リテーナーが壊れたときの対処法を解説|破損時の注意点や作り直しにかかる費用・期間もご紹介

【監修:青山健一】

リテーナーが壊れたときの対処法を解説|破損時の注意点や作り直しにかかる費用・期間もご紹介

歯列矯正は治療が終わった後も、保定期間といって整えた歯並びを維持するための期間があります。
保定期間の間は、リテーナーと呼ばれる保定装置を歯に装着して、歯並びの状態を安定させるのです。保定装置の使用期間は長期に渡ります。

長期間使用していく中で、保定装置が割れることや亀裂が入るなど破損することも多いです。保定装置は歯並びを維持するためには重要な役割を持ちます。
保定装置が破損したまま放置をすることはよくありません。

今回は、保定装置が破損した際の対処法について解説していきます。保定装置が破損して困っている人は、ぜひ読んでください。

リテーナーが壊れるよくある理由

リテーナーが壊れるよくある理由

保定装置の破損は、比較的よくあるトラブルです。保定装置が壊れてしまう原因について、みていきましょう。

保管方法の不備

保定装置の破損の原因の多くは、装着していないときの保管の仕方の不備です。
例えば、保定装置を外した際に、テーブルなどに置いていたらうっかり落として、踏んでしまうことや、ペットに齧られて破損するといった例があります。

また、外出時に保定装置を外して、ティッシュやハンカチにくるんでカバンやポケットに入れていて、変形してしまったという例も多いです。
保定装置を着脱時に破損してしまうケースもあります。

装置の劣化

保定装置の使用期間は、矯正治療にかかった期間と同じくらい必要です。それだけ長く使用していると、装置が劣化することもあります。
保定装置の劣化が原因で、穴が開くことや亀裂が入る可能性があるのです。何度も着け外しをしていることでの、破損もあります。

また、歯が噛み合う部分に傷や穴ができる可能性も高いです。穴が小さいうちは、保定装置を使い続けられますが、穴が大きくなったら使用できません

リテーナーが壊れた際に早く対処しなければならない理由

リテーナーが壊れた際に早く対処しなければならない理由

保定装置が破損してしまった際は、そのまま放置をしないで早めに対処をする必要があります。
なぜ、保定装置が破損したときは早く対処をする必要があるのか、解説していきます。

後戻りしてしまう

歯列矯正では歯を支える顎の骨を溶かしながら動かします。治療が終わった直後は歯を支えるための顎の骨がまだ固まっていない状態です。
治療をしているときは、矯正装置で歯を固定しています。治療を終えて装置を外すと歯にかかっていた力がなくなってしまうのです。

固定をされていない歯は、元の場所に戻ろうと動き出します。歯が元の場所に戻ろうとすることが、後戻りです。
保定装置が破損していて、装着しない日が続くと後戻りをする可能性が高くなります。

とくに治療後すぐの歯は動きやすいため、保定装置を壊して装着ができない場合は、早急に対処をしなければいけません。

装着時に口腔内が傷つく可能性がある

装着時に口腔内が傷つく可能性がある

割れるなど、破損をした保定装置を、そのまま装着するのはおすすめしません。
壊れた部分のワイヤーやプラスチックが、歯茎や口の中の粘膜に当たって傷がついてしまう可能性があるからです。

口の中に傷ができれば、当然痛みがでますし、傷が口内炎の原因にもなります。壊れた保定装置を使い続けることは、デメリットが大きいです。

リテーナーの作り直しにかかる費用と期間

リテーナーの作り直しにかかる費用と期間

保定装置は、少しくらいの破損であれば、修理をすれば使える場合があります。しかし、破損が大きい場合や変形がひどい場合は作り直しが必要です。
保定装置の作り直しが必要になった際の、費用と期間について解説します。

費用

保定装置の作り直しの費用の相場は5千円~5万円です。保定装置の種類やクリニックによって、費用は異なります。
マウスピースタイプの保定装置は比較的、安価になっています。フィックスタイプの保定装置は、少し高額です。

また、矯正治療は保険適用外の自由診療のため、費用は医療機関によって異なります。保定装置の作り直しの費用もクリニックによって違うのです。
クリニックによっては、保定装置破損の際、修理や作り直し費用を割り引いてくれるところもあります。
保定装置の破損時の費用については、あらかじめ確認をしておくと安心です。

期間

保定装置の作り直しの費用も、使用している装置によって違います。だいたい、2~3週間か1カ月ほどかかるものと思ってください。
保定装置を装着しない日が多くなるため、作り直しが終わるまでは、後戻りを防ぐために歯科医に応急処置をしてもらうことになります。

リテーナーが壊れたときの注意点

リテーナーが壊れたときの注意点

保定装置の破損は、意外とよくあるケースです。保定装置が壊れたときは、注意しなければいけないことがあります。
リテーナーの破損時の注意点について、詳しく解説していきましょう。

割れたままの保定装置を装着しない

装着するのに問題がないように見えるからといって、壊れた状態のままの保定装置を使い続けるのはおすすめできません。
壊れた保定装置を装着していると、壊れた保定装置の形に歯が動いてしまいます。せっかくキレイに整えた歯並びが、乱れてしまうと勿体ないです。

歯並びのズレが大きくなってしまうと、再び矯正治療をしなくてはなりません。装着に問題がないようにみえても、壊れた保定装置は使い続けないでください

自己判断でリテーナーの装着をやめない

壊れた保定装置を使い続けることはよくありません。しかし、だからといって保定装置の装着をやめてしまわないようにしましょう。
歯科医への相談もなしに、自己判断で保定装置の装着をやめてしまうと、後戻りをする可能性が高くなります。

後戻りが大きくなると、キレイな歯並びに戻すのに再治療が必要になるため、注意をしてください。

歯科医への連絡を先延ばしにしない

保定装置が壊れた場合は、早めに歯科医に連絡をして指示を仰ぐようにしましょう。忙しい方もいるため、急に通院しなければいけなくなると大変です。

または、なんとなく壊れたことをいいにくくて、歯科医への連絡をしないまま時間が過ぎてしまったという方もまれにいます。
しかし、時間がたってしまって後戻りや歯列の乱れが大きくなってからでは、処置も難しくなります。

長期間使用する保定装置が破損することは、よくあることです。
保定装置が割れたり壊れたりした場合は、放置をしたままにしないで、すぐに歯科医に連絡を取って、指示を仰いでください。

破損の状態によっては、修理が可能な場合もありますし、作り直す場合でも新しい保定装置ができ上がるまでの応急処置をしてくれるはずです。

リテーナーを壊さないための対処法

リテーナーを壊さないための対処法

保定装置を破損してしまうと、修理や作り直しに費用がかかりますし、歯科医に行くまでの間の後戻りも心配です。
保定装置を破損しないために注意をしておきましょう。保定装置の破損を防ぐための対処法を紹介します。

食事のときはリテーナーを外す

食事をするときは、取り外しが可能なタイプの保定装置は必ず外してください。保定装置を装着したまま、食事をすると破損や変形の原因になります。
着色や衛生面でも問題があるため、保定装置を装着したまま食事をしないように注意をしてください。

外したリテーナーは専用ケースに入れる

外したリテーナーは専用ケースに入れる

食事や歯磨きなどのときに、保定装置を外したら必ず専用のケースに入れる癖をつけましょう。
持ち運ぶときも同じです。ティッシュやハンカチにくるんだ状態のままだと、うっかり落として踏んでしまうこともあります。

ケースなしでカバンやポケットに入れていると、何らかの表紙に装置が変形する可能性が高いです。
ティッシュにくるんでしまうと、ごみと間違えて捨ててしまうケースもよくあるため、「外したらケースに入れる」を徹底してください。

お手入れのやり方に注意をする

保定装置は口に入れるものですから、できるだけ清潔に保つことが大切です。普段のお手入れは、歯ブラシを使って優しく洗うだけでよいです。
ただし、洗浄するときはお湯を使わないようにしましょう。保定装置はプラスチックでできています。熱いお湯を使うと変形してしまう可能性があるのです。

また、定期的に保定装置の除菌をするとよいのですが、熱湯での煮沸消毒やアルコール消毒は厳禁です。
熱湯は変形の原因になりますし、アルコール消毒を使うと保定装置の劣化が進んでしまいます。
保定装置の洗浄は水で行い、除菌は保定装置用の洗浄剤を使ってください。保定装置に付ける洗浄剤は歯科医院やネット通販で購入できます。

リテーナーが壊れたときによくある質問

リテーナーが壊れたときによくある質問

ここからは保定装置が破損した患者さんからの、よくある質問についてお答えしていきます。

瞬間接着剤を使ってもよいか

保定装置が破損した際に、歯科医院に行く時間もないし費用もかかると思って、患者さん自身で修理ができないかと思う方も多いです。
瞬間接着剤を使えば、保定装置が修復できるように思われるかもしれませんが、プロの歯科技工士ではない方には、きちんとした修理は不可能です。

素人判断で瞬間接着剤を使ってしまうと、きちんと接着できているように見えても、ズレが生じます。また、元の状態に比べて歯を維持する力が弱くなります。
保定装置は、ほんの少しのズレでも歯並びに影響がでる可能性があるため、自分で修理をした保定装置は使用しないでください。

他院で作ったリテーナーも直せるか

保定装置を壊したときに、引っ越してしまった場合など、どうしても元の矯正歯科に行けない状況の方もいます。
この場合は、別の歯科医院で対処をしてもらうことになりますが、どこの歯科医院でも対応してくれるわけではありません。

歯科医院によっては、他院で作った矯正装置や保定装置の修理・作り直しは受け付けていないところもありますが、たいていの歯科医院では快く作成してくれると思います。

保定装置の破損の際は、元の矯正歯科に相談をするのが1番ですが、どうしても難しい状況もあります。
そのときは、近くの歯科医院で対応可能か問い合わせをしてみましょう。多くの歯科医院では、他院で作られた保定装置でも、対応が可能な場合が多いです。

まずは、WEBから予約をして無料相談を利用してみてください。

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矯正装置に関する不安は専門医へ相談

矯正装置に関する不安は専門医へ相談

矯正治療中や保定期間中には、装置の不具合や破損などのトラブルが起こる可能性があります。
保定装置の破損に限らず、トラブルや不安があるときは、放置することなく専門医に相談をするようにしてください。

他院で作った装置の破損にも対応してくれる歯科医院もあります。まずは、無料相談でお悩みを伝えてみましょう。
無料相談はWEBから予約をすることができます。ぜひ活用してみてください。

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まとめ

まとめ

長期間使用する保定装置の破損は、よくあるトラブルの1つです。保定装置が壊れないためには、外した際にはケースに入れる癖をつけましょう
保定装置の破損を防ぐ工夫をしていても、何があるかわかりません。保定装置が破損したまま時間が経ってしまうと、後戻りなど歯並びに影響がでてしまいます、

保定装置が破損した際は、早めに歯科医に連絡をして指示を仰ぎ、対処をしてもらってください。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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