歯周病と歯並びの関係を歯科医が解説|歯周病によるリスクや矯正治療までの流れもご紹介します

【監修:青山健一】

歯周病と歯並びの関係を歯科医が解説|歯周病によるリスクや矯正治療までの流れもご紹介します

歯の代表的な疾患でもある歯周病は、歯並びに深く関係していることを知っていますか?今回は、歯周病と歯並びの関係はどのようなものなのかを詳しく解説していきます。
歯周病になる原因・歯周病によるリスク・矯正治療までの流れなども一緒にみていきましょう。

歯周病と歯並びの関係

歯周病と歯並びの関係

歯周病は簡単にお伝えすると、歯を支えている骨を溶かす疾患です。歯周病によって歯のまわりの骨が溶けることで歯がグラグラとし、歯並び悪化へつながります。
また、歯並びが悪いと汚れが溜まりやすく歯磨きで落としきれないことから細菌が繁殖し、歯肉炎や歯周病へつながります。

このように歯周病と歯並びは相互関係にあり、歯周病になると歯並びが悪くなりやすい・歯並びが悪いと歯周病になりやすいと知っておきましょう。

歯周病と歯並びの関係が注目されている理由

歯周病と歯並びの関係が注目されている理由

歯周病と歯並びはどちらかが悪化するともう一方も悪くなりやすく互いに影響し合っている関係ですが、この関係が注目されている理由には歯の寿命が関係しています。
日本歯科医師会は80歳でも20本以上の歯があるように歯の健康保持を推進しており、このことを「8020(はちまるにいまる)運動」と呼称しています。

歯周病は歯の寿命を縮める主な原因であり歯並びが悪い人は歯周病になりやすいため、80歳になったときに自分の歯が20本以上残っている人は多くありません。
日本人の平均寿命は年々増加しているため、歯の寿命も長くしなければ食生活による体の健康を保てない他、自分の歯で食事をする楽しさを失ってしまいます。

入れ歯やインプラントという方法もありますが、自分自身の天然歯があることに越したことはないため「8020運動」を推進しているのです。
歯周病で歯の寿命を縮めないためにも、きれいな歯並びでいるということはとても大切なことだと知っておきましょう。

歯並びが悪い人は歯周病で歯の寿命を縮めないために、今から矯正治療を始めても遅くはありません。
歯周病や歯列矯正について詳しく知りたいという方は下記のリンクから無料相談をご予約いただけるため、ぜひお気軽にご利用ください。

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歯周病の主な原因

歯周病の主な原因

歯並びをも悪くしてしまう歯周病はなぜ起こるのか、歯周病の主な原因をみていきましょう。
当てはまるものがあれば今後歯周病になる可能性が高く、すでに歯周病になっている人もいるかもしれません。
ご自身に当てはまるものがあるか、歯周病の原因となるものを順番にチェックしてみましょう。

プラークの付着

プラークの付着

歯と歯茎の間には、歯周ポケットという隙間があります。この隙間にプラークと呼ばれる歯垢が付着したままになると、歯周病菌が繁殖し歯のまわりの骨を溶かします。
付着したばかりの歯垢は柔らかく歯ブラシで落とすことができるため、毎日しっかりとブラッシングができていれば歯周病にはなりません。

ところが奥歯の頬側や歯と歯の間などは歯ブラシの毛先が届きにくく、きれいに磨くことが難しいため歯垢が残りがちです。
歯垢は歯ブラシで落としきれないと歯石へ変わり、歯石になると歯ブラシで落とすことは難しくなるため、歯周病菌が繁殖する最適な場所になってしまいます。

このようにプラークの付着が原因で歯周病にならないためには、日々のブラッシングケアがとても大切ということを知っておきましょう。
歯ブラシで磨きづらい部分はワンタフトブラシ・歯間ブラシ・フロスなどを使用してお口の清潔を保つことが大切です。

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症にも含まれており、糖尿病になると歯周病が進行しやすいということが近年の研究結果で明らかになってきています。
また、歯周病の治療を行うと糖尿病の改善につながることも明らかになってきており、歯周病と糖尿病も相互関係にあるとされています。

糖尿病だと歯周病になりやすい原因として挙げられるのが、歯のまわりの血行悪化免疫力の低下です。
免疫力が下がると歯周病菌に抵抗する力が弱くなり、歯周病の進行を妨げられず歯のまわりの骨を溶かしてしまいます。

糖尿病は遺伝性もあるため、両親が糖尿病という場合は若いうちから歯周病予防を習慣づけておくことも大切です。

喫煙

喫煙

歯のまわりの血行が悪い・免疫力低下などで歯周病になりやすいのは、喫煙している人も同様です。
喫煙者はニコチン成分による影響で歯茎の血行が悪くなりやすく、歯の健康を保ちづらい状況になっています。禁煙者に比べて免疫力も低く、歯周病菌に抵抗する力が弱いです。

また、歯茎の血行不良のため歯茎の腫れに気付かず、歯周病の初期段階である歯肉炎の状態に気付きにくくなります。
結果、気付いたときには歯周病が進行していたという人が少なくありません。喫煙は体だけでなく歯の寿命をも縮める可能性があることも知っておきましょう。

口呼吸

口呼吸

口の中が乾燥しやすい口呼吸も歯周病の原因となる1つです。口の中が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなり、歯周病になりやすくなります。
細菌が繁殖しやすい場所というのは歯周病菌だけでなく虫歯菌にとっても同様のため、口呼吸は虫歯にもなりやすいということです。

また、口呼吸をしている人は舌の位置が定まらず下の前歯を押すことで歯並びの悪化へも繋がるため、鼻呼吸へ改善するように心がけましょう。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしり・食いしばり

歯に過度の負担がかかる歯ぎしり・食いしばりを行っている人も歯周病になりやすいです。
過度の負担がかかる歯のまわりは炎症を起しやすく、大きな力がかかり続けることで歯のまわりの細胞組織が壊れ、歯肉炎や歯周病となります。

歯ぎしりや食いしばりは歯並び悪化の原因にもなり、歯並びが悪くなることで歯周病になることも少なくありません。
就寝時やスポーツをしているときなどは無意識に歯ぎしりや食いしばりを行いやすいため、マウスピースを装着することで歯への負担を減らせます。

歯周病の悪化によるリスク

歯周病の悪化によるリスク

歯周病はさまざまな原因によって誰もが起こりうる疾患ですが、放置すれば後悔することにもなりかねません。
では、歯周病が進むとどうなるのか、歯周病の悪化によるリスクをみていきましょう。

歯並びの悪化につながる

歯並びの悪化につながる

歯周病が進行すると歯を支えているまわりの骨が溶けてなくなるため、歯がしっかりと支えられずぐらぐらとしてきます。
歯周病によってぐらぐらとした歯はきちんと安定しないため、歯の向きや位置が変わり歯並びの悪化につながります。

また、歯が揺れるほど歯周病が進行すると膿が出ることも多く、ひどい痛み口臭の原因にも繋がるため注意が必要です。

歯の寿命を縮める

歯周病が進行し歯が揺れるほど骨が溶けてしまうと、もう元のしっかりとした骨の状態には戻りません。
歯を支えているまわりの骨がほとんど溶けてしまえば、歯が抜け落ちてくることもあります。

また、歯周病の進行によってきちんと噛めない・痛みや化膿が続くなどの場合は、抜歯をするケースも珍しくありません。
このように歯周病が悪化すると歯の寿命を縮めてしまうため、80歳で20本以上の歯を保持するためにも歯周病の予防や治療はとても大切です。

歯周病があるケースの矯正治療の流れ

歯周病があるケースの矯正治療の流れ

悪い歯並びを矯正治療できれいにすることは、見た目の改善だけでなく歯周病の予防にもなります。
すでに歯周病になっている場合は、歯周病が悪化して全体の歯の寿命を縮めないためにも歯列矯正を始める場合もあります。

ただし歯周病の方はすぐに矯正治療を始められません。歯周病のまま矯正治療を行うと、歯周病になっていない健康な歯まで歯周病菌が入り炎症を起こしやすくなります。
では、歯周病があるケースの矯正治療の流れはどのようなものかを詳しくみていきましょう。

歯周病の検査

歯周病の検査

歯周病は、歯のレントゲン写真を撮影するレントゲン検査と歯周ポケットの深さを測るプロービング検査を行い、進行具合を確認します。
レントゲン写真は歯だけでなく歯のまわりの骨もみられるため、骨が溶けているとレントゲン写真で確認できる部分は歯周病が進行しています。

また、プロービング検査で歯周ポケットが深ければ歯のまわりの骨が溶けていることとなり、歯周病が進行していることがわかるのです。
レントゲン検査で骨が溶けている部分はプロービング検査での数値も高く、数値が高いほど骨が溶けていることになります。

健康的な歯の歯周ポケットは約2mmほどですが、歯周病が進行すると数値が高くなり、歯周ポケットの深さが6mm以上あれば重度の歯周病といえます。
レントゲン検査やプロービング検査は矯正治療を始める前に行い、この時点で重度の歯周病と診断された場合は先に歯周病の治療をしなければなりません。

歯周病の治療

歯周病の治療

歯周病の治療は、歯周病の原因となっている歯垢や歯石の除去から始めます。また、重度の歯周病で膿が溜まっている場合は、膿を出して歯茎の炎症を抑えます。
歯周病によって溶けた骨は戻りませんが、骨まわりの炎症が起きている歯茎は歯垢・歯石を除去することで健康的な歯茎へ改善が可能です。

しかし歯垢や歯石は歯科医院で取り除いても、毎日の食事で付着してしまいます。歯垢の付着は避けられないため、毎日の歯磨きで歯垢をきれいに取り除く必要があるのです。
毎日の歯磨きはセルフケアになるため、正しいブラッシング方法を歯科医院で指導してもらいましょう。お口の清潔を保つことが歯周病の治療になります。

歯周病の改善はすぐにできるものではありません。1ヶ月ほどで改善する方もみられますが、多くの人は半年以上かかります。
また、歯周ポケットのケアで改善しない症例は、歯のまわりの骨を再生治療する外科的な手術が必要な場合もあります。

いずれにせよ歯周病を改善しなければ矯正治療を始められないため、歯列矯正を考えている人はまず歯周病の検査から始めましょう。

矯正治療の開始

歯周病の治療を行い改善がみられれば、矯正治療を始められます。しかし、矯正治療を始めると矯正装置の影響で歯磨きがしづらい部分も出てきます。
歯磨きがしづらいと上手く歯垢が落としきれず、歯茎の炎症が起こりかねません。

歯茎が炎症している歯肉炎の状態を放置すると再度歯周病の進行へつながるため、矯正治療中もしっかりとブラッシングを行いましょう。

歯周矯正治療で歯の健康を目指そう

歯周矯正治療で歯の健康を目指そう

歯周病になると歯並びが悪くなりやすく、歯並びが悪いと歯周病になりやすいため、歯周病と歯並びのどちらも改善することで歯の健康を保てます。

歯周病に悩んでいる人は矯正治療を行うことで、今後歯周病になりにくくなる可能性もあります。また、歯並びが悪い人は矯正治療を行うことで歯周病を防ぐことが可能です。
歯周病・歯並びの悪さを患っている人は、歯周矯正治療で歯の健康を目指しましょう。

歯周病と歯並びの悩みは歯科医に相談しよう

歯周病と歯並びの悩みは歯科医に相談しよう

歯周病の治療や矯正治療は、不安や疑問を感じる人も少なくありません。
ですが、互いに深く関係しているため、歯周病と歯並びを改善することで見た目もよくなり歯の健康を保てます。
歯周病と歯並びの悩みがある方や歯周矯正治療を始めたいと思っている方は、歯科医に相談してみましょう。

下記のリンクではインターネットから無料相談をご予約できます。歯周病や歯並びに悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

まとめ

歯周病と歯並びの双方を改善することで、健康的な歯と美しい口元を手に入れられます。
80歳になっても20本歯を維持する「8020運動」を実現するためにも歯列矯正を行い、歯周病と歯並びを改善してこれからも食生活を楽しみましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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