部分矯正で奥歯の移動はできるのか歯科医が解説|部分矯正の特徴や奥歯の矯正が必要なケースもご紹介

【監修:青山健一】

部分矯正で奥歯の移動はできるのか歯科医が解説|部分矯正の特徴や奥歯の矯正が必要なケースもご紹介

部分矯正は主に前歯の部分治療に使われる矯正治療の方法ですが、奥歯の治療にも部分治療を使う場合があります。
始めから部分矯正に決めて治療を始めることを決めずに、全体治療の可能性も考えることにより最適な治療方法を選択することが可能です。
ここでは部分矯正と全体矯正の事例を挙げながら治療部位や治療目的に合う矯正治療は何かを説明していきます。

部分矯正で奥歯の移動はできる?

部分矯正で奥歯の移動はできる?

部分矯正は前歯の一部の矯正を行う治療例が多いのですが、奥歯の移動を伴う治療は条件が整えば可能です。
歯並びの矯正では前歯などの特定の歯を矯正する場合、歯を動かすスペースを確保するために口腔内全体のバランスを考えた計画が必要です。
ここでは部分矯正の概要と特徴について説明します。

部分矯正の概要

部分矯正の概要

部分矯正は患者様の特定の歯をご希望の状態に移動し整える治療ですから、最終的な仕上がりを考えて治療計画を立て治療が進められます。
部分矯正は前歯の矯正治療が多く行われていますが、奥歯の矯正治療では奥歯の位置や周りの歯との関係を調査して条件が揃うことが必要です。

矯正治療は部分治療でも全体とのバランスを考えて計画しなければ、治療の効果が継続しないこともあるため治療前の検査をもとに歯科医師と話し合うことが大切です。

部分矯正の特徴

部分矯正は全体矯正と治療内容はほとんど同じで、矯正装置で動かすスペースを作ってから歯の位置を動かします。
全体矯正は矯正装置を口腔内に取り付けて全体の歯を動かしますが、部分矯正では矯正装置を一部につけることで特定の歯の移動が可能です。

一部だけの矯正になるため費用が安く治療期間も短くなりますが、部分矯正だけでは不都合が出ると判断された場合は全体矯正に切り替えることがあります。
部分矯正だけでは歯の移動に必要なスペースを確保できない場合や、歯根の大きさにより治療範囲を全体にしなければ歯に無理がかかる場合は全体矯正の対象です。

歯科医師は事前の検査の結果から部分矯正だけにこだわらず最適な治療計画を提案します。患者様と歯科医師で無理のない治療計画を話し合うことが大切です。

主な矯正方法

主な矯正方法

矯正治療は正しい位置に歯を動かす治療ですが、そのために矯正装置を使います。治療部位や治療目的によって、装置単体で使う場合と併用して使う場合があります。
ワイヤー矯正装置は、歯にワイヤー(ブラケット)をつけて歯を動かす装置です。弱い力で少しずつ歯に力をかけていくことでゆっくりと歯を動かしていきます。

マウスピース矯正装置はインビザラインなどに代表される透明な素材を使ったマウスピースを歯に被せてマウスピースの弾力で静かに歯を動かす装置で、取り外しができることが特徴です。
このほかに外科手術を伴うインプラントなどの方法もありますが、患者様の歯や口腔内の状態に合わせて歯科医師が最適な治療方法を提案します。

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部分矯正が向いているケース

部分矯正が向いているケース

前歯の特定の部分の叢生は、部分矯正で治療が可能です。叢生や乱杭歯は歯と歯の間を薄く削って隙間を空けて歯を動かすことができます。
すきっ歯は、空いているすき間を利用して矯正装置を使って隙間を狭めるように歯を移動させることで治療できます。
軽度の叢生の場合には部分矯正で治療ができますから、歯科医師に相談してみてください。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びがでこぼこになっている状態のことです。このような場合は、部分矯正により装置を装着することで時間をかけてゆっくりと歯を動かし正しい位置に戻すことができます。
ワイヤー矯正では、ワイヤーの弾性を使って歯を動かしたりスペースを空けたりすることができ、さまざまな症状に対応可能です。

マウスピース矯正は透明な素材でできたマウスピースで素材の弾性を利用して歯の移動を行います。取り外しはできますが、1日20時間以上の連続装着が必要です。

前歯だけ治したい

前歯だけ治したい

部分矯正は前歯の矯正ができますから、「前歯だけ治したい」というご希望に対応できますが、原因が前歯以外の場合は全体矯正に切り替わります。
歯並びを整える場合、前歯の数本だけの治療だけで終えるのではなく、歯並び全体のバランスや顔の表情を改善することも考えた治療が必要な場合もあります。

1つの矯正治療には長い期間がかかり、治療できることは連続して治療する方が患者様の負担を軽減できますから、治療前の検査でしっかりと歯科医師と相談しましょう。
治療する部位の範囲によって治療方法や期間が変わりますが、最適な治療計画によって歯並びを改善するだけでなく噛み合わせや全体のバランスの改善につながります。

治療する部位によっては部分矯正より全体矯正をした方が良い場合もあります。より良い結果につながるように歯科医師としっかり話し合い、治療方法を決めましょう。

見た目を良くしたい

見た目を良くしたい

歯並びを変えることは見た目だけでなくかみ合わせにも大きく影響します。矯正歯科の目的は歯が正しい位置にあり、その役割を果たせる状態に整えることです。
部分矯正は前歯などの目につく部分の矯正をすることが多く、治療後はきれいな歯並びに変わり噛み合わせも改善されるため見た目もよくなります。
矯正治療では歯の位置を変えるだけではなく、歯の大きさやバランスの良い歯並びに改善できます。

奥歯の部分矯正が可能なケースはあるのか?

奥歯の部分矯正が可能なケースはあるのか?

奥歯を抜歯したため隙間ができ隣り合った歯が傾いてしまう場合は、矯正装置を使って歯を隙間に移動させる部分矯正が可能です。
奥歯は歯根が分岐してたり曲がっていることから部分矯正で動かすことが難しく、全体矯正で奥歯の移動をさせる方法を選択することで患者様の負担を軽減できます。

部分矯正を選ぶと治療期間が短く費用も安くなるため多くの患者様が希望しますが、事前の検査と歯科医師の治療計画の提案から治療方針を選択することが大切です。

奥歯の矯正が必要なケース

奥歯の矯正が必要なケース

噛み合わせの検査で奥歯が傾いて倒れかけているという場合は、その奥歯を起こす矯正治療が必要です。
前歯の矯正を希望して歯科医院に行き検査してもらうと、奥歯の歯の位置が悪いことが原因で口腔内の全体の歯並び悪くなっていることが分かる例もあります。

奥歯は常時強い力がかかる最も大切な歯であり、とても丈夫な歯です。その歯を失わないためにも、不具合を感じたらすぐに歯科医師に相談しましょう。

噛み合わせが悪い

奥歯の一部が傾いていると強く噛むことができずに、次第に噛み合わせがうまくいかなくなることがありますが、この場合は奥歯を起こすことで噛み合わせを改善できます。
不正咬合などは全体的な矯正をして適正に治療することで改善します。矯正装置もワイヤー矯正やマウスピース矯正もあり、症状によって治療法の選択が可能です。

噛み合わせが悪いと頭痛や肩こりなど筋肉的に過度の負荷がかかってしまうため、体調不良にも影響しますので早めに治療しましょう。
噛み合わせが悪いと、見た目だけでなく健康にも影響するため、健康に関心のある方は早めに噛み合わせ治療を始めることで体の負担を軽減できます。

全体のバランスを整えたい

奥歯の噛み合わせが横にずれている場合は、顔全体がゆがむことがありますが、軽度の場合は矯正装置を装着する治療を継続することで改善できます。
歯科矯正の治療では治療前に検査やレントゲン写真や顔の写真撮影を行い、全体の歯並びや骨格のバランスを歯科医師と患者様が写真を見ながら計画立案が可能です。

矯正治療は歯並びや骨格のバランスなどを整えるとともに歯の本来の働きを回復し健康な体に戻すことが最終の目標です。

歯並びが体調に影響している

歯並びが体調に影響している

歯並びが整っていないと噛み合わせが悪く食べ物をしっかりかみ砕くことができないため、食べたものに唾液を混ぜることができず内臓に負担をかけることになります。
歯並びが気になると口を大きく開けられなくなり、人前で話すことに影響が出るなど精神的な不調につながることは避けたいものです。

歯並びの状態によってはしっかりと噛み合わせができないために肩こりや頭痛につながることもあり、姿勢にも影響が見られることがあります。
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部分矯正を検討するときの注意点

部分矯正を検討するときの注意点

矯正治療を始めようと考えたときは、まずはわからないことを調べてみましょう。歯科医院に行くのが不安でしたら、インターネットで調べることもできます。
歯科医院に行く場合は治療を希望する部位とどのようにしてほしいかを伝え、歯科医師の指示による検査を受けて治療方法や治療期間を相談します。

検査結果から歯科医師が出した最適な治療を選択することが治療後の安心できる生活につながりますから、始めから部分矯正か全体矯正にこだわらずに医師と十分話し合いましょう。

デメリットも知っておく

矯正治療は歯並びの矯正などには最適な治療ですが、矯正装置によって痛みが出たり虫歯になったりすることがあります。
予防や改善の方法がありますので事前に調べてみましょう。
ワイヤー矯正は歯の表面に接着した装置にワイヤーを取り付け歯を引っ張るため歯が磨きにくくなりますが、これは普段より丁寧な歯磨きをすることで改善できます。

ワイヤー矯正装置は歯を引っ張るため取り付けてしばらくは痛みや違和感を感じますが、次第に和らぎますが、痛みが続く場合は歯科医師に相談しましょう。
マウスピース矯正は20時間以上継続して歯に透明なマウスピースを被せますが、取り外せるため取り外して歯磨きができます。マウスピース内の清掃も不可欠です。

何を重視するか

矯正治療で事前に考えることは費用・治療期間・見た目などですが、歯科医師は治療後の患者様の生活が楽しく笑顔溢れる充実した生活になるように考えます。
どうしても治療時間が取れないために部分矯正する場合は部分矯正で治療した後、時間をおいて継続して全体矯正に移ることもできますから医師と相談してみましょう。

歯科矯正で部分矯正で治療できる場合は費用が安く治療期間も短くなりますが、そのことだけを重視するのではなく治療が完了した後の生活について考えることが大切です。

部分矯正の不安は信頼と実績のある歯科医に相談

部分矯正の不安は信頼と実績のある歯科医に相談

矯正治療は専門的な技術と治療に欠かせない設備も必要です。矯正歯科医師は、豊富な治療経験から患者様に最適な治療方法を選択し提案してくれます。
部分矯正は治療部位が多岐にわたるため、治療実績のある歯科医院・歯科医師を選ぶことはとても大切な準備であり一番の安心材料です。

インターネットなどから情報を集めることも大切ですが、不安なことがあったら本ページでご紹介しています無料の矯正相談WEBを予約してください。

まとめ

まとめ

ここまで、「部分矯正で奥歯の移動はできるのか」ということから矯正治療について説明してきましたが、治療方法を決めるためには治療前の検査が必要です。
患者様の治療したい部位に最適な治療方法を専門の歯科医矯正医師による検査を通して考えて行くことが治療の早道になります。

部分矯正ができなければ全体矯正での治療も可能です。歯科医師が歯の状態を見て、詳しい検査を経て最適な治療方法を提案しますから、ぜひ歯科医院にご相談ください。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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