噛み合わせは毎日変わるのか?噛み合わせがずれる原因や対処法を歯科医が解説します

【監修:青山健一】

噛み合わせは毎日変わるのか?噛み合わせがずれる原因や対処法を歯科医が解説します

歯の噛み合わせについて考えたことはありますか。歯の噛み合わせが悪いことが原因で歯並びだけでなく口腔内の環境や身体にさまざまな変化をもたらすことが分かっています。

噛み合わせについて知ることは歯並びの改善だけでなく、身体の不調の原因がつかめるかもしれません。噛み合わせは私たちに一体どのような影響を及ぼすのでしょうか。
噛み合わせは毎日変わるのか、噛み合わせがずれる原因や対処法について歯科医が解説します。

歯の噛み合わせは日々変化している

歯の噛み合わせは日々変化している

歯の噛み合わせは数日で急激に変化することはありません。しかし、日々の積み重ねや口腔内の些細な変化が原因で噛み合わせに変化が生じることはあります。
気づいたら「歯並びが変わっていた」・「虫歯が増えた」・「頭痛や肩こりに悩まされている」など思い当たることはありませんか。

こういった場合には、すでに噛み合わせに変化が生じていたり、あるいは歯並びの状態に変化が起こっていたりするかもしれません。
また、虫歯を放置することで歯の形が変化し、激しい運動をしている方は歯の食いしばりなどにより歯の形が変化し噛み合わせに影響をもたらすこともあります。

噛み合わせがずれる原因

噛み合わせがずれる原因

それでは、どんなことが原因で噛み合わせがずれていくのか具体的に解説します。

顎の発達状況

顎の発育異常や未発達により、噛み合わせへの影響が生じて歯並びに影響を及ぼすことがあります。
これは「顎変形症」といい、この場合には顔面の形態に異常が生じたり歯並び・噛み合わせなどの機能的な面での問題が生じたりする場合が少なくありません。

顎変形症には先天的なものと後天的なものがあり、顎の正常な成長や発育ができていないとますます歯並びや噛み合わせが悪化していきます。

親知らずや歯の欠損の影響

親知らずや歯の欠損の影響

一般的にいわれる「親知らず」とは、第3大臼歯である大人の一番奥に生えてくる歯のことです。
親知らずが生えてくるのは、10代後半から20代前半ごろが一番多く永久歯の中でも最後に生えてくる歯になります。

しかし、親知らずは必ずしも全員に生えてくるわけではありません。もともと親知らずのない人もいます。
親知らずがあっても、生えてくる場所がない場合には斜めに生えたり、埋伏(埋まったまま生えてこない)状態のままだったりする人も少なくありません。

もちろん普通の永久歯と同じように生えてくる方もいます。きちんと生えてくるスペースのある場合には、親知らずが噛み合わせや歯並びに影響することは少ないです。
しかし、永久歯に比べ歯質も弱く、奥歯のさらに奥に生えてくることから親知らずは磨きづらく虫歯になるリスクが高いです。

そのため他の歯への影響などを考えて抜歯することが多くあります。
埋伏状態や斜めに生えてくるなどの場合には、生えてくる過程で他の歯を押し上げたり、ぶつかったりして歯茎の腫れ・痛み・歯周への影響を及ぼしかねません。
その結果親知らずが噛み合わせや歯並びに影響することが考えられます。

歯ぎしり・姿勢などの生活習慣

歯ぎしり・姿勢などの生活習慣

噛み合わせや歯並びは普段の生活習慣からも変化していきます。
頬杖をつくような姿勢をする癖のある方は、頭の重さが歯や顎への負荷となり、ほかにも爪を噛む癖のある人・舌で歯を押したり舌を出したりするような癖のある人・指しゃぶりなどは噛み合わせや歯並びに変化が現れるリスクが高くなるため要注意です。

頻繁に歯ぎしりをしている人は歯の表面が削られているケースがよく見られます。
歯ぎしりは普段の生活でのストレスなどが原因で無意識にするのがほとんどで、歯ぎしりや食いしばりが起こると歯や顎に強い負荷を与えることになりかねません。
歯ぎしりは歯がすり減る・歯にひびが入るなどの原因となり、その結果噛み合わせに変化が生じます。

短期間で噛み合わせが変わる場合って?

短期間で噛み合わせが変わる場合って?

口腔内の環境が急激に変化することで短期間のうちに噛み合わせに変化が生じる場合があります。
一体、どんな場合に短期間で噛み合わせに変化が生じるのか解説します。

虫歯や歯周病の影響

虫歯や歯周病の影響

短期間で噛み合わせや歯並びに変化が生じる場合は虫歯や歯周病が原因の可能性が少なくありません。

虫歯で歯に穴が開いたままあるいは歯が抜けたまま放置してしまったり、歯周病が進行することによって口腔内の状態が悪く歯を支えられなくなったりすると咀嚼や噛み合わせのバランスが崩れいつもと違う部分に負荷がかかることになります。

歯の噛み合わせや歯並びは、このバランスが崩れることで短期間で噛み合わせや歯並びが変化するため注意してください。

歯の噛み合わせの影響

噛み合わせや歯並びが悪いことで、歯がきちんと磨けない・物が詰まるなどして、口腔内環境の状態が悪くなり歯の寿命が短くなったり、食べることが困難な状況になったりしてしまうこともあります。これが虫歯や歯周病の進行が進む原因です。

歯の噛み合わせの影響が悪いことで歯の健康状態が悪化し虫歯や歯周病が進行してしまうだけでなく、さらに身体にまで影響が出る悪循環となる可能性もあります。

噛み合わせの悪化によって起こる症状とは

噛み合わせの悪化によって起こる症状とは

噛み合わせが悪化することで生じる変化について解説します。

噛んだときの違和感

普段と特に変化がないように感じていても、食事中や会話しているときなどふとした瞬間に顎や噛み合わせに違和感を覚えることがあります。
些細な違和感かもしれませんが、この場合噛み合わせや歯並びに変化が生じている場合が少なくありません。

下記のような症状があれば注意が必要です。

  • 口を開けた時に顎に違和感がある(カクカク・ガクガクしたりする、音が鳴るなど)
  • 普段と噛んでいる感覚が違うような違和感を覚える
  • 噛み締められない
  • 口を開けて閉じる時に違和感があり開け閉めがしづらい

体調不良(顎関節症・頭痛や肩こりなど)

体調不良(顎関節症・頭痛や肩こりなど)

 

口腔内の違和感を覚えたのと同時期に、肩こりや頭痛などの体調の変化や顎関節に痛みが生じる場合には噛み合わせが原因かもしれません。
顎関節症の痛みには「顎関節」と「咀嚼筋」の痛みがありますが、炎症などが生じている場合は神経障害によるもの・心因性のもの・原因不明のもの・突発性のものなど考えられる原因は多岐に及びます。

痛みが継続する場合には顎関節症専門医の診察などが有効です。
ほかに生じる体調の変化としては、噛み合わせが悪くなることで顎に余計な力が入ったり身体全体に力が入りやすくなったりした結果、身体が歪むなど見た目への症状を引き起こすこともあります。

これらは顎関節症が原因で引き起こされているかもしれません。
噛み合わせが悪いからといって必ずしも顎関節症になるわけではありませんが顎関節症はこのようにさまざまな要因が考えられます。

しかし、顎関節症を治療することでこれらの改善がみられることも少なくありません。
また、噛み合わせの異常は咀嚼機能にも影響がでて咀嚼がうまくいかないと物を噛む力が弱くなります。きちんと噛めていないことで胃腸への負担が大きくなり体調不良の原因にもつながります。

外見への影響

噛み合わせが悪いと口元が歪むなどの変化・歯並び・顔面の歪みなど見た目への影響がでてくる可能性があります。
これは噛み合わせや歯並びが悪いと上顎・下顎が突出したり歯の中心がずれることで、左右のバランスが崩れて顔が歪んだりするのが原因です。

その結果、口の機能的な問題だけでなく見た目への影響が現れてしまうことになります。
外見への影響はコンプレックスや劣等感を抱く原因になり、その人の健やかな心身の発育に大きな影響を及ぼすことにもなりかねません。

噛み合わせが悪いときの対処法

噛み合わせが悪いときの対処法

噛み合わせが悪いときの対処法について解説します。

歯列矯正

歯列矯正とは歯並びや噛み合わせに影響のある歯を噛み合わせの正しい位置にすることで歯並び・噛み合わせをきれいにしていく歯列矯正です。
矯正装置を歯に装着することで、正しい位置に動かし歯並びと噛み合わせを合わせていきます。
歯列矯正は装置を装着して歯や骨をゆっくり動かして治していく治療で長期的な治療になるのが特徴です。

歯列矯正の必要がある噛み合わせや歯並びには下記のような状態が挙げられます。

  • 出っ歯(上の歯が強く出ていたり、斜めになっていたりする状態)
  • 受け口(下の歯が上の歯より出ている状態)
  • 八重歯や乱ぐい歯(歯並びがガタガタ・凸凹している状態)
  • 開咬(口を閉じ噛んでも前歯が噛み合わない状態)
  • 顎の変形症(歯の中心がズレている・噛み合わせが反対・食べ物が噛みきれないなどの総合的に手術が必要な状態の顎の変形が見られる状態)

スプリント療法

スプリント療法

スプリント療法とは顎関節症の治療として現在最も多く用いられている治療方法です。
マウスピースを用いて行う治療方法で、就寝中に使用することで歯ぎしりや食いしばりなどの改善・負担の軽減し顎関節の筋肉負担を減らすことで、顎関節症の症状を緩和・軽減していく治療方法になります。

マウスピースは個々の症状や改善の目的によって作成し調整していきます。

認知行動療法

認知行動療法とは噛み合わせや歯並びに影響を与えている歯ぎしりやくいしばりの癖を自覚することで改善に導く方法です。
日常生活の癖や行動が歯並びや噛み合わせに関係している場合、意識することで症状の改善・軽減につながるためおすすめします。

こんな症状がある人は要注意

こんな症状がある人は要注意

噛み合わせで下記のような症状が見られる方は注意してください。

  • 噛み合わせに変化や違和感を覚える
  • 歯並びが変わった気がする
  • 顔面が左右非対称
  • 咀嚼や口の開閉時に痛みが生じる
  • 親知らずが生えてきて歯並びや噛み合わせが悪くなった気がする
  • 歯が抜けたり歯が痛むなどしたりして噛むのに支障がある
  • 歯周病や虫歯が進行している疑いがある

このような症状が起こり始めたらすぐに歯科医に相談しましょう。

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噛み合わせが悪化する前に歯科医へ相談

噛み合わせが悪化する前に歯科医へ相談

噛み合わせや歯並びについて気になる方は痛みなどの症状がなくても歯科医院に相談してください。

歯列矯正は特殊な技術や経験が豊富な歯科医がおすすめです。口コミや知り合いからの情報を集めて信頼できる矯正歯科医を探しましょう。
歯列矯正が不安な方は歯科医に相談しましょう。

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まとめ

まとめ

噛み合わせや歯並びについて解説してきました。噛み合わせや歯並びは早めに相談することで改善や症状の緩和につながることがあります。
歯列矯正に少しでも不安がある方は気軽に遠慮なく歯科医院を受診しましょう。歯並びが綺麗になれば自信を持って前向きな人生が送れます。

また、歯科医を探す場合はいくつかの歯科医院をあたってみましょう。歯列矯正は長い時間がかかるため歯科医やスタッフとの相性も大変重要です。
歯科医院によっては無料カウンセリングを行っているところもありますから、納得がいくまで相談しましょう。自分に合った歯科医院で歯列矯正をしましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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