出っ歯の種類を歯科医が解説|出っ歯になる原因や種類別の治療方法もご紹介します

【監修:青山健一】

出っ歯の種類を歯科医が解説|出っ歯になる原因や種類別の治療方法もご紹介します

口元や歯並びについて悩む人が多いですが、出っ歯もその1つです。出っ歯にもさまざまな状態があり、原因や治療方法も異なります。
出っ歯の種類によっては、一般的な治療では改善できないケースもあるため注意が必要です。

そこで今回は、出っ歯になる原因や種類別の治療方法について解説します。出っ歯を矯正しないリスクにも触れるため、ぜひ参考にしてください。

出っ歯の特徴

出っ歯の特徴

自分が出っ歯かどうかを見極めるために、下記の特徴に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。

  • 口を閉じにくい
  • 口を閉じると下顎に皺ができる
  • 食べ物を前歯で噛み切りにくい
  • サ行やタ行が発音しにくい
  • 横を向いた際に上唇がEラインより出ている

これらの特徴が1つでも当てはまったら、出っ歯の可能性が高いです。
Eラインは正式名称をEsthetic Line(エステティックライン)といい、鼻の先端と顎の先端を結んだ線を意味します。

出っ歯の種類

出っ歯の種類

出っ歯は上の前歯が下の前歯より目立つほど前に出ている状態を指し、歯科では上顎前突(じょうがくぜんとつ)とも呼ばれます。

そして上顎前突は下記の3つに大別されます。

  • 骨格性上顎前突症
  • 歯槽性上顎前突
  • 機能性上顎前突

上顎前突の種類によって治療方法が変わるため、自分がどれに当てはまるのかを知ることが大切です。

ここでは出っ歯の種類について具体的に解説します。

骨格性上顎前突症

骨格性上顎前突症は上顎が相対的に大きく下顎が小さいため、上の前歯が前に出ているように見える状態です。

顎骨のサイズや位置など骨格の異常によって噛み合わせに問題が起こり出っ歯になります。
骨格性上顎前突症の中には上顎の骨自体が大きいケースもあるものの、日本では少数派です。

骨格性上顎前突症は治療せずに放置すると、常に下顎が後方に押さえ込まれてしまい成長を妨げます。
下顎の骨が成長しやすいように、できるだけ早く前歯の噛み合わせを改善することが大事です。

歯槽性上顎前突

歯槽性上顎前突は上の前歯が大きく前に傾き突き出た状態をいい、顎の骨の大きさや位置に問題はありません。

歯槽性上顎前突の中には下の歯が内側に傾いた結果、前が出ているように見えるケースも含まれます。
指しゃぶりや唇を噛む癖があると、歯槽性上顎前突が起こりやすいです。

歯槽性上顎前突は軽症ですが、治療せずに放置すると骨格性上顎前突症に移行するリスクがあります。

機能性上顎前突

機能性上顎前突は1番目の前歯は正常な位置にあるのに、2番目の前歯が内側に入り込み、噛むと下顎が後ろに噛み込まれる状態です。

咀嚼筋と呼ばれる口を閉じる筋肉と下制筋と名付けられた口を開ける筋肉がともに働かなくなるため、食べ物を噛むと下顎が後ろ側に引っ張られてしまい上の前歯が前に出てしまいます。

機能性上顎前突を治療せずに放置すると、骨格性上顎前突症に移行するリスクがあるため注意が必要です。

骨格性上顎前突症は外科手術が必要な場合もある

骨格性上顎前突症は外科手術が必要な場合もある

骨格性上顎前突症の中には歯列矯正だけでは治療できず、外科手術が必要になる場合もあります。
外科矯正治療と呼ばれるもので、矯正治療だけでは改善しにくいケースに適用される方法です。

上下の顎骨の位置に問題がある・顎の形態に大きな異常がある・大きく露出した上顎の歯茎の改善も必要であるなどの理由により、矯正治療と同時に顎骨の外科手術を行います。
しかし、骨格性上顎前突症があっても、希望者すべてが保険適用で外科手術を受けられるわけではありません。

外科矯正治療を受けられるのは、顎骨に骨格的な異常がある「顎変形症」の病名がついた場合に限られます。

出っ歯の矯正治療を検討されている方は専門の矯正歯科医院にお気軽にご相談ください。下記のリンクから無料の矯正相談の予約ができます。

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出っ歯になる原因

出っ歯になる原因

出っ歯にもいろいろな種類があり、その原因は遺伝だけでなく日常の癖によるものなどさまざまです。
一度出っ歯になってしまうと、矯正治療をしなければ元の状態に戻ることはありません。
ここでは、出っ歯になる原因について具体的に説明します。

遺伝

両親のいずれかが上顎前突症で自分も出っ歯の場合は、遺伝が原因と考えられます。
遺伝性の出っ歯は生まれたときから上顎が大きい、あるいは下顎が小さいなど顎骨のバランスが悪いのが特徴です。

もともと前歯が前方に出ているケースもあり、遺伝による骨格性上顎前突症は矯正治療以外で改善するのは難しいといえます。

日常の癖

日常の癖

成長の過程で起こる歯槽性上顎前突の場合は、下記のような日常的な癖が原因です。

  • 指しゃぶり
  • 爪を噛む
  • 舌を前に出す
  • 口呼吸する
  • 食事の際に背中を丸める
  • 柔らかいものばかり食べる

指しゃぶり・爪を噛む・舌を前に出すなどの口まわりの癖が原因で後天的に出っ歯になった人は多いです。

こうした舌癖によって上の前歯が圧迫されて前に出てしまう、あるいは下顎が下がることで歯並びに影響が生じます。
乳幼児がこうした舌癖がある場合は、歯槽性上顎前突になる前に止めさせましょう。

また、口呼吸によって歯並びが悪くなることも出っ歯の原因の1つです。
人間の舌先は本来、上の前歯の裏側についているものですが、口呼吸をすると下の前歯側にずれます。

舌が正常な位置にないことで口腔内のバランスが崩れると、頬の押し込む力や舌が歯を押し出す力が強くなり歯並びが悪くなります。

さらに口が開いている時間が長くなり、唇が歯を押さえつける力が弱まるため出っ歯になりやすいです。
姿勢の悪さも出っ歯の原因となり、背中を丸めて食事をする習慣がある人は要注意といえます。
食事をする際に背中を丸めていると、食べ物を前歯だけで噛んでしまいがちです。

前歯だけで噛む時間が長くなると舌を奥歯の方に動かす筋肉の発達が悪くなり、出っ歯になりやすくなってしまいます。
日頃から食べるときには姿勢を伸ばすよう意識しましょう。

また、現代人の食生活に見られる食事で柔らかいものばかり食べることも出っ歯の原因につながります。
柔らかいものは奥歯で咀嚼する必要がないため前歯で噛む習慣がつきやすく、舌が前側に出てしまいます。
その結果、前歯を舌が押すことで歯並びが悪くなり出っ歯になることも少なくありません。

出っ歯を放置するリスク

出っ歯を放置するリスク

出っ歯は見た目だけの問題だからと、治療せずに放置する人も少なくありません。しかし、出っ歯を矯正治療しないことで生じるリスクがあるのも事実です。

ここでは出っ歯を矯正治療せずに放置するリスクについて具体的に説明します。

虫歯や歯周病

1つ目は虫歯や歯周病にかかるリスクが高まることです。人間が眠っている間は唇に力が入らないため、前歯や歯茎が露出し口腔内が乾燥します。

口腔内が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなり、歯並びの悪さにより歯ブラシによる磨き残しがあると虫歯や歯周病を発症します。

顎関節症

顎関節症

2つ目は顎関節症の発症リスクが高まることです。顎を動かすと痛い・音が鳴る・口が開きにくいと感じたら顎関節症になっている可能性があります。
出っ歯の人は口が開いていることが多く、顎の関節に負担がかかることが少なくありません。

そこに歯ぎしり・頬杖をつく・猫背・うつぶせ寝などの習慣が加わるとより顎関節症の発症リスクがさらに高まります。

転倒により前歯が折れる

3つ目は出っ歯の人は転倒した際に前歯が折れやすいことです。
出っ歯の人は正常な歯並びの方と比べると、転倒や衝突によって前歯を傷つけるリスクが高いといわれています。

上の前歯に受けた損傷が重く、神経や歯を抜かざるをえないケースも珍しくありません。
神経を抜いた歯は将来的に抜歯となるリスクも高くなるため注意が必要です。

出っ歯の種類別の治療方法

出っ歯の種類別の治療方法

出っ歯の治療方法として下記のものがあげられます。

  • ワイヤー・ブラケット矯正治療
  • マウスピース矯正治療
  • インプラント矯正治療
  • セラミック治療
  • 外科矯正治療

外科矯正治療も含めた5つの治療方法は上顎前突すべてに適用できるとは限らず、症状によって併用されることもあります。

ここでは出っ歯の種類別に適した治療方法を説明します。

骨格性上顎前突症の場合

骨格性上顎前突症の治療方法は、ワイヤー・ブラケット矯正治療をはじめとする歯列矯正が基本です。

しかし、歯列矯正は治療方法によってかかる期間と費用が異なるうえ、保険適用されないこともあります。
ワイヤー・ブラケット矯正治療期間は約1~3年、費用は約60万~150万円くらいかかります。

また、骨格性上顎前突症の場合は前述した通り、歯列矯正治療と外科矯正治療を併用するケースもあるため、矯正歯科を受診して相談しましょう。

歯槽性上顎前突の場合

歯槽性上顎前突の場合

歯槽性上顎前突の場合は、顎に前歯を収めるためのスペースがあれば、歯列矯正だけで改善できる可能性が高いです。

出っ歯の状態によっては、前歯だけの部分矯正治療だけですむこともありますが、顎に前歯が入るスペースがない場合は、抜歯や健康な歯を削る必要があるかもしれません。

出っ歯の治療法で悩んでいるなら歯科医に相談しよう

出っ歯の治療法で悩んでいるなら歯科医に相談しよう

出っ歯の治療は症状によってさまざまな治療方法があります。
また、治療方法によってメリットとデメリットがあり、見た目や痛みなどを我慢しなければならないケースもあります。

そして、出っ歯の種類や状態によって治療にかかる期間や費用は異なり、それが原因で治療に踏み出せない人も少なくありません。
出っ歯の治療方法で悩んでいるなら経験豊富で高い技術を持つ矯正歯科医に相談しましょう。

下記から矯正歯科の無料相談の予約ができるため、まずは歯科医にご相談ください。

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まとめ

まとめ

出っ歯になる原因や種類別の治療方法について解説しました。出っ歯で悩んでいる方の中には一度くらいは治療を検討した人がいるかもしれません。

出っ歯の種類によって治療方法が異なるため、自分の状態に最適な治療方法を検討する必要があります。

そのためにも専門の矯正歯科を受診し、歯科医の診察を受けるのがおすすめです。出っ歯を治療することは歯だけでなく体全体の健康維持にもつながります。
これを機会に歯科医に相談して、自信に満ちた明るい日常生活を送りましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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