【医師が解説】歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴|平均的な治療期間も治療法別に紹介します

【監修:青山健一】

【医師が解説】歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴|平均的な治療期間も治療法別に紹介します

歯列矯正は一定の力を加えて歯を動かし、時間をかけて適切な位置に持っていく治療です。
つまり歯が動きやすい人は矯正装置を付けている期間が短くて済むということになります。
歯列矯正の治療期間、常に歯に矯正器具が付いているため、かなりのストレスを抱えながらの生活が続きます。
できる限りこの治療期間を短くして、ストレスも費用も抑えたいものです。

この記事では歯が動きやすい条件はどのようなものか、動きやすくする方法はあるのかを解説します。
さらには平均的な治療期間はどの程度なのかを紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴

口の中にびっしりと並んだ歯を動かすのは確かに大変なことです。
ある程度の期間、矯正装置と付き合わなければなりません。
誰しも短い治療期間で歯並びを整えたいと考えることでしょう。
そこでまず歯が動きやすい人にはどういった特徴があるのかを見ていきます。

年齢が若い

年齢が若い

子供の頃に親が歯列矯正に関心を持ってくれていたら!と辛い思いをしてきた方もいるでしょう。
実際、大人になってからより、より若い年齢で歯列矯正を行ったほうが歯は動きやすいものです。
歯と顎の骨がまだ成長過程にある時は、少しの力で歯を動かすことができます。
特に、顎が成長段階にある発育期に歯列矯正を行うことが理想的とされています。

新陳代謝が活発

人は日々何もしなくても、自然と体内の古い組織が新しい組織へと入れ替わっていくものです。
新陳代謝が活発な人は、歯の周辺組織を動かす治療もスムーズに行われています。
そのため歯が動きやすくなり、歯列矯正の治療期間は短くて済むでしょう。

若い人の方が新陳代謝は活発ではありますが、大人になっても日頃の生活習慣に気を付けることで、新陳代謝を活発にすることができます。
睡眠時間を十分にとったり、食生活を見直して栄養豊かでバランスの良い食事をとり入れたりすることが重要です。
こうした日頃の努力によっても、歯は動かしやすくなるでしょう。

歯並びや噛み合わせの問題が軽度

歯並びが悪いと気にしている方の中には、歯科医の目から見てさほど問題がないという方もいます。
また、歯列矯正は歯の美醜だけでなく、噛み合わせが悪いという症例も解決することができますが、その問題が軽度な場合もあります。

歯並びの問題も噛み合わせの問題も軽度な場合に有効な治療法が部分矯正です。
この治療法であれば全体の矯正を行うよりも治療期間が短くて済みます。
逆にいうと、歯並びが悪ければ悪いほど歯が動きにくく、矯正期間が長くなってしまうことにも注意しましょう。

歯列矯正で歯が移動するペース

歯列矯正で歯が移動するペース

普通、歯は指で押しても動きません。
歯列矯正では歯が動くペースがゆっくりしたものになるため、いつまでかかるのかと不安になる方もいるでしょう。

矯正に時間をかける理由は歯や顎といった周辺組織に無理やり力を加えてダメージを与えてはならないからです。
さらに、歯は動かした期間と同じだけ、保定期間が必要となります。
動かした歯が元に戻ろうとするからです。この「後戻り」を避けるため、矯正器具を付けていなければならないのです。

大人の矯正期間を縮める要素

社会人として暮らしていく中、歯列矯正装置を装着していると仕事相手の目が気になることでしょう。
ティーンエイジャーの歯列矯正以上に、見た目が気になり、早く矯正期間が終わって欲しいと考えるのは自然なことです。
大人になってからの歯列矯正で、少しでも期間を縮める方法はあるのでしょうか。
続いて、大人の矯正期間を縮める要素を紹介します。

矯正歯科医の技術力が高い

矯正歯科医の技術力が高い

技術力の高い歯科医師の治療を受けると、歯列矯正を短期間にスムーズに行うことができます。
ただ一口に歯科医院といっても「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」といった診療科目に分かれています。
場合によっては「矯正歯科・小児歯科」と複数の診療科目を掲示しているところもあるでしょう。

しかしこれは、それだけ歯科医の技術力が高いという意味ではありません。
なぜなら、歯科医師免許さえあれば治療を行うことができるからです。
日本矯正歯科学会が矯正歯科医の熟練度を示す「認定医」と「専門医」という資格を認定していますが、まだまだ取得者が少ないというのも現状です。

それではどうやって技術力のある矯正歯科医院を選ぶ指標として、2つご紹介します。
まず矯正歯科医師が常駐する歯科医院を選ぶことが大事です。
担当の矯正歯科医によって一貫した治療を受けることができ、治療期間を縮める要素となります。
大学病院から矯正歯科医が非常勤でやって来る歯科医院は治療日数が限られたり、緊急の対応ができなかったりして、治療レベルが高いとはいえません。

次にセファログラムの撮影が検査に含まれるかどうかも重要な要素となります。
セファログラムでは骨格の成長や歯の生えている方向、歯の数、歯の移動距離などがわかります。
歯科医師の主観だけでなく客観的な根拠による治療が可能なのです。
それだけ治療に対して「本気」である証拠であり、技術力が高い歯科医院といえるでしょう。

医師の指示をきちんと守る

医師の指示をきちんと守る

歯科医師の技術が確かなものでも、患者自身がその指示を守らなければ矯正期間は短くなるどころか長くなってしまいます。
歯科医師は正しい治療が行えるように考えながら治療計画を立て、指示を出しています。
まずは、医師の決めた通院日にきちんと通いましょう。
治療をキャンセルしてしまうと、矯正のスケジュールが狂ってしまいます。

また、特にマウスピース矯正の場合は装着時間を守るようにしましょう。
マウスピースの装着をさぼれば、歯が動きにくく、治療期間が長くなってしまいます。
さらに食事や日常生活における注意点を指示された場合には、これらもきちんと守りましょう。
こうした指示に従うことで、歯が動きやすくなり、治療期間を短くすることができます。

大人の矯正期間を伸ばしてしまう要素

大人の矯正期間はどうしても長くなりがちです。この矯正期間をさらに長くしてしまう要素もあります。
それは日ごろの癖や行動であったり、健康面での問題であったりします。
大人になって矯正を考えている方のために、治療期間を延ばしてしまう要素について紹介しましょう。

口元や舌の悪い癖

口元や舌の悪い癖

普段、自分が舌をどう動かしているかなど気にしたことはないでしょう。
しかし舌の動きの中には、「舌癖」といって気づかないうちに舌を歯に押し付けたり、悪い位置に置いてしまったりするものがあります。
この舌癖は歯並びや発音に大きな影響を与えるものです。

歯を動かそうとしても、反対の方向に舌が押し返してしまうと、なかなか正しい位置に動いてくれません。
俗にすきっ歯・出歯と呼ばれている人は、この舌癖によって症状が現れている場合が多いです。
さらに、この舌癖は無意識に行われるため、気を付けていてもすぐに止めることは難しいでしょう。

こういった場合、悪い癖を治すトレーニングをする必要があります。
この他にも、頬杖をつく癖も顎や歯に悪影響を及ぼします。
歯科医の指示に従い、これらの癖を少しずつ治していきましょう。

強い咬合力

強い咬合力

噛む力というのも、自分自身では自覚しづらい問題です。
咬合力の強さが歯を動かす強さを相殺して、歯が動きにくくなってしまいます。
まず鏡を見て、噛み合わせが深いかどうかを確認してみましょう。
噛んだ時に下側の前歯がほとんど見えない場合、噛み合わせが深い「過咬合
と呼ばれ、歯を動かしにくい人に該当します。

アンキローシス

歯と骨の間には、通常歯根膜があります。アンキローシスはその膜がなくて直に骨と歯が結合している症状です。
アンキローシスの原因として、発育不全・外傷・代謝障害・咬合機能喪失といったものがありますが、原因がわからない場合も多くあります。

アンキローシスの場合、歯が全く動きません。矯正を初めて2~3か月で確定診断ができる症状です。
しかし、その場合も歯列矯正を止める必要はありません
他の歯は通常の歯列矯正で並べて、アンキローシスの歯には別のアプローチをかけていくという方法がとられます。

治療法別の平均的な治療期間

ここまで歯列矯正における様々な問題をご紹介しましたが、矯正治療を考えている方の最も関心がある問題は、治療期間でしょう。
矯正治療の期間は治療方法によって変わるものです。続いて3つの治療法と平均的な治療期間を紹介します。

部分矯正

部分矯正

口腔内の問題があまりなく、歯の移動をそれほど行わずに済む場合は、部分矯正での治療が可能です。
ワイヤー・ブラケット矯正の部分矯正には前面につける場合と裏側につける場合があります。
前面矯正の場合の治療期間は3か月から1年程度です。裏側矯正の治療期間は少し長く、半年から1年程度です。
マウスピース矯正の部分矯正は半年から1年程度かかります。

ワイヤー・ブラケット矯正

ワイヤー・ブラケット矯正

歯全体にワイヤー・ブラケット矯正をする治療法は、ほぼ全ての矯正治療に対応しています。
これにも前面矯正と裏側矯正があります。
前面矯正はどうしても矯正器具が目立つため、見た目が気になる人にとっては強いストレスになってしまうでしょう。
治療期間は歯の状況に合わせて変化しますが、おおよそ1年から3年程度です。

裏側矯正は歯の裏側にブラケットを装着して歯を動かします。
前面にはブラケットがないので矯正器具が目立たず、器具が唇を傷つける心配もありません。
接客業など人と接する機会が多い患者様にもおすすめですが、慣れるまで発音がしにくい可能性があります。
裏側矯正の場合、治療期間は2年半程度です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正に使われるマウスピースは透明で薄く目立たないため人気の高い矯正器具です。
自分で取り外しができるため、歯磨きがしやすいという利点があります。
さらに金属アレルギーのある方も安心して装着することができます。
また、痛いのが苦手という方にもマウスピース矯正はおすすめです。

一般に1日20時間程度、矯正器具を装着し続けます。
この装着時間を少なくしてしまうと、歯が動きにくく矯正期間が長くなってしまいます。
マウスピース矯正の治療期間は1年から3年程度です。
通院頻度がワイヤー・ブラケット矯正と比較して少ないのも人気のポイントです。

矯正期間を縮めるために自分でできる工夫

矯正期間を縮めるために自分でできる工夫

矯正治療中も日常の様々な問題をこなさなければならないため、歯科医院に予定通り通い続けることに苦労するかもしれません。
しかしできるだけ予約通りに通院し、予定が入ってしまう場合は歯科医と相談してスケジュールを組みましょう。

また、矯正器具は正しく使用しましょう。
装着時間を守らなかったり間違った方法で装着していると、歯を動かすスピードが遅くなり矯正期間が長くなってしまいます。
歯磨きをしっかりすることも基本的なことですが重要です。口腔内を清潔に保ち、虫歯や歯周病にならないように気を付けましょう。

矯正期間を短くするには早期治療が重要

矯正期間を短くするには早期治療が重要

大人になってからの歯列矯正はどうしても時間がかかってしまいます。
そのため、顎の成長発育を利用できる若い世代のうちに矯正することが重要です。
また、大人になってしまうと、症状によっては治療に限界がある場合もあります。

大人になって骨格に問題があった場合は、外科手術と矯正治療を併用しなければならなくなることもあるでしょう。
子供のうちから歯並びを良くしておくと、虫歯もできにくくなり、大人になっても末永く健康な生活を送ることができます。

まとめ

まとめ

今回は歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴を解説しました。
歯列矯正で歯を動かす場合、治療期間は1年から3年程度とみておきましょう。
しかし日頃の癖を直すなどの努力で歯を動かしやすくして、治療期間を短くすることもできます。

気を付けるべきなのは、新陳代謝をよくすること、歯磨きをしっかりすること、矯正装置を正しく装着することなどです。
治療を開始したら、矯正装置とも長い付き合いになります。
担当の歯科医と不安や疑問点などをしっかりと話し合い、美しく健康な歯を手に入れましょう。

-矯正全般, 部分矯正
-, , , , ,

© 2021 部分矯正ドットコム

無料矯正相談Web予約 資料請求&小冊子お申し込み オンラインでの矯正相談 画像でのメール相談 メールでのお問い合わせ