スポーツ選手のボロボロになった歯は矯正できる?ボロボロになる原因や矯正を行うメリットを解説

【監修:青山健一】

スポーツ選手のボロボロになった歯は矯正できる?ボロボロになる原因や矯正を行うメリットを解説

テレビや雑誌でスポーツ選手のインタビューを見ているときに歯がとても綺麗だと感じることがあります。
オリンピックや世界選手権でメディアに登場する選手たちの笑顔はとても印象に残るものです。

そんなトップアスリートの方々が矯正をしていることをご存知の方も多いかもしれません。
歯並びの良さとスポーツには、密接な関係があるのです。

本記事では、歯とスポーツの関係スポーツ選手が矯正を行うメリットなどについて解説いたします。

歯とスポーツの関係

歯とスポーツの関係

歯とスポーツには密接な関係があります。
それは、スタートダッシュやジャンプの踏み切り・ラグビーやボクシングのように他者と激しく体をぶつけあうときなど、奥歯にグッと力を込めて歯を噛み締める場面などが多く存在するからです。

歯を噛み締めることで4~6%の筋力がアップするといわれており、アスリートにとって筋力アップは大切な要素です。
そこから考えても歯とスポーツの関わりが深いことがわかります。
また、歯並びが整うことで骨格や筋肉などのバランスが整い、運動能力の向上も期待できるとされています。

スポーツの競技中に起こるケガの治療や予防に加え、パフォーマンスを最大限に発揮できるようアプローチするスポーツ歯学という分野の研究が進められているのです。
歯科的側面からスポーツ選手をサポートするケースも増加しています。

スポーツ選手の歯には大きな負担がかかる

スポーツ選手の歯には大きな負担がかかる

競技を問わず、スポーツの共通事項として下記のようなケースが挙げられます。
たとえば歯を食いしばることにより歯や歯茎に圧力がかかり、歯の割れ歯が傷む可能性があります。

また口呼吸の回数の増加に伴い唾液の分泌が減り、唾液による殺菌作用が低下し虫歯や歯周病の可能性が高まるという可能性も見過ごせません。
このことからスポーツ選手の歯には大きな負担がかかっているといえます。

噛み合わせが悪いと集中力の低下につながる

噛み合わせが悪いと集中力の低下につながる

噛み合わせがきちんとできていない場合、上下の唇が離れて隙間ができ、常に口が開いた状態となります。
その状態では、通常鼻呼吸をする場面でも無意識のうちに口呼吸となっていることが多いのです。

口呼吸は鼻呼吸よりも脳の酸素を多量に消費してしまうため疲れやすくなります。
そのため脳が必要以上に疲弊集中力が低下することへと繋がる可能性があります。

スポーツ選手の歯がボロボロになる原因

スポーツ選手の歯がボロボロになる原因

歯がボロボロになる原因としては「免疫力の低下」と「歯の噛み締め」が代表的です。
これは適度な休息を取っていても体に疲れやストレスを感じることで免疫力が低下したり、競技中に歯を噛み締めたりすることがよくあるためです。

ではなぜ免疫力の低下や歯の噛み締めによって歯がボロボロになってしまうのかご説明します。

免疫力の低下による歯周病

免疫力の低下による歯周病

口内には数百種類の菌が常駐しており、その中に歯周病菌も存在しています。
人間の体に備わっている免疫力とのパワーバランスが保たれている状態では、なにも異常は起きません。

ところが疲労やストレス・睡眠不足といった原因によって体の免疫力が低下することにより、それまで保たれていたパワーバランスが崩れてしまいます。
すると歯周病菌の動きが活発になり、歯周病の症状を引き起こすきっかけとなってしまうのです。

噛み締めによる歯の欠損

噛み締めによる歯の欠損

緊張しているときや瞬間的に力を発揮したいときなど、体に力が加わると同時に奥歯を強く噛み締めてしまうことがあります。
このとき、噛み締めによって上下の歯の接触面が摩耗し、変形やひどいときには歯にヒビが入り欠損することがあります。
「虫歯がないのに歯が痛む」「冷たい水を飲むと歯がしみる」という症状が出るのも、歯の欠損が理由のひとつです。

スポーツでボロボロな歯にならないために

スポーツでボロボロな歯にならないために

では、スポーツをする人が自分の歯を守り、長く付き合っていくためには一体どのようなことに注意すればよいのかご説明します。
キーワードとなるのは「スポーツドリンク」「定期健診」「マウスピース」です。

スポーツドリンクの飲み過ぎに注意

スポーツドリンクの飲み過ぎに注意

疲労回復や水分補給を目的としてスポーツドリンクを多く飲んでいるという場合、歯には相当な負担がかかっています。
なぜならスポーツドリンクには「酸と糖分」が含まれているからです。
一般的に、スポーツドリンクのpH値(酸性度)はおおよそ3.5です。

歯はpHの値が5.5以下になると溶けてしまうため、スポーツドリンクは歯を溶かすには十分であるといえます。
それに加え糖分を多く含んでいることから虫歯のリスクも高まるため、スポーツドリンクの飲み過ぎには注意が必要です。

定期検診を欠かさない

定期検診を欠かさない

歯科検診を受ける人の多くが虫歯や歯周病など、痛みや違和感といった症状が現れてから検診を受けるケースがほとんどです。
しかし異変を感じる頃には選手のパフォーマンスにも少なからず影響を与えてしまっている可能性があります。

パフォーマンス低下を防ぐには、症状が現れる前に普段から定期的な歯科検診をしていくことが大切です。
定期健診を欠かさず行うことで、虫歯や歯周病などの早期発見に繋がり、口内の余計な心配をする必要がなくなります。

そうすれば自信を持ってパフォーマンスに取り組むことができ、普段通りの実力が発揮しやすくなります。
また治療のための通院も必要ないため、大切な時間を削られることもありません。

マウスピースの装着

マウスピースの装着

スポーツ競技中の口のトラブルとして、スポーツ器具や他者との接触による怪我・食いしばりによる歯や歯茎へのダメージが挙げられます。
そういったダメージはマウスピースを装着することで怪我の予防食いしばりを軽減することが可能です。

ラグビーやアメリカンフットボールのようにマウスピースの装着を義務化しているスポーツも存在しています。
スポーツで歯がボロボロになるのを防ぐ目的でマウスピースを装着することもひとつの手段です。

またマウスピースを装着することは歯を守るだけでなくあごの位置を安定させることで体のバランスを整える効果もあります。
そのため噛み締めによる瞬間的な力の発揮にも効果を期待することが可能です。

スポーツ選手のボロボロになった歯でも矯正はできる?

スポーツ選手のボロボロになった歯でも矯正はできる?

 

スポーツに真剣に打ち込む一方で気が付けば歯がボロボロになってしまっていたという場合も存在します。
そうした場合、気が付いたタイミングで矯正を考えるのがおすすめです。
とはいえ、ボロボロになった状態で矯正が可能なのか心配される方も多くいらっしゃいます。

結論を述べると、歯の状態や競技によって多少差はありますが、ボロボロになった歯でも矯正をすることは可能です。
ここでは競技に合わせた矯正や、矯正を始める時期について説明いたします。

それぞれの競技に合わせた矯正ができる

それぞれの競技に合わせた矯正ができる

矯正にはマウスピース矯正や裏側矯正・ブラケットを使用したワイヤー矯正など複数の方法があります。
そのため、それぞれの競技に合わせた矯正器具を選択することが可能です。

たとえば、陸上やフィギュアスケートのように個人戦での競技がメインの場合には、ワイヤー矯正や裏側矯正など矯正方法を選択しやすい傾向にあります。
しかしラグビーやサッカー・格闘技といった体と体がぶつかり合い激しい衝撃を伴うような競技であれば注意が必要です。

ワイヤー矯正ではぶつかったときに口内を傷つけてしまう恐れがあるため、こうしたスポーツを行う場合はマウスピース矯正が一般的となります。
このようにスポーツ競技によって矯正方法が異なるため、専門の歯科医師と相談の上、適切な矯正を受けることが重要です。

早い時期から始めるのがおすすめ

早い時期から始めるのがおすすめ

もともとの歯並びやあごの骨の大きさによって矯正にかかる時間は人それぞれ異なりますが、矯正は時間をかけて少しずつ歯を動かしていくため、かなりの時間を要します。
そのため少しでも早い時期から矯正を始めるのがおすすめです。

また、スポーツによる噛み締めや歯や歯茎への負担となるような衝撃は、歯並びが悪化する原因にも繋がります。
さらなる悪化を防ぐためにも、早くから矯正を取り入れることがアスリートにとって良い選択だといえます。

下記のリンクから矯正の無料相談を受け付けているため、スポーツをしていて歯並びが気になる方はぜひご相談ください。

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スポーツ選手が歯の矯正を行うメリット

スポーツ選手が歯の矯正を行うメリット

歯の矯正は見た目が良くなるだけでなく、スポーツ選手にとっては体のバランスが向上したり筋力アップに繋がったりなどの嬉しいメリットがあります。
ここでは、スポーツ選手が歯の矯正を行うメリットについて説明しましょう。

体のバランスの向上

体のバランスの向上

歯並びが悪い、つまり噛み合わせがよくない場合、あごや口まわりだけでなく首や肩など体全体のバランスが悪くなる可能性があります。
体はバランスが崩れると正しく保とうとするため、無意識のうちに無理な姿勢や動きをして体を痛めてしまうのです。
逆にいえば歯並びが整うと体にかかる負担が減るため、体のバランスが向上するということです。

体のバランスが向上すると、平衡感覚を正しく保つことや重心の移動をスムーズに行うことができます。
そのため矯正をして歯並びを整えることはスポーツ選手にとって大きなメリットです。

噛み合わせの改善による筋力アップ

噛み合わせの改善による筋力アップ

重い荷物を持ち上げたり動かしたりするときに、奥歯にグッと力を込めて歯を食いしばることがよくあります。
スポーツ選手も同様で、野球選手がバットを振るときやラグビー選手がタックルを組むときなども歯を強く噛み締めています。

これは上下の歯を噛み合わせることによって、脳の“運動野”から体を動かす“骨格筋”の動きに影響が与えられ瞬間的に筋力がアップするからです。
噛み合わせを改善すると歯を食いしばりやすくなり、ここぞというときに力が発揮しやすくなるため、結果的に筋力アップに繋がります。

歯並びの改善によるイメージアップ

歯並びの改善によるイメージアップ

歯並びが改善することによって自分に自信がつくことで笑顔が増えます。
笑顔は人の記憶に残りやすく、安心感を与えることが多いため、多くの人と接する機会の多いアスリートにとってはイメージアップにも繋がるものです。
また、一般的に歯並びが良いと「清潔感がある」「健康的である」といった印象を持たれやすいという利点もあります。

スポーツ選手が歯の矯正をするときの注意点

スポーツ選手が歯の矯正をするときの注意点

ここまでの内容を踏まえ、スポーツ選手が歯の矯正をするときに特に注意すべき点を2つ見直しておきましょう。
まず注意すべき点は競技に合った矯正器具を選択することです。

ラグビーやボクシングなど他者とのぶつかり合いで衝撃を受けることの多い競技では、ブラケットを使用したワイヤー矯正は不向きとなります。
マウスピース矯正を選択するなど、担当の歯科医師に相談の上、スポーツに合った矯正器具を決定する必要があります。

次に注意すべき点は虫歯です。
一般的にマウスピース以外の矯正器具は一度装着すると自分では簡単に取り外せないため、歯を磨く際に少し邪魔になる傾向があります。
矯正をしていることにより歯の磨き残しなども起こりうるため、十分虫歯に注意することが重要です。

スポーツでボロボロになった歯の矯正を検討するなら

スポーツでボロボロになった歯の矯正を検討するなら

スポーツ歯学の分野に詳しい歯科医師がいる歯科医院を選ぶことが大切です。
一般社団法人日本スポーツ歯科医学会のホームページには認定医・施設のリストが掲載されています。
リストをもとに歯科医院を選択することで、安心して施術を受けることが可能です。

リストから気になる歯科医院をいくつかピックアップし、それぞれの歯科医院のホームページを確認してみましょう。
歯科医師の実績やどの分野に最も長けているのかがわかるため、医院選びの判断材料のひとつとなります。

また、専門的な治療はハードルが高いと感じる場合は矯正の専門医に相談するのも有効です。
矯正を専門に行っている歯科医は治療経験も豊富です。
相談するべきか迷っているときは、まずは気軽に矯正の専門医に相談してみましょう。

下記のリンクでは無料での矯正相談を行っています。ぜひ気になることを気軽にご相談ください。

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まとめ

まとめ

歯とスポーツには密接な関係があり、スポーツ選手にとって歯は体と同じく重要な役割を担っています。
噛み合わせが整うことで体のバランスも整い、筋力アップにも繋がる可能性を秘めている歯科矯正は、最高のパフォーマンスを発揮するためにぜひ取り入れたい要素のひとつです。

歯の負担を少しでも軽減させ自分の歯と長く付き合っていくことがトップアスリートの課題ともいえます。
歯の状態をきちんと整え、よりよいパフォーマンスを発揮できる状態を整えて競技生活に臨みましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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