矯正装置が歯茎に食い込むのはなぜ?|装置が食い込んだときの対処法や放置するリスクを歯科医が解説

【監修:青山健一】

矯正装置が歯茎に食い込むのはなぜ?|装置が食い込んだときの対処法や放置するリスクを歯科医が解説

はじめて矯正治療する人の中には、痛みは当たり前だと思い放置したままにするケースがあります。
確かに矯正治療で歯が痛むケースはありますが、矯正装置が歯茎に食い込んで1週間以上も痛い場合は緊急事態です。放置しておくと大きなトラブルの原因になりかねません。
今回はなぜ矯正装置が歯茎に食い込むのか、また対処方法や放置するリスクについて歯科医師が解説します。これから矯正治療する方、現在治療中の方もぜひ参考にしてください。

矯正装置が歯茎に食い込む人は多い?

矯正装置が歯茎に食い込む人は多い?

矯正治療をはじめて受ける人は痛むのが当たり前なのか、あるいはほかに原因があるの不安で仕方ありません。
矯正装置をつけて数日間は唇や頬などに装置が擦れて痛みが起こりやすいですが、慣れてくれば1週間ほどで痛みも和らぎます

しかし、その後も痛みが続くようであれば矯正装置による歯茎の食い込みによる痛みが原因と考えられます。
例えば、ワイヤーが食い込むと歯茎に圧力がかかるため、血行障害が起こりやすくなり痛みが強くなりがちです。

こうした痛みは矯正治療する多くの人が経験していて歯科医師から鎮痛剤を処方してもらったり、歯茎のマッサージをしたりする対処方法で痛みを軽減させられます。
ただ奥歯のブラケットからワイヤーが外れて粘膜に食い込んでいる場合は医師に相談してすぐに対応してもらわなければなりません。
このように矯正装置による痛みかどうかわからないときは歯科医師にすぐ相談することをおすすめします。

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歯茎に食い込む矯正装置

歯茎に食い込む矯正装置

歯茎に矯正装置が食い込むケースであげられるのはワイヤーとリンガルアーチです。
一般的に矯正治療ではよく使われる装置ですが、なぜ歯茎に食い込むのか具体的にみていきましょう。

ワイヤー

ワイヤーは形状記憶合金でできているため簡単に折れることはありませんが、まれに折れてしまうと歯茎を刺激したり頬に刺さったりして痛みを起こしやすくなります。
このようなケースを除けばワイヤーの食い込みによる痛みは数日間で慣れて気にならなくなりますが、生活に支障が出る場合は鎮痛剤を処方する・口をゆすぐ・歯茎のマッサージなどが有効です。

痛みに弱い方でワイヤーでは矯正治療が難しい場合はマウスピース矯正もおすすめです。
マウスピースは金属を使わないため歯茎や唇への摩擦が少ないく痛みを我慢したくない方には有効な方法といえます。

リンガルアーチ

リンガルアーチは針金を曲げて左右の歯に引っ掛ける手法で歯の裏側に合わせてアーチ状にして利用する矯正装置です。
針金をしっかり歯に合わせることで歯列矯正をはじめ上あごを広げるために用いられます。

見た目には矯正しているとわかりにくい点がメリットですが、針金がずれて歯茎に当たることで痛みを感じたり傷ができたりして口内炎などを起こすことも少なくありません。
リンガルアーチはシンプルですが着脱や調整は歯科医師にしかできないため痛みを感じたらすぐにみてもらいましょう。

なぜ装置が歯茎に食い込むのか?

なぜ装置が歯茎に食い込むのか?

それでは矯正装置が歯茎に食い込む原因について解説します。

ワイヤーの場合

ワイヤーの場合

ワイヤー治療はブラケット治療とも呼ばれていて歯の表面にブラケットを装着します。
ワイヤーで固定する方法ですが歯並びが悪い人も高い治療効果が期待できます。また目立ちにくい素材もあるため従来に比べて利用する方が多いです。

取り外しが簡単である点がメリットですが、デメリットとして金属部分が口に当たるため痛みが起こることが少なくありません。
歯を強制的に移動させためにはワイヤーをしっかり固定させます。そのため歯茎にワイヤーが食い込むと考えられます。

また治療中にワイヤーが外れて口内を傷つけることも痛みの原因のひとつです。
こうした場合は爪切りやニッパーで切断すれば痛みが緩和しますが自分で処置せずに歯科医院に相談しましょう。

リンガルアーチの場合

リンガルアーチの場合

リンガルアーチはバンドと呼ばれる金属の輪を歯茎の内側に入れるように装着しますが、通常は多少食い込んでも痛みはありません。

矯正装置が歯茎に食い込むときの対処法

矯正装置が歯茎に食い込むときの対処法

インビザラインマウスピースでも歯を動かすときは歯茎に食い込むため多少の痛みをともないます。
それでは矯正装置が歯茎に食い込むときはどのように対処すべきか解説しましょう。

ワックスを使う

ワックスを使う

矯正装置を装着しているとさまざまな痛みが起こりますが、ワイヤーなど装置が当たって痛いときは矯正用ワックスを使用します。
ワックスは粘土のような素材でできており、ワイヤーやブラケットなどが歯茎・舌・頬に当たって痛いときに矯正装置の上からカバーすれば痛みの緩和が可能です。
また、治療過程でワイヤーが折れたりフックが当たったりする際にもワックスを利用すれば痛みは落ち着きます。

装置を調整する

自宅で痛みが出たら応急処置的にワックスを使用しますが、次回診察してもらうときに医師に矯正装置の調整をしてもらうことをおすすめします。
矯正治療は痛みが起こりやすいですが日常生活に影響するようでしたら歯科医師に相談しましょう。
矯正装置は口を動かすことでずれることもあるため調整すれば痛みが緩和されることも少なくありません。

口の中の状態や矯正の度合いにもよりますが、ワイヤーを使わない治療方法もあります。
マウスピースは取り外しができるため、例えば食後の歯磨きのときに外して磨くことが可能で虫歯予防にもなります。
しかし、外したまま装着を忘れてしまうと矯正治療が進まず時間と費用がかかることになりかねません。

歯科医に伝えることも大切

歯科医に伝えることも大切

歯茎に矯正装置が食い込んで痛いときは鎮痛剤やワックスなどで対応して、食事も歯や歯茎に負担がかからない柔らかいものを食べましょう。
一般的には1週間で腫れや痛みは緩和しますが痛みが続くようなら医師に相談することをおすすめします。
また次回の診察の際に痛みや腫れがあったこと、どういう対応をしたか医師に伝えることも大切です。

マウスピースや顎間ゴムも歯茎に食い込むことがある?

マウスピースや顎間ゴムも歯茎に食い込むことがある?

矯正中の痛みは主に歯が動くときや装置が口の中で当たるときに起こります。
マウスピースは痛みがないと思われている方もいますが歯を動かすためにはある程度強い力が必要なため多少の傷みがともないます。

顎間ゴムは上顎の歯と下顎の歯にゴムを引っ掛ける矯正器具で噛み合わせや顎のずれを矯正するために使われます。
使い方としては単独で使用するケースは少なく、ワイヤー矯正・インビザライン・マウスピースなどと併用するケースがほとんどです。

顎間ゴムをかけた数日間は痛みが起こりやすくなるため歯科医院によっては鎮痛剤を処方するところもあります。
痛みの原因は歯と歯の間の組織が圧迫されることから起こる炎症です。ゴムそのものは強くありませんが歯が動き出すと痛みが出てくるケースが少なくありません。

痛みを緩和する方法としては歯が動くときに血管の収縮による血行不良を抑えるため歯茎のマッサージが有効です。
血行が悪くなると老廃物が溜まり人によっては痺れたような症状を感じることもあります。

痛みを伴う場合に放置するリスク

痛みを伴う場合に放置するリスク

矯正装置を装着していると多少の痛みが起こりますが1週間程度経っても改善しない場合は注意が必要です。具体的に紹介しますがいずれにしても早めに医師に相談しましょう。

口内炎になる

ワイヤーやブラケットが常時舌や歯茎を刺激することで炎症が起こり口内炎ができることがあります。
カタル性口内炎といい矯正装置を装着した初期に見られる症状ですが歯並びが改善してくれば装置も当たりにくくなり落ち着きます。またワックスを利用するのもおすすめです。

カタル性口内炎の主な症状は下記の通りです。

  • 口の中の粘膜が赤くなっている
  • 水ぶくれがある
  • 口臭が気になる
  • 腫れたところが熱をおびた状態である
  • 味覚を感じにくい

こうした症状があればカタル性口内炎の可能性があります。気になるようであれば歯科医師に診察してもらいましょう。

装置に不具合が生じることも

装置に不具合が生じることも

矯正装置は食べ物を摂取したりする際にまれにずれたり破損したりすることが考えられます。こうしたことが原因で装置が歯茎を刺激し痛みが起こるケースが少なくありません。
そのまま放置していると装置が壊れてしまい口の中を傷つけてしまう危険もあります。

矯正治療が苦痛になる

長期治療を覚悟ではじめた矯正治療ですが思いもよらない痛みから治療を断念する人もいます。
矯正治療が苦痛になる原因としては、矯正装置が口に入っている違和感・痛み・食事へのストレスなどさまざまなものが考えられます。
特に痛みに弱い方は矯正治療に大きなストレスを感じる人が少なくありません。こうした場合はひとりで悩まず歯科医師に相談しましょう。

重要なのは矯正治療をはじめる際のカウンセリングです。自分に合った治療方法・歯科医院を選ぶことが重要になります。
また、歯科衛生士をはじめスタッフとの相性・医療設備が充実していることも長期治療する際に欠かせません。

矯正中のトラブルは我慢せず歯科医に相談しよう

矯正中のトラブルは我慢せず歯科医に相談しよう

矯正治療は時間がかかるため途中で激しい痛みやストレスを感じるのは当然です。
しかし、矯正治療は痛いものだと思い込んで我慢せず歯科医師に相談しましょう。患者に寄り添える歯科医師なら違和感やトラブルにすぐ対応してくれます。

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まとめ

まとめ

矯正装置が歯に食い込む原因と対処方法について解説しました。矯正治療中はさまざまなトラブルが起こりやすくなります。
矯正治療は痛いものだと思わずに痛みが1週間以上続く場合は医師に相談してください。必要な場合は装置の調整別の治療方法を提案してくれます。
矯正治療は長期にわたりますからストレスを抱えず何でも相談できる歯科医師を見つけることが重要です。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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