アデノイド顔貌の直し方とは?アデノイド顔貌の見分け方や歯科矯正治療のメリットを歯科医が解説

【監修:青山健一】

アデノイド顔貌の直し方とは?アデノイド顔貌の見分け方や歯科矯正治療のメリットを歯科医が解説

口元に自信がないと、人前に出るのも恥ずかしくなってしまいます。
今回は、顎が小さく唇が前に出たような顔立ちがコンプレックスでお悩みの方に朗報です。
もしかすると、その顔の特徴は「アデノイド顔貌」の可能性があります。
別名では「ロングフェイス症候群」とも呼ばれています。

これは美容だけでなく、健康にも関係する問題です。
そんな言葉初めて聞いたけれど大丈夫?と思った方もご安心ください。
アデノイド顔貌には治療法があります。

この記事では、アデノイド顔貌の直し方をみていきましょう。
ご自身が当てはまるかどうかのチェック方法もお伝えします。
歯科矯正で直したい方は必見です。

アデノイド顔貌の特徴

アデノイド顔貌の特徴

冒頭でお伝えしたように、アデノイド顔貌の人は顎が小さく、唇が突出しています。
その他にも、見た目やそれ以外も含めた特徴は以下の通りです。

  • 面長
  • いつも口をぽかんと開けている
  • 唇が下がり気味
  • 唇が厚くもっこりして乾燥しやすい
  • 舌を突き出したような顔立ち
  • 歯並びが悪い(出っ歯やガタガタの八重歯)
  • 滑舌が悪い
  • 口臭が強い
  • 鼻が低い
  • 鼻詰まりが多い
  • 中耳炎になりがち
  • 口呼吸をする
  • いびきをかく
  • 猫背姿勢になる
  • 食べるときにぺちゃぺちゃ音が出る

かなりたくさんの特徴があることがお分かりいただけたでしょう。
こうした症状は、1つの原因から連鎖的に表れていきます。
当てはまる症状が多いほど、アデノイド顔貌である可能性が高いです。

アデノイド顔貌の見分け方

次はご自身がアデノイド顔貌に当てはまっているかチェックしてみましょう。

突出した唇

突出した唇

まず、アデノイド顔貌を見分けるのに重要なのは唇が出ているかどうかです。
いわゆる「出っ歯」「口ゴボ」といわれるような見た目と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、注意したいのは、アデノイド顔貌は出っ歯の中の一種であるということです。
出っ歯の中でも、特に上顎だけが出ているものを指します。
つまり、上唇が突き出ていて下唇が引っ込んでいるなら、当てはまる可能性が高いです。

顎が小さい・後退している

顎が小さい・後退している

上顎が突き出ているのに対し、アデノイド顔貌では下顎が引っ込んでしまいます。
顎が小さく、首との境目が分かりにくいというのが特徴です。
顎が小さいというと、美容的にいいイメージを抱く方もいるでしょう。

しかし、横顔を見たときに、下顎が極端に小さいとバランスが悪く感じられます。
鼻先と顎を結んだ線の少し内側に唇があるのが美容的な理想です。
アデノイド顔貌の場合は、下顎が小さいため唇がラインを出やすくなってしまいます。
唇を閉じたときに、顎が上向きに引っ張られるようなしわができるなら、要注意です。

口が開いている

口が開いている

口呼吸が原因で、口をぽかんと開けているのが目立ってしまうのも特徴です。
鼻づまりでも驚いているわけでもないのに、気づかないうちに口が開いてしまいます。
少し口が開いてしまうため、口元が緩みしまりのない印象を与えてしまうこともあります。
こうした顔の悩みを抱えているなら、アデノイド顔貌の可能性もあるでしょう。

アデノイド顔貌になる原因

上記の特徴に当てはまった方で、その原因が気になる方も多いはずです。
ここでは、アデノイド顔貌になってしまう主な原因をお伝えします。

アデノイド肥大

アデノイド肥大

アデノイド顔貌は、のどに近い鼻の奥にあるアデノイドという部分の肥大から始まります。
これは2~10歳ぐらいまでの期間に起こる現象です。
ウイルスや細菌から身を守るための大事な反応ですが、これがまれに過剰に起こります。

通常は10歳ぐらいまでに収まるもので、異常な肥大の原因は不明なのが現状です。
過剰に大きくなったアデノイドは、鼻呼吸を妨げます。
こうして肥大は収まっても慢性的な口呼吸になってしまうのが顔の形に影響するのです。

口呼吸では常に口が開いているため、口周りの筋肉が衰えます。
そのため、下顎の発達が妨げられ、上顎が突き出た形になるのです。
こうして、アデノイド顔貌の特徴が生まれてしまうのです。

下顎が下がることにより、気道にも影響が出ていびきにつながります。
いびきは睡眠時無呼吸症候群につながる可能性もあり危険です。
また、筋肉の衰えのため舌が前歯にかかり、歯並びを悪化させます。
鼻の炎症は耳にも影響し、急性中耳炎や難聴になる可能性も高いです。

口呼吸になる悪循環

口呼吸になる悪循環

口呼吸が常態化すると、口から細菌やウイルスが入りやすくなります。
前の見出しで説明したようにアデノイドの肥大は細菌やウイルスから守るための反応です。
そのため、入ってくる異物が多くなればますます肥大は進みます。
こうした悪循環で、アデノイドがどんどん肥大して口呼吸も進むのです。

そもそもアデノイド肥大以外が原因でも、口呼吸によって症状が出る場合もあります。
別要因の鼻づまりが原因で口呼吸になったとしてもアデノイド顔貌になってしまうのです。
つまり、アデノイド顔貌の特徴が出る直接の原因は口呼吸なのです。

アデノイド顔貌を直す歯科矯正治療

原因は子供のころにありますが、大人になってもアデノイド顔貌の治療はできます。
ここでは、歯科矯正による治療の方法をみていきましょう。

マルチブラケット装置での矯正治療

マルチブラケット装置での矯正治療

まず、軽い場合にはマルチブラケットを使って矯正できます。
歯のかみ合わせを直すことにより、舌の位置を改善して鼻呼吸にする方法です。
この方法でも、少し抜歯を伴う場合があります。

第一小臼歯を抜歯したスペースを利用して前歯を移動させるという方法です。
症状により様々ですが、矯正の期間は平均1~3年ほどです。
費用は程度により40~100万円ほどの幅があります。

外科手術を併用する矯正治療

外科手術を併用する矯正治療

重度のアデノイド顔貌の場合は、矯正と外科手術を併用することもあります。
代表的なのは、顎の骨を切断し、強制的に下がっている顎を前方に動かす方法です。
これは、歯並びだけでなく骨格にも及んでいる症状に対応するために行われます。

ここまでひどくなっていると「顎変形症」と診断がつき保険が適用される場合もあります。
手術の前と後に矯正で調節するのが基本です。
手術を行う場合は、2週間ほどの入院が必要です。

歯科矯正治療のメリット

「矯正」や「手術」と聞いて、少し不安になった方もいるでしょう。
しかし、歯科矯正でアデノイド顔貌を直すことには次のようなメリットがあります。
治療を受けるかどうかの参考にしてみてください。

鼻呼吸しやすくなる

鼻呼吸しやすくなる

歯並びを改善することにより、鼻の穴が大きく開きます。
これにより、治療前よりも鼻呼吸がしやすくなるのがメリットです。
口呼吸は、ここで紹介したウイルスの侵入や顔の変化などの悪影響をもたらします。
外見だけでなく鼻呼吸への自然な改善のためにも、矯正がおすすめです。

周囲に気づかれにくい治療も可能

周囲に気づかれにくい治療も可能

アデノイド顔貌の矯正には、周りから気づかれにくい方法を使うこともできます。
マイオブレースやインビザラインと呼ばれるマウスピースを装着する方法です。
家にいる間だけはめたり、透明な目立ちにくいマウスピースをはめたりします。
これなら金属ブラケットのように常に目立つ矯正装具をはめる必要はありません

アデノイド顔貌の治療は時期に応じて異なる

アデノイド顔貌は子供時代の原因に由来します。
そのため、大人と子供では治療の方法が違うのです。
ここでは、それぞれの治療法の違いについてみていきましょう。

子供の場合

子供の場合

小学生までの子供のころに気づいたのであれば、矯正せずに自力で治すことも可能です。
これは、子供はまだ骨が柔らかく、形が容易に変えられるからです。
自力で治す方法には、口呼吸を改善するための口の体操という方法があります。

「あーいーうーべー」と発音し、口周りの筋肉や舌の筋肉を鍛えます。
子供であれば、意識的に鼻呼吸をさせることで治る可能性もあるのです。
指をしゃぶる癖もやめさせれば口呼吸予防につながります。

また、肥大の原因の炎症や、鼻詰まりを抑える耳鼻咽喉科治療も効果があるでしょう。
感染が原因であれば、その感染症の治療を迅速に行うことが予防につながります。
風邪をひいた後に起こりやすいので、注意が必要です。

少し重症ならば、取り外しのしやすい簡単な矯正装具も使えます。
もしお子さんの症状が気になるなら、早めに歯科医に相談しましょう。
アデノイド肥大は鼻炎などと紛らわしいので勝手な判断はせずじっくり相談してください。

最悪の場合は、炎症を起こしているアデノイド自体を摘出できます。
この手術は、耳鼻咽喉科で行ってもらいましょう。

大人の場合

大人の場合

中学生以降になり、成長期を過ぎると自力で治すのは難しくなります。
口呼吸から鼻呼吸に移行しても、大人の場合は顔の形が変わる可能性はあまりありません。
そのため、やはり大人の場合はこの記事で説明したような矯正治療が必要です。

矯正のほかにも、整形手術という方法もあります。
整形手術は、抜歯によって口元を引っ込める顎骨体移動治療というのが代表的です。
ほかにも、下顎を出すためのオトガイ形成やシリコンプロテーゼ挿入などがあります。
こうした整形治療は保険の適用外です。

アデノイド顔貌を直したいならまずは歯科医に相談

アデノイド顔貌を直したいならまずは歯科医に相談

この記事を読んでアデノイド顔貌に当てはまりそうだと感じた方もいるでしょう。
顔の形や口呼吸で悩んでいるならば、まずはかかりつけの歯科医に相談してみてください。
アデノイド顔貌の進行具合によって、適切な治療法を相談しましょう。
外見だけでなく、内面から状態を把握するのはプロに任せるしかありません。

歯科医に相談すればレントゲン写真でアデノイド顔貌かどうかしっかりチェックできます。
内視鏡検査で精密に診てもらえる場合もあります。
自主チェックも大事ですが、最終的には医師に相談して判断しましょう。

治療には当然ながらある程度のコストもかかるため、慎重な検討が必要です。
また、相談することによってアデノイド顔貌以外の問題が見つかる可能性もあります。
少しでも気になる点があれば、早期発見のため積極的に質問するのがベストです。

まとめ

まとめ

この記事ではアデノイド顔貌の見分け方や治療方法について解説しました。
鼻の奥の腫れが原因で、見た目だけでなく身体の調子に影響する厄介な現象です。
ここで紹介した特徴に関する悩みを抱えているなら、ぜひ歯科医に相談してみてください。

思いがけないところから、ほかの悩みが解決するということもあるものです。
顔のせいで自信をなくし、口元を見せるのが恥ずかしいと感じている方もいるでしょう。
そんな方は一度、勇気を出して一歩踏み出して自信を取り戻してみてください。

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