【監修：青山健一】
目 次
歯列矯正を検討していてもなかなか治療に踏み切れない方はいらっしゃいませんか。
見た目・痛み・治療期間・費用などの不安もありますが、治療に失敗しないか心配な方も少なくありません。
今回は、矯正歯科選びで失敗したケースとそのことで起きる矯正の失敗事例を詳しく解説します。
失敗しないための矯正歯科選びのポイントもご紹介しますので、「歯列矯正を検討しているけど失敗するのが心配」という方はぜひ参考にしてください。
歯列矯正は矯正歯科選びが大切
歯列矯正を検討している場合、矯正歯科をどのように選びますか？納得できる歯列矯正を望むなら、信頼できる矯正歯科を選ぶことが大切です。
自宅や職場から近い・治療費が安い・口コミの評判が良い、そんな矯正歯科を選ぼうとしていませんか。
また、カウンセリングで患者さまのメリットばかりを強調してデメリットを説明しない歯科医も注意しましょう。耳に心地よい提案ばかりするのは良い歯科医ではないからです。
矯正歯科選びで失敗したケース
信頼できる矯正歯科を選ぶことができれば良いのですが、必ずしも上手くいくとは限りません。
カウンセリングや精密検査の段階では歯科医やスタッフの対応も良くて治療を任せても良いと思ったのに、いざ治療が始まると様子が一変することも少なくありません。
矯正歯科選びで失敗した場合に起きるトラブルをご紹介します。
治療が終わらない
歯列矯正では矯正装置の種類や矯正部位によって標準的な治療期間があります。治療計画の段階でも治療期間がはっきりと説明されるはずです。
しかし、治療期間を過ぎてもなかなか矯正装置が外れないことがあります。歯科医に聞いても明確な時期の回答がないことも少なくありません。
このような場合は、矯正治療が順調に進んでいない可能性が高いと考えられます。精密検査に基づく診断に誤りがあった場合や、矯正装置の選択・装着に問題があった場合などが要因です。
追加費用がかった
治療を始める前に提示された費用以外に、追加費用を請求されることがあります。このような場合でも、治療をやめるわけにはいかないためしぶしぶ支払うことも少なくありません。
追加費用が発生するのは、治療が延びている・矯正装置を変える必要がある・補助器具を使うことになったなどの理由が上げられます。
これらは料金体系がはっきりしていない場合に起こることが多いです。
支払いには総額制と別払い制がありますが、矯正歯科で別払い制が設定されている場合は追加料金が発生するリスクが高いと考えられます。
仕上がりに満足できない
「治療が終了した」と告げられても、歯並びや噛み合わせなどの仕上がりに満足できないケースがあります。
患者さまの希望の伝え方が不足していたことや歯科医の仕上がり状態の説明不足が原因の1つです。
患者さまと歯科医の間で仕上がりイメージの共有ができていなかったと考えられます。
また、抜歯が必要であった場合に、抜歯矯正のメリットとデメリットを十分共有できていなかったなど治療方針の間違いも原因の1つとしてあげられます。
歯科医・スタッフとの相性が悪い
歯列矯正では歯科医の技術だけでなく、歯科医やスタッフとの相性もとても大切です。
矯正治療は少なくても数年、メンテナンスを含めれば10年以上の長い付き合いになることもあります。
矯正の技術が優れていても歯科医やスタッフとコミュニケーションがとれなければ、その長い年月をストレスを抱えたまま通院しなければなりません。
ストレスはやがて歯科医やスタッフへの不満や治療そのものへの不信感にもつながりかねません。
矯正歯科選びの失敗は歯列矯正の失敗につながる
ここまでご紹介しましたように、矯正歯科選びに失敗するとさまざまなトラブルになり精神的にも負担が大きくなります。
それだけでなく、矯正歯科選びの失敗は歯列矯正そのものの失敗につながりかねません。
矯正歯科選びに失敗したと感じたら治療を始める前に転院するのが望ましいです。治療を始めている場合でも、一旦振り返ってしてトラブル改善のための対処を優先させましょう。
歯列矯正で失敗した事例
それでは実際にどのような失敗が起きているのか事例をご紹介しましょう。
歯列矯正における失敗とは、適切な治療を受けられず思うような結果が得られなかった状態です。
失敗は患者さまが注意を守らなかったことが要因のこともありますが、多くの場合は歯科医から適切な治療が受けられなかったことによります。
矯正治療で失敗しないためにも失敗事例を確認しておきましょう。
噛み合わせが悪くなった
矯正治療の失敗には、治療後に噛み合わせが悪くなったという事例もあります。
歯並びはきれいに矯正されて見た目には失敗などないように見えますが、、オープンバイトや出っ歯の状態になり前歯が噛み合わなくなることがあるのです。
見た目を良くすることを重視するあまり、歯の全体の機能を無視した治療を行ったことで起こることがあります。
すぐに後戻りした
矯正に失敗した事例では、歯列治療後すぐに後戻りしてしまったケースが多くあります。
治療終了後に保定期間の重要性を歯科医から説明されますが、説明が十分でなかったことに起因する失敗事例です。
その他にも、舌癖がある場合も後戻りの原因になります。舌癖のある患者さまは、矯正治療中に治療中に舌癖を直していくことも大切です。
口ゴボになった
健康な歯を抜きたくないのは多くの方が思うことです。しかし歯並びの状態によっては抜歯が必要なこともあります。
治療に必要な抜歯をしなかったことで口ゴボになってしまうケースがあります。
歯列矯正で失敗したときの対処法
歯列矯正は高額の費用と長い期間をかけるため、失敗することは考えたくありません。しかし、治療を検討している場合は失敗したときの対処法も考えておくべきです。
まずはセカンドオピニオンを受けましょう。セカンドオピニオンは患者さまに認められている権利です。
治療方法に間違いがないのか別の歯科医に判断してもらうことをおすすめします。治療が失敗している場合は再治療が必要です。
失敗をした歯科医から再治療を受けるのが不安であれば、転院して再治療を受けることも視野に入れましょう。
矯正歯科選びで失敗しないポイント
ここまでご紹介したように、矯正歯科選びに失敗すると矯正治療そのものが失敗するリスクも高くなります。
とはいえ、数ある矯正歯科の中からどこを選べば良いのか迷う方も少なくありません。ここでは、矯正歯科選びで失敗しないためのポイントをご紹介します。
症例数や実績
矯正治療は歯科医の技術力が必要な難しい治療です。その技術力は経験を重ねることでも高めることができます。
矯正歯科を選ぶ際には症例数や実績を重視しましょう。症例数や実績の多い矯正歯科は経験豊富な歯科医が在籍していると判断できます。
事前の検査をしっかり行っている
ご紹介しました失敗事例は、十分な検査が行われなかったことが原因として挙げられます。費用を抑えるために精密検査をしっかり行わない矯正歯科もあります。
歯列矯正では、見た目の歯並びだけでなく顎や顔の骨格を含めた総合的な検査が必要です。
一般的に検査は、歯型取り・口腔内写真撮影・顔貌写真撮影・パノラマレントゲン・セファロレントゲン・頭部CTなどの検査が行われます。
わかりやすい料金体系
治療費の料金体系には総額制と別払い制があります。矯正歯科で決まっていることもあれば患者さまが選べる場合もあります。
総額制は矯正治療にかかる費用のすべてを含んだ一括費用です。治療期間が延びても費用が変わることはありません。
別払い制は基本治療費以外に、毎月の調整料やメンテナンス料はその都度支払います。治療期間が延びるとトータル料金が増えることもあります。
いずれの方式を選んでも料金体系がはっきりしていてわかりやすいことが矯正歯科選びのポイントです。
信頼できる歯科医がいる矯正歯科を選ぼう
歯科医師免許を持っている医師なら誰でも矯正治療ができます。極端ですが、矯正治療の経験がなくても、矯正歯科をかかげて治療を施せるのです。
そのため安さをアピールして患者を集める歯科があることも事実です。矯正治療には適正料金や相場料金があります。
「安い」というだけで矯正歯科を決めず、経験や実績を確認するようにしましょう。失敗など心配しないで安心して治療を受けるには信頼できる矯正歯科を選ぶことが重要です。
そのためにも、複数の矯正歯科でカウンセリングを受けることをおすすめします。次のリンクでも無料相談ができます。ぜひご活用ください。
まとめ
一度始めたら簡単にやめられないのが矯正治療です。失敗しないため、この記事でご紹介したポイントを参考に探してください。信頼できる矯正歯科が見つかるはずです。
失敗のない納得できる矯正治療を受けたいのは誰もの願いですが、残念ながら失敗はゼロではありません。
矯正歯科は「近いから」「安いから」の理由で選ぶのではなく、複数の医院でカウンセリングを受けてから歯科医やスタッフとの相性も考慮しましょう。
信頼できる歯科医のもとで、安心して矯正治療を受けるのが成功の近道です。
1965年 広島県呉市生まれ
