床矯正の成功率は?床矯正で失敗しないためのポイント3つを歯科医がご紹介します

【監修:青山健一】

床矯正の成功率は?床矯正で失敗しないためのポイント3つを歯科医がご紹介します

床矯正という矯正治療をご存じでしょうか。主に子供の矯正治療に使用されることが多くありますがその成功率はどれくらいなのでしょうか。
また、失敗をしないためにどのようなことに注意をしていくべきなのか分からない人も多いと思います。
今回は床矯正の成功率や失敗しないためのポイント、床矯正の特徴について紹介をしていきます。是非、該当する人は参考にして自身の治療に活かしていってください。

床矯正の施術内容

床矯正の施術内容

矯正治療といえば「ワイヤー・ブラケット矯正」や「マウスピース矯正」が一般的ですが床矯正(しょうきょうせい)という治療方法があります。
床矯正とは字のとおり入れ歯のような「床」部分が存在する矯正装置を用いている治療法で、可撤式(はめ外し式)装置を使うことで簡単・早い・負担が少ないと話題の治療法です。

この治療法は一般的に子供(4歳~12歳)が対象となる治療ですが大人でも軽度であれば対応可能な場合もあります。
顎の発育が活発な時期が対象になるため、治療をする前に医師に確認が必要です。

ただし、床矯正は「上顎前突」、「下顎前突」など対応ができない不正咬合が存在するため、ほかの矯正装置との併用を検討しなくてはならない場合があります。
床矯正は負担も少なくよい治療法ですがポイントを押さえて使用をしないと期待している効果が得られないこともあるため、気を付けて使用をしましょう。

ここでは床矯正の治療の流れや期間など紹介をしていきます。これから紹介することを参考にして今後の治療に活かしていってください。

床矯正の流れ

床矯正も通常の矯正治療同様に矯正相談から始まります。ここで今の歯並びの悩みや治療に対する不安などを聞いて治療を始めるか検討をしましょう。
治療を決めたら検査を受けていきます。ここで現在の状態をしっかりと確認してから矯正方針を決めていきます。

方針を決めたらいよいよ矯正装置の取り付けです。検査で確認した歯並びに合わせて取り外し式・固定式の装置を装着して治療を進めますがこのとき、必要であれば併用することもあります
問題なく装置の取り付けが終わったら、基本は月に1~2回通院をして経過確認と装置の調整を行って治療を進めていきます。

矯正が完了したら装置を外してリテーナーと呼ばれる保定装置を取り付けて矯正で動きやすくなった歯を固定して完了です。
最後に検査と診断をして矯正治療の全行程が完了します。

治療期間

通常、治療期間は前歯が生え替わる6~7歳ごろから開始して犬歯が生え替わる9~10歳ごろには完了するため、およそ2~3年で完了します
床矯正は犬歯が生え替わると装置で前歯の並ぶ幅を作ることが難しくなるため、そこまでに矯正が終わっていない場合は別の治療法に移行します。

費用

費用

通常の矯正治療では抜歯をしたり装置に費用がかかってしまいます。床矯正であれば1個の装置だけで済ますことが可能ができれば通常の矯正治療よりも安くすることが可能です
費用に関しては歯科医院によって様々ですが半分以下に抑えることができる場合もあります。

治療を始める前に歯科医に床矯正とそれ以外で2種類以上の見積もりを提示してもらい検討するとわかりやすくておすすめです。

床矯正の成功率は?

床矯正の成功率は?

床矯正は成功率があまり高くないというイメージをお持ちの人は少なくないと思います。実際、床矯正は特定の症状に非常に弱いというデメリットを持っています
それは「面長の顔で出っ歯傾向は床矯正の適応症ではない」という点です。
これは下あごが小さく上の前歯がでているような状態のことで、逆にこのケースでなければ床矯正だけで十分に対応可能です。

しかし、日本人は元々顎が華奢で面長の顔が多い特徴があるためそれを理解していない歯科医が床矯正を治療して治療がうまくいかない場合があったため悪いイメージを持つ人が多くいます。
床矯正を行う場合はしっかりと実績を持っている歯科医に依頼しましょう。

近年増えているトラブルと原因

近年増えているトラブルと原因

前述でも紹介しているとおり、床矯正は症状によっては効果が薄い治療法です。
費用が安かったり評判を聞いて歯科医のアドバイスを無視して床矯正を行ってしまうと後々トラブルになってしまいます。

ここでは床矯正を行うことで近年増えているトラブルとその原因について紹介します。参考にして矯正治療を行う際に気を付けてください。

床矯正に多いトラブル

床矯正で多いトラブルは「治療が長引いてしまう」ということです。
これは子供の矯正でも多く、今のうちに矯正を行えば早期で終わるといわれて矯正を始めた場合に陥りやすく実際は予定通りにいかず別の矯正治療も受けなくてはいけなくなってしまいます。

次に「噛み合わせが悪化した」というトラブルが多く、奥歯の噛み合わせや出っ歯になってしまうといったトラブルがあります。
最後に「結局抜歯をした」です。元々、床矯正は抜歯をせずに治療ができるというメリットがあるため抜歯をしたくない人に好まれています。

トラブルの原因

上記のトラブルの原因は歯科医院の説明不足や患者自身が説明を理解していないことによって起きます。
床矯正のメリットだけでなくデメリットもしっかりと理解した上で、治療をしないとこのようなトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高くなり危険です。

さらに歯科医院の床矯正に対する実績も確認をしましょう。矯正治療はワイヤー・ブラケット矯正やマウスピース矯正が主流のため、床矯正があまり得意でない歯科医院もあります。
ホームページや口コミで床矯正を問題なく受けてくれるところに依頼をするようにしましょう。

床矯正が適さないケース

床矯正が適さないケース

前述でも少しふれましたが面長の出っ歯傾向にある場合は床矯正が適しません。この症状で床矯正による歯列拡大を行うとかなりの確率で前歯が噛めなくなってしまいます。
さらに上下の隙間に舌が入るといった悪癖も生まれて噛み合わせの悪化が進んでしまうため注意が必要です。
そのため、この場合は別の矯正治療を行ったほうがよいため、歯科医と相談をして正しい治療法を選択する必要があります。

床矯正で失敗しないためのポイント3つ

床矯正で失敗しないためのポイント3つ

床矯正には適さないケースが存在するため、しっかりと検討した上で治療を進めていかないと矯正治療が上手くいかないことがあります
特に矯正治療は人生で何回も受ける治療ではないため、事前に様々なことを調べてから治療に望むと失敗を回避できる場合があるためおすすめです。
ここでは床矯正で失敗をしないための3つのポイントについて紹介していきます。

実績のある認定医に相談する

実績のある認定医に相談する

前述でも紹介したとおり、床矯正をあまり得意ではない歯科医院は存在します。そのため、実績がある歯科医院に依頼することが重要です。
さらに「日本矯正歯科学会」における認定医制度があり、その資格を保有している「認定医」が常駐しているという点も確認しましょう。

常駐してないと認定医がいない場合があるため、対応が遅くなってしまう可能性があります。しっかりと確認をして安心して矯正治療を進めましょう。

床矯正の適齢期を踏まえる

床矯正は成長に合わせて歯列の幅を広げていく治療法のため、適齢期を逃してしまうと別の治療法で対応しなくてはならない場合があります。
特に子供のうちに治療を受けることで大人の矯正治療に比べて大がかりな治療がいらない場合がありおすすめです。

適齢期に治療を進めることで負担も少なくなり成功確率も挙げられるため、治療を考えている場合は早めに予定を立てておきましょう。

綿密な治療計画を立てる

床矯正は成長段階で治療を進めることがベストです。そのため、場合によっては反抗期に治療をすることになる可能性があります。
床矯正は患者が簡単に装置を外すことができるため、反抗期などで周りの目を気にして治療が進まないということがよくあります。

そのため、治療時期も成功するための大事なポイントの一つです。あらかじめ綿密な治療計画を立てることで矯正を円滑に進めることができます。
永久歯が生える6歳前後で一度検診を受けることでその後の計画が立てやすくなります。

床矯正のメリット・デメリット

床矯正のメリット・デメリット

特に床矯正は治療の性質を理解した上で治療を進めることをおすすめしたい治療法です。そのため、床矯正にはどのようなメリットやデメリットがあるか理解をしておきましょう。
ここでは床矯正の主なメリットやデメリットについて紹介してきます。

床矯正のメリット

まずはメリットについてですが床矯正の最大のメリットは抜歯をしなくてよい点です。一般的に矯正治療は抜歯をすることが多いため、歯を抜きたくないと考えている人には魅力的です。
さらに成長に合わせて治療を進めるため痛みがほとんどなくさらに、矯正装置も任意で取り外しができストレスも少なく治療を受けることができます。
また、着脱可能なため歯磨きやケアがしやすく口内環境を清潔に保ちやすいというメリットも挙げられます。

床矯正のデメリット

次にデメリットですが前述でも紹介したとおり床矯正は症例が限られるため、適応していない症例で使用すると効果がないだけでなく状態を悪化させてしまうことがあり注意が必要です。
また、任意で取り外しができるため装着時間を守らないと治療が進まないことや治療が延びて適応時期を過ぎると別の治療法に切り替えなくてはなりません。

さらにワイヤー・ブラケット矯正やマウスピース矯正よりも対応可能な歯科医院が少ないため、事前の確認をする必要があります。

安心の矯正認定医に依頼して床矯正を成功させよう

安心の矯正認定医に依頼して床矯正を成功させよう

床矯正に限らず矯正治療は信頼できる歯科医に出会えるかどうかが成功に大きく影響してしまいます。特に床矯正は注意点が多くあるため、認定医のところで安心して治療を進めていくことが重要です。
さらに、矯正治療は何回も経験したことがある人は少なく分からないことが多いと思います。ホームページや口コミなどでしっかりとリサーチをしてから治療を依頼しましょう。

まとめ

まとめ

今回紹介したとおり、床矯正は有効な治療法です。しかし、適切な症例のときに使用する必要がありその選択は歯科医にしてもらわなければなりません。
歯科医に相談をするときは事前に床矯正のことを理解して質問や確認をして信頼できる歯科医を選択しましょう。そして床矯正で快適な矯正治療生活を送りましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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