【監修:青山健一】
目 次
歯並びは見た目の印象を左右する大切なパーツです。歯を見せて笑ったときに歯並びが美しいと、清潔で明るく見えて好印象を抱かれやすくなります。
「歯並び」というとガタつきのことを指すように思えますが、歯の全体のバランスも含みます。前歯が大きく見えるような場合も、美しく整えるには歯列矯正が効果的です。
この記事では、大きい前歯のコンプレックスを歯列矯正で解消する方法を、前歯が大きく見えてしまう原因・影響・期待できる効果と併せてご紹介します。
前歯が大きく見える理由
前歯が大きく目立って見える場合、考えられる大きな理由は主に3つです。
歯は個人差の大きなパーツです。そもそも前歯のサイズが大きいという人もいますし、他の歯のサイズが小さいために前歯が大きく見えている場合もあります。
また、出っ歯である場合も遠近感で前歯が大きく見えていたり、逆に前歯が大きいせいでスペースがなくなって出っ歯になる悪循環が起こったりするケースもあります。
それぞれ詳しくは下記の通りです。当てはまるものがあるか、ぜひご参考にしてください。
平均サイズより大きい
人の顔というものは、目・鼻・口の大きさなどそれぞれ個性があります。同じように歯の大きさにも個性があり、平均サイズより大きい・小さいということも起こり得るのです。
容姿や骨格は遺伝的な要素が強いものですが、歯の大きさも同じように遺伝的な要素が大きく関係しています。
生まれ持った前歯の大きさが大きいと口元で目立ってしまったり、他の歯を圧迫して歯並びが崩れる原因になることもあります。
具体的には、前歯の横幅の平均値は男性で8.6mm、女性で8.5mm前後のため、9mmを超えているのであれば生まれ持った前歯のサイズが大きいです。
他の歯や顎が小さい
前述した前歯が平均よりも大きいケースとは逆で、前歯そのものは平均値であっても他の歯が小さいために相対的に前歯が大きく見えている場合があります。
この場合は実際には前歯が大きくなくても、他の歯とのバランスの悪さにより目立ってしまったり歯並びを悪くする原因になっていることもあります。
また、顎が小さい人の場合も骨格と歯の大きさのバランスが悪くなるため、前歯が大きく見えてしまうことが多いです。
現代人は食生活の変化に伴って顎の骨が小さくなりがちなため、こういったケースも増えています。出っ歯の原因になることもあるため、注意が必要です。
出っ歯
出っ歯の場合は前歯が他の歯よりも前方に飛び出ているため、実際には前歯の大きさが平均的な人でも、遠近感で大きく見えることが多いです。
出っ歯は遺伝的な要因以外に、生活習慣や癖が大きく関わっています。舌の位置・噛み癖・口呼吸などが代表的な出っ歯の原因です。
顎の骨格が小さい人も狭いスペースに歯が生えているため、圧迫されて出っ歯の原因になることがあります。
歯列矯正で出っ歯を治療することはもちろん可能です。しかし、歯列矯正後の後戻りを起こさないためにも、出っ歯の人は生活習慣や癖を今一度見直してみましょう。
大きい前歯が与える影響
大きい前歯は目立ってしまうため、コンプレックスになることも多いです。しかしそれだけではなく、全体の歯並びや横顔の印象まで左右することがあります。
歯並びは見た目だけにとどまらず、健康にも影響を及ぼすことも十分に起こり得るため注意が必要です。
大きい前歯による主な影響を、下記に詳しくご紹介します。
歯並びがデコボコになる
とくに前歯のサイズが平均値よりも大きい人は、歯並び全体がバランスを崩しデコボコになってしまう可能性があります。
歯は顎の決まったスペースに並んで生えていて、前歯が大きいと全体のスペースが足りなくなって歯と歯で押し合う力が働いてしまうためです。
歯並びの悪化は肩こりや頭痛などを引き起こし、健康への影響も及ぼします。心配なときは早期に専門医に相談しましょう。
横顔のラインが気になる場合も
大きい前歯の原因のひとつに出っ歯が挙げられます。この場合は、とくに横顔のラインに影響が出ることが多いです。
美しい横顔の条件として、「Eライン」、正確には「エステティックライン」という言葉があります。
横顔を見たときの鼻先から顎までを結んだ直線の中に口元が収まって、美しいバランスを取っていることを指します。
Eラインが整っていることは美人の条件ともいわれ、横顔の印象をかなり大きく左右するのが事実です。
前歯が大きく出っ歯になっていると、この横顔のラインが崩れてしまっていて気になる場合も多くあります。
前歯が大きい場合の対処法は?
前歯が大きいと笑ったときの見た目が気になったり歯並び全体が悪くなってしまうなど、コンプレックスの重大な原因になります。
主な対処法は2つで、歯を削る方法と、歯列矯正で歯並びを整え全体的なバランスを取る方法です。
それぞれの治療に適したケースと特徴をご紹介します。どちらを適用するかは歯の状態によるため、専門医の診察を受けて慎重に決めることが大切です。
歯を削る
前歯のサイズが平均より大きいのであれば、歯を削って小さくする方法があります。ディスキングと呼ばれる治療法です。
薄い板状のヤスリのようなものを使用し、歯の表面にあるエナメル質を削ります。エナメル質は神経がないため痛みは感じません。
しかし、エナメル質が薄くなるとその奥の象牙質に近くなります。そのため虫歯になりやすくなり、知覚過敏になる可能性が高いなどのリスクがつきものです。
削る範囲には制限があり、削ったところがすきっ歯になってしまうと歯列矯正が必要な場合もあるなどのデメリットもあります。
歯列矯正
出っ歯や歯並びの影響で前歯が大きく見えているなら、歯列矯正がとても有効な治療法です。
歯並びが整いバランスが取れるだけで前歯が目立たなくなるケースは多々あります。
歯列矯正であればディスキングのように健康な歯を削る必要はなく、横顔のラインや全身のバランスが整うなどの副次的効果も期待できます。
ブラケットと呼ばれる装置を装着するワイヤー矯正・目立ちにくい・裏側矯正・透明なマウスピースを使用するインビザライン矯正など、症状に応じて適用可能です。
歯並びには個人差が大きいため、歯列矯正を希望するときはまずは専門医に相談し、自分にあった方法を検討してください。
下記のリンクからは無料相談の予約が行えます。ぜひご利用ください。
大きい前歯を歯列矯正で治す方法
前歯が大きく目立ってしまう歯並びを治すなら、歯列矯正での治療がおすすめです。健康な歯を削ることなく治療できますし、噛み合わせの改善も期待できます。
前歯の大きさを整えて見せるための歯列矯正には、ワイヤー矯正・マウスピース矯正が適している場合がほとんどです。
それぞれの特徴を下記にご紹介します。ぜひ、歯列矯正を検討する際のご参考にしてください。
ワイヤー矯正
歯列矯正の中でもポピュラーな方法であるワイヤー矯正は、前歯が目立つ歯並びにも効果的です。
ガタつきや出っ歯などの歯並びを整えてバランスが取れると、前歯の大きさも気にならなくなるケースが多くあります。
ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる矯正装置をひとつひとつの歯に装着し、ワイヤーを通して力を加えることで徐々に歯を動かします。
表側矯正だと見た目で矯正していることがわかりやすいのが大きなデメリットではありますが、しっかりと歯を動かせるためあらゆる症状に適用可能です。
プラスチックやセラミック製の目立ちにくいワイヤーを使用したり裏側矯正が適用されれば、目立ちにくくすることもできます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、インビザライン矯正とも呼ばれる治療法です。
透明なマウスピースを使用するため歯を見せて笑っても気づかれにくく、審美性の高さから人気があります。
自分で取り外しができるため歯磨きがしやすいのもメリットです。ただし装着し忘れたり紛失したりすることがないよう、マウスピースの管理には注意しましょう。
マウスピース矯正は手軽で見た目にも目立ちにくいですが、クリニック間での知識や技術の差が激しいので、比較的簡単なケースしか対応できないクリニックも多いです。
歯並びのガタつきが大きい場合や全体的な調整が必要なケースでは、ワイヤー矯正をおすすめされる場合もあります。
歯列矯正で期待できる効果
歯列矯正で期待できる主な効果は、歯並びが美しくなるのはもちろんのこと、噛み合わせも良くなるなどの副次的なものもあります。
大きい前歯の治療としても歯列矯正での改善が可能ならばメリットが多いため、健康な歯を削るよりはるかにおすすめです。
歯並びが良くなる効果・噛み合わせが良くなる効果を得られると起こる変化について、ご紹介していきます。
歯並びが整う
歯列矯正を行えば、整った美しい歯並びを手に入れることが可能です。
全体の歯のバランスが取れることで前歯の大きさが目立ちにくくなるだけでなく、横顔のラインなども整って印象に大きな変化が期待できます。
自信を持って歯を見せて笑うことができるようになり、横から見たフェイスラインも整うことで骨格が美しくなります。
歯並びに伴ってフェイスラインも気になる人は、ぜひ一度矯正歯科の専門医にご相談ください。
噛み合わせがよくなる
歯列矯正を行うと、歯並びの治療と同時に噛み合わせも改善することが可能です。
健康へも影響があり、噛み合わせが原因で起こりやすい慢性的な頭痛や肩こりの改善が期待できます。
噛み合わせがよくなると、顔の歪みが改善したり全身のバランスが良くなる効果もあり、見た目にも好影響です。
ただし、片方の歯ばかり使うなどの噛み癖がある場合は後戻りしやすいため、矯正治療と同時に癖の改善も意識するようにしましょう。
前歯だけなら部分矯正でも治療可能
全体の歯並びではなく目立つ前歯だけを治療したい場合は、部分矯正という選択もできます。
部分矯正は治療範囲が狭いため全体矯正に比べて費用を抑えられ、治療期間も短く済むことが多いのが特徴です。
ただし適用される症状は全体矯正よりも限定され、比較的軽度のガタつき・出っ歯・すきっ歯・乱杭歯などの治療に適しています。
また、部分矯正では噛み合わせの改善は困難なため、噛み合わせも含めて治療したいのであれば全体矯正がおすすめです。
部分矯正を適用できるかどうかは自分での判断は不可能なため、希望する場合は専門医に相談のうえで検討しましょう。
大きい前歯が気になるなら歯科医に相談しよう
大きい前歯はチャームポイントの場合もありますが、本人にとっては重大なコンプレックスにもなりかねません。
自信を持って笑顔で過ごすためにも、大きい前歯が気になる人はぜひ専門医に相談してください。
前歯が大きく見える原因には個人差が大きいため、丁寧に診察・カウンセリングをした上で最適な治療を行いましょう。
下記のリンクからは専門医による無料相談の予約が行えるため、ぜひお気軽にご利用ください。
まとめ
大きい前歯の原因や治療法についてお伝えしました。
大きな前歯はまわりから見てチャームポイントであることも多々ありますが、反面、本人にとってはコンプレックスの原因になっていることも少なくありません。
歯並びや骨格には個人差がかなり大きいため、前歯が大きく見える理由を知るためには専門医に診せることが大切です。
最適な治療を選択し、自信を持てる健康的で美しい歯並びを手に入れましょう。