出っ歯はどこからなのか歯科医が解説|出っ歯を放置するデメリットや治療方法も解説します

【監修:青山健一】

出っ歯はどこからなのか歯科医が解説|出っ歯を放置するデメリットや治療方法も解説します

前歯が大きく迫り出す出っ歯。口元の印象が悪くなるだけでなく、虫歯・歯周病のリスクが高まる歯並びでもあります。
もともと歯並びが良い方であっても、後から出っ歯になる可能性はあります。それでは、具体的にどこからが「出っ歯」と呼ばれる状態なのでしょうか。

本記事では、「どこからが出っ歯なの?」という疑問についてお答えしていきます。あわせて、出っ歯が招くリスクや治療法にも触れています。
「歯が出てきた気がする」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

どこからが出っ歯?

どこからが出っ歯?

上の歯が下の歯よりも少し前に出ている日本人は多いです。そのため、上の歯が多少出ている程度では出っ歯とは呼ばれません。

出っ歯とは、通常よりも明らかに上の歯が前に突出している状態です。ここからは、出っ歯かどうかを見分けるポイントを解説していきます。

上の前歯が大きく目立つ

上の前歯2本が他の歯よりも大きい場合は、出っ歯の可能性が高いです。
より具体的にいうと、前歯が大きすぎるために、歯列に収まり切らず前に飛び出している状態が出っ歯に該当します。

日本人は遺伝的に、上の前歯2本のサイズが他の歯よりも大きいという特徴があります。そのため、前歯が歯列から飛び出すケースがしばしばです。
その結果、上の前歯2本が目立ってしまい、出っ歯と呼ばれるわけです。

唇が前に突き出ているように見える

口を閉じた状態で横顔をチェックしてみましょう。唇が前方に突き出ている方は、出っ歯にあてはまるかもしれません。

具体的には、唇がエステティックラインから飛び出すと出っ歯に該当します。エステティックラインとは、鼻の天辺と顎を結んだラインです。

通常であれば、口を閉じたとき、唇はエステティックラインの内側に収まるか、先端が軽く触れる程度です。
しかし出っ歯の方は、口を閉じたときに、唇がエステティックラインから飛び出します。

エステティックラインから唇が突き出ているかどうかは、自身でもチェックできます。まず、定規を準備してください。

次に、鼻と顎の先端を結ぶように定規をあてます。上下の唇が定規に当たるか、軽く触れる程度ならば出っ歯の可能性は低いです。

対して唇が定規に食い込む場合は、唇が前突している=出っ歯の可能性があります。ただし、このチェック方法の精度は100%ではありません。

鼻が低い方・顎が丸い方は、どうしてもエステティックラインに唇が触れやすくなるためです。唇の前突に関しては、あくまで出っ歯の目安の1つとしてください。

唇を閉じたときに顎にシワができる

唇を閉じた状態で下顎の様子をチェックしてみましょう。下唇の下方に小さな縦シワがある場合は出っ歯の可能性があります。

上の歯が出ている方は、唇に力を入れないと口が完全に閉じません。その結果、下顎にちりめんシワのようなものができてしまうのです。

上と下の歯のずれが4mm以上

出っ歯とは、上の歯と下の歯が前後に4mm以上ずれている状態です。
より具体的には、横から見たときに、上の歯が下の歯より4mm以上前に出ている場合が該当します。

上下の歯がずれる原因はさまざまです。たとえば上顎全体が前に突き出していれば、自然と上の歯は前に突き出します。

あるいは、上の前歯2本が斜めに傾いた結果、出っ歯になることもあります。フレアーアウトという現象で、すきっ歯を誘発することもしばしばです。

自分の前歯が目立つという場合は、上下の歯で前後のずれを確認してみましょう。ずれが2~3mm程度であれば、さほど出っ歯を心配する必要はありません。

対して、4mm以上のずれがある場合は出っ歯が疑われます。ご自身でチェックするのが難しいという場合は、歯科医に相談してみましょう。

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出っ歯になる原因とは

出っ歯になる原因とは

出っ歯の原因は、大きく分けて後天的な原因と先天的な原因の2種類があります。それぞれの内容をみていきましょう。

歯ぎしり・舌で前歯を押す癖

後天的原因として代表的なのが、口元の癖です。具体的には、歯ぎしり・舌で前歯を押す癖などが該当します。

唇を巻き込んだり、指をしゃぶったりする癖も出っ歯のリスクを高めます。理由は、いずれの癖も前歯に大きな負荷がかかるためです。

歯ぎしりをしたり、舌で押したりすると、前歯には内側からの圧力がかかります。その結果、じわじわと歯が傾き、先方に迫り出してしまうわけです。

口元の癖は無意識に出ることもしばしばです。気づかないうちに自分で出っ歯を誘発しているケースは少なくありません。

虫歯・歯周病

虫歯・歯周病

歯周病・虫歯も出っ歯の代表的な原因です。理由は、重症化すると歯が移動しやすくなるためです。
歯周病・虫歯を放置すると、炎症はやがて歯槽骨という部位へ到達します。歯槽骨とは、歯と顎の骨をつなぐクッションのような部位です。

歯槽骨に問題が起きると、歯と顎の骨が固定されなくなります。つまり、歯が動きやすくなるわけです。
その結果、かみ合わせなどの圧力に負けて、歯が前方に傾きやすくなります。あるいは歯周病・虫歯で歯が抜けた場合も出っ歯のリスクは高まります。

歯列に隙間ができると、他の歯が隙間に向かって移動するためです。その過程で前歯が前方に倒れるケースは少なくありません。

遺伝

出っ歯は、生まれつきの骨格・歯並びに原因があることもしばしばです。たとえば下記のパターンが遺伝性の出っ歯に該当します。

  • 歯のサイズが大きい
  • 生まれつき前歯が前方に位置している
  • 上顎が下顎より突き出ている
  • 上顎に対して下顎が小さい

特に多いのが、上下の顎のバランスが悪いというパターンです。たとえば、上顎が異常に発達している場合が代表的です。

上顎は普通でも下顎が未発達な場合も、出っ歯のリスクが高まります。下顎が小さいと、上顎が自然と前に突き出すためです。

骨格・歯のつき方は、多くの場合親からの遺伝です。つまり親が出っ歯の場合は、子どもが出っ歯になるリスクも高くなります。

出っ歯のタイプ

出っ歯のタイプ

一口に出っ歯といっても、大きく分けて2つのタイプに分類できます。それぞれの特徴をみていきましょう。

上顎前突

上顎前突とは、上顎・上の歯が前方に突き出している歯並びです。ちなみに上顎前突には、歯性と骨格性の2タイプがあります。

単純に上顎前突という場合は、歯性の上顎前突を指すことが多いです。すなわち、上の前歯が前に飛び出しているタイプが該当します。

前歯が他の歯より前に位置していることもあれば、傾くことで飛び出すケースもあります。前歯の位置に問題がある場合は、遺伝の可能性が高いです。

対して前歯の傾きは、後天的な原因で起こることがしばしばです。代表的な原因として、舌で前歯を押す癖・歯ぎしりなどが挙げられます。
なお、上顎前突は、歯性・骨格性の両方を併発しているケースも少なくありません。

骨格性上顎前突

骨格性上顎前突は、上顎が前方に突き出しているタイプです。生まれつき骨格のバランスが悪いケースがほとんどです。

上顎が下顎より突き出すことで、自動的に上の前歯が迫り出します。そのため歯並び自体に問題はなくとも、出っ歯になるリスクが高いのです。

下顎が小さすぎるために、結果として上顎が前に出ることもあります。上顎が前方に迫り出すと、前歯だけでなく歯茎も目立ちやすくなります。
たとえば笑ったときに歯茎が見える「ガミースマイル」は、上顎前突の方に起こりやすい現象です。

出っ歯を放置するデメリット

出っ歯を放置するデメリット

出っ歯は見た目の問題だけでなく、身体に深刻なトラブルを招くことがあります。代表的なリスクは下記の通りです。

  • 口元の印象が悪い
  • 口内が乾燥して細菌の繁殖を招く
  • かみ合わせが悪いため、十分な咀嚼ができず消化器官に負担をかける
  • 転倒時などに前歯を折りやすい
  • かみ合わせの悪さが原因で全身の骨格をゆがませる

特にリスクが高いのが細菌の繁殖です。より具体的にいえば、歯周病・虫歯のリスクが高まります。
出っ歯の方は口が完全に閉じにくいため、口内が乾燥しやすくなります。口内の乾燥は、歯周病菌などの繁殖を招く要因です。

出っ歯の影響は、全身に及ぶこともあります。たとえば、かみ合わせのゆがみが骨格のゆがみを引き起こすケースは少なくありません。

骨格バランスが悪くなると、頭痛・肩こり・めまいといった不調が起こりやすくなります。
心身への悪影響を防ぐためにも、出っ歯は放置せず気になる症状があれば歯科医に相談しましょう。

出っ歯の治療方法

出っ歯の治療方法

出っ歯は心身に悪影響を招きやすいため、できる限り早めの治療が望ましいです。出っ歯の代表的な治療方法をご紹介します。

オトガイ形成術

顎の位置を調節する方法です。骨格が原因の出っ歯に有効な治療法です。オトガイ形成術では、顎の位置を前後させることでかみ合わせをよくします。

上顎を後ろに下げるケースもあれば、下顎を前に出すケースもあります。骨格そのものを整えるため、歯並びを根本的に改善できる点がメリットです。

歯並びだけでなくフェイスライン全体もきれいになります。デメリットは、外科手術である点です。
出っ歯の治療法の中でも大がかりな方法であるため、治療費用も高額になりがちです。

歯列矯正

歯列矯正

出っ歯は歯列矯正で改善できます。歯が前に出ているケースや、傾いている場合に有効な治療法です。
歯列矯正は大きく分けて全体矯正と部分矯正の2種類があります。全体矯正は歯並び全体を整える方法です。

対して部分矯正は、歯並びの一部のみを整える方法です。出っ歯は前歯のトラブルであるため、部分矯正で対応できるケースも少なくありません。

部分矯正は全体矯正と比べると治療期間が短く、費用が安価な点がメリットです。ただし、デメリットもあります。

たとえば重度な出っ歯の場合は、部分矯正では対応できません。また審美治療の側面が強いため、根本的な歯並び・かみ合わせの改善は難しいです。

全体矯正・部分矯正のどちらが適しているかは、症例によって異なります。どちらを選ぶかは、歯科医との相談のうえで決めましょう。

大人の出っ歯は自力で改善できるのか

大人の出っ歯は自力で改善できるのか

出っ歯に限らず歯並びを自力で治すのは好ましくありません。かえって歯並びが悪くなったり、歯が抜けたりする恐れがあるためです。

歯並びの改善は歯科医の指導の下で行うのが安全かつ確実です。リスクを避けるためにも、歯を指で押すなどのセルフケアはやめましょう。

出っ歯かもしれないと悩んだら歯科医に相談しよう

出っ歯かもしれないと悩んだら歯科医に相談しよう

出っ歯の見分け方は、自分では難しいケースもしばしばです。手っ取り早く見分けるには、歯科医のチェックを受けるのが1番です。

「歯列矯正に興味がある」という方は、無料相談の利用を検討してみましょう。下記のリンクから無料相談の予約ができます。

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まとめ

まとめ

出っ歯は放置はせず、できる限り早めに歯科医院を受診しましょう。自分が出っ歯かどうか判断できない場合も、まずは歯科医への相談がおすすめです。

出っ歯は見た目が悪いだけでなく、放置すると歯周病・骨格のゆがみなどのトラブルを引き起こすことも多いためです。
歯並び・口の健康を守るためにも、歯に関する悩みが少しでもある場合は、歯科医に相談してください。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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