の診察を受けましょう。
顎関節症だけでなく不正咬合の放置は危険のため、早めの治療が重要です。

片方の歯で噛む癖

癖で片側の歯だけで噛むと顎関節症になりやすいと考えられています。食事を片側だけで食べることで顔の左右の筋肉に差がでてしまいます
その状態がさらに悪化していくと噛み合わせが悪くなることにつながり最終的に顎関節症になってしまうため注意が必要です。

ほかにも片側噛みは片方の筋肉が張り、反対側は緩むということになり目の高さや口の向き、ほうれい線の濃さなど顔が歪んでみえてしまうという恐れもあります。
片側噛みは癖からくることが多く、意識して治せる問題のため悪化する前に改善をしていきましょう。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりは日本人の70%近くの人が無意識に経験しているといわれています。歯ぎしりは無意識のうちに顎に強い力が加わり顎の関節に負担が掛かってしまい顎関節症になりやすくなってしまいます。
歯ぎしりには「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」といった種類がありますが基本的にどれも無意識下で行われることがほとんどです。

歯ぎしりは睡眠時に行われることが多く行っている本人が気づくのは難しいため、家族や友人に確認をしてもらう必要があります。
また、食いしばりも顎関節への負担が大きく顎関節症になってしまうため心当たりがある人は早めに歯科医に相談しましょう。

精神的ストレス

顎関節症と精神的ストレスは強いつながりがあると考えられています。
過度なストレスを感じてしまうと身体が本能的にストレスを解消する行動をとって自己防衛を図りますが、それの1つが歯ぎしりです。

ほかにも、歯を食いしばったりとストレスが原因となっている行動があります。
身に覚えがなくても口が開きにくかったりや痛み、音があるなど原因不明の不調がある場合は早めに相談をしてください。

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顎関節症の主な症状

顎関節症の主な症状

前述で紹介しているとおり、顎関節症の明確な原因ははっきりとしていません
そのため、兆候を感じられても予防策をとることは難しく気が付くと顎関節症になっていたという話も珍しくありません。
しかし、原因ははっきりとしていなくても顎関節症の主な症状は明確になっています。これから紹介する主な症状の特徴を理解して心当たりがある場合は早めに診療を受け治療をしましょう。

顎の痛み

顎関節症は顎関節に痛みを伴います。ちなみに顎関節とは下顎の付け根あたり、耳の前を触って口を開け閉めしたときに動いている部分を指します。
この部分がはっきりと痛いとわかるのなら顎関節症の可能性が高いです。

よく間違われるところでこめかみや頬のあたりの痛みと勘違いをされることがありますが、これは側頭筋や咬筋、胸鎖乳突筋などの筋肉の痛みのため、顎関節症とは違います。
しかし、気になる点があれば些細なことでも医師に相談することが重要です。

顎が鳴る

顎関節症になると顎が鳴ることがあります。これは食事の際や会話をしているとき、あくびなどで大きな口を開いたときに顎の関節付近で「ゴリゴリ」「コキコキ」などの音が鳴ることを指します。
音は状況によって変わるため、顎関節から音がなったら歯科医院に受診をして音の原因を確認しましょう。

口の開きにくさ

顎関節症は顎の関節の関節円板がずれてしまうことにより、関節の動きを妨げてしまい口を開きにくくしてしまいます。
開きにくい状態で無理やり口を開けると痛みがでてしまい、逆に大きな口を開けないようにしておくと顎関節や咀嚼筋の運動が制限されてしまうため放置は危険です。

目安としては口を開いて自身の指が3本縦に入らなければ顎関節症の疑いがあります。
また、口が開かなくなることはほかの疾患が原因の可能性もあるため自己判断せずに歯科医に受診をして確認をしましょう。

顎関節症を改善する方法

顎関節症を改善する方法

顎関節症は日常生活の行動や癖に関係している点が多く含まれています。そのため、症状の進行度合いや歯科医院の方針によっては生活習慣の改善から取り組むこともあります。
顎関節症の疑いがある場合は早めに検診を受けて歯科医の指示の下、治療を進めていきましょう。ここではそれぞれの治療法について紹介していきます。

マウスピースを装着

マウスピースを装着

顎関節症の治療で使用されるマウスピースは「スプリント」や「ナイトガード」と呼ばれています。
これは矯正治療などで使用されるマウスピースとは違い上側か下側のどちらか片側だけに被せることが一般的です。

この治療法は歯のすり減らしの防止や歯ぎしりで起こる負担の軽減及び分散をし、歯を食いしばったり歯ぎしりをしたりする悪癖の改善を行います。
このマウスピースは夜間や就寝時に使用するため、装着時の違和感が気になってしまうという人は使用が難しいかもしれません。
違和感が我慢できず無意識のうちに外してしまうと治療の効果を得られないため使用前には注意が必要です。

開口訓練

顎関節症の初期症状であれば患者自らが行う開口訓練で改善できる場合があります。
この開口訓練は歯科医にあらかじめ指導をしてもらえば家庭でも気軽にケアが可能なため、ほかの治療と並行して進める場合もあります。

具体的には筋肉のマッサージやホットパックなどで患部を温める方法の理学療法からストレッチや開口量を改善させる可動訓練などの運動療法があり必要に応じて使い分けることが重要です。
開口訓練は正しい手順で行うことが重要なため、歯科医の指導を受けて行っていきましょう。

歯列矯正

歯列矯正とは矯正装置を取り付けて歯を動かして歯並びや噛み合わせを改善していく治療法です。
顎関節症と噛み合わせは関係はありますがそこが一番重要とは考えられておらず精神的な部分の占める割合が大きいといわれています。
噛み合わせも同時に治したいと考えている場合でも歯科医に相談の上、並行して治していくのか1つずつ対処していくかを検討していきましょう。

歯列矯正で顎関節症を改善するなら?

歯列矯正で顎関節症を改善するなら?

歯列矯正なら噛み合わせをよくすることは可能です。
実際、歯列矯正は歯並びや噛み合わせを改善することが目的で行うことが多く、噛み合わせが原因として考えられている顎関節症は歯列矯正で治せると考えることが多くあります。

しかし、顎関節症の場合噛み合わせの改善だけでは治らないこともあるため注意が必要です。
顎関節症を治す目的だけでなく歯並びも気になっている場合はよいかもしれませんが顎関節症だけに対して、治療を考えているならまずはスプリントでの治療をおすすめします。
歯列矯正で顎関節症を改善したいと考えているならほかの要因の可能性も考慮して進めていく必要があります。

顎関節症と矯正の関係性

顎関節症と矯正の関係性

2010年に米国歯科研究学会(AADR)というところが「顎関節症の基本治療の原則」という論文を発表しました。
そこには「顎関節症の基本治療は、患者自身の癖や精神的なストレスからくる部分が大きい。そのため、行動認知療法や理学療法、マウスピースを主体とした保存的な治療が原則」とあります。
つまり、「噛み合わせの治療は最優先ではない」とあり日本顎関節学会や日本補綴歯科学会もこれに賛同しています。

矯正治療で噛み合わせの改善と並行して進めると逆に症状が複雑化されて悪影響を及ぼしてしまう可能性があるため注意が必要です。
そのため、顎関節症の治療が目的で矯正治療を行う場合は歯科医が必要と認めたときだけにしましょう。

顎関節症の治療は専門医に相談しよう

顎関節症の治療は専門医に相談しよう

前述でも紹介したとおり顎関節症のはっきりとした原因はわかっていません。現状では様々な要因が複雑に絡み合って起きていると考えられています。
そのため、個人で判断することは非常に難しく放置してしまうと悪化してしまう恐れがあります。

顎関節症は自覚症状も少なく、検査を行えば60%~70%の人が何らかの異常が認められるため病気ではないと考えている歯科医もおり正しく対処すれば問題のない症状です。
気になることがある場合は些細なことでも専門医に相談することで早めの対処を心がけていきましょう。

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まとめ

まとめ

顎関節症は無自覚の人も含めて多くの人が関係しています。特に現代社会は高ストレス社会のため、顎関節症になる人も増えていく可能性があります。
そのため、今一度生活習慣を意識して注意をしていくことが重要です。
顎関節症の症状で噛み合わせの改善もしたいと考えている人は歯科医と相談をして進めていくことが重要です。
顎関節症も噛み合わせも改善して気持ちよく生活をしていきましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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