Tarzan(マガジンハウス)6月10日号「目と歯の話」

Tarzan6月10日号で「目と歯の話」で噛み合わせについての取材

Tarzan(マガジンハウス)6月10日号「目と歯の話」

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画像の文章が読みづらい場合は下記をお読み下さい。(原文通り)

口腔環境を整えて、健康な歯をキープしよう!

欲しいのは、健康な歯。だけどその前に、口の中を整えてないといけません。生活習慣を改めて、まず土壌作りを!

今日一日のうち、あなたは自分の歯がものを噛む音を聞きましたか?
パリッでもシャクッでもボリッでもいい。今、ものを噛んでるなぁと実感した覚えは?

一回の食事で噛む回数を比較してみると、縄文人は約4000回、現代人は620回ほどなのだという。木の実や干し魚を時間をかけて咀嚼するのと、ハンバーガーやカレーを飲み込むように食べるのとでは、これだけの差があるということだ。

文明が進むにつれ、噛むという動作が省略され、多くの現代人が手にしたのは、華奢な顎、噛み合わせの不具合、不揃いな歯並び、そして虫歯や歯周病に弱い歯。すべてをひっくるめた口腔環境の悪化だ。

歳をとって総入れ歯になるのは仕方ないという考え方は今は昔。一生涯使える自前の歯を少しでも多くキープするというのが、現在の日本の歯科医療の大命題。口腔環境のケアなくして、この命題は果たせない。

健やかな歯は健やかなお口の環境から。今のところ全部自前の歯だし、虫歯の痛みもないし、歯茎だって腫れていないという人も、いま一度、口の中全体のコンディションをチェックしてみてほしい。

A 無意識の癖を見直して、噛み合わせを改善。[生活習慣]

顎関節が、本来の位置に安定せず、下顎の骨がズレる。これが高じると顎関節症という、立派な病気に発展してしまう。顎の痛みをはじめ、頭痛や肩こり、腰痛など、全身の不定愁訴につながるケースも決して少なくない。ひどいときには日常生活そのものが成り立たなくなるという侮れない病気だ。

南青山デンタルクリニック院長、青山健一さんによれば、「成人の8割は顎関節症予備軍。その原因のひとつが、通勤や仕事中、自宅で寛いでいるとき、ついつい出てしまうカラダのクセ。長年続けてしまうことによって、噛み合わせに影響が表れてきます。左右差のある動作はとくに注意が必要。

何となくラクだからという理由でいつも同じ動作や姿勢を繰り返していると、首から上の筋肉にかかる力に左右差が出てくる。その結果、口腔内の力のアンバランスが生じ、左右どちらかの顎関節に負担をかけてしまうことに。」

まずは、生活の中で無意識に行っているクセを見直す。リラックスしているときほど要注意。たとえば、左の例のようなクセがあった場合は、即、改善。左右差をできるだけなくしていくことから始めよう。

B ストレスによる睡眠時の噛み締め。その予防と対策。[睡眠の質]

睡眠中の激しい歯ぎしり、歯の強い噛み締め。これが結構、厄介な問題。自分でコントロールできない行動なだけに、改善することは容易ではない。

ひとつ、すぐにでもできることはストレスリリース。寝ている間に歯を強く噛み締めるという人は、多くの場合、精神的なストレスを抱えている。自律神経のうちの交感神経のスイッチがオフにならず、肩に力が入ったままなので、歯の噛み締めが起こるのだ。

深夜まで残業して、家に帰ってバタンキューでは、自律神経が休息モードに切り替わる暇がない。カラダをリラクセーション状態に導く副交感神経の活動を促す工夫を、できるだけ取り入れていこう。

寝る前には必ず風呂に浸かってカラダを温める、軽いストレッチを行う、鎮静効果のあるハーブティーなどを飲む、などなど。

「それでも効果がなければ、マウスピース(スプリント)を。専門の歯科医のもとで、自分の歯に合わせたものをオーダーメイド。歯にかぶせることによって、強く噛み締める手前の位置で歯が止まり、顎への負担が減ります。」(青山さん)

C 固いものと酸っぱいもので口を潤す。[ドライマウス気味]

現代人の咀嚼回数が、昔に比べて極端に少なくなったことは、冒頭で述べた通り。このことで口腔環境にはさまざまな悪影響が及ぼされる。なかでも、唾液の量が減ってしまうことは大問題。

噛むという行為で、口の中は自然に唾液で満たされる。唾液に含まれているのは、デンプンの消化を促す酵素のほか、抗菌や殺菌作用のあるタンパク質、口の中を中性に保つ物質、虫歯を抑制するタンパク質など。

言ってみれば、唾液によって良好な口腔環境が維持されているようなもの。とくに、口の中を中性に保つことで虫歯や歯周病菌の繁殖を予防できることは、大きなメリット。

「噛めば噛むほど量は多くなります。が、残念ながら現代の食生活を見渡すと、軟らかいもののオンパレード。意識して食材を選ぶつもりで臨まなければ、噛む回数は減る一方。1回の食事で噛む回数がたった200回程度という人も珍しくないのです。」(青山さん)

選択肢があるときは、軟らかいものより硬いものをを選ぶ。唾液の分泌を促す酸味のあるものを積極的に食べる。ガムを噛む習慣をつけることなども有効だ。

-マスコミ取材
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