出っ歯じゃないけど口ゴボの治療法を解説|原因や治療期間・費用を歯科医が紹介

【監修:青山健一】

出っ歯じゃないけど口ゴボの治療法を解説|原因や治療期間・費用を歯科医が紹介

口ゴボとは、上下の唇全体が前に引っ張られているような口元がモッコリした状態のことです。
口元が「ゴボッ」とした見た目を表す言葉で、医療用語では「上下顎前突」や「上顎前突」といいます。

上下の唇が突き出ているためにアゴが小さく見えたり、口元が閉じにくいという悩みを抱えている人が少なくありません。
今回は、いわゆる出っ歯ではなく、歯並びはキレイなのに唇が突き出ているタイプの口ゴボについて解説していきます。

出っ歯じゃないのに口ゴボになる原因

出っ歯じゃないのに口ゴボになる原因

出っ歯の人の口元が盛り上がって見えるのは当たり前ですが、出っ歯ではないのにそう見える人がいます。
キレイな歯並びと横顔の美しさは必ずしも一致しません。歯並びがよくても、頭蓋骨に対して上顎骨と下顎骨が前に出ていると口元が突出して見えるようになります。
出っ歯ではないのに口ゴボになる原因はいくつか考えられますが、ここではその代表的なものを紹介します。

口まわりの筋力の低下

口まわりの筋力の低下

口まわりの筋肉が衰えたり痩せたりすると、口ゴボになりやすくなります。顎周辺の肉がたるんで口元が緩むことで、口全体が前に出ているように見えてしまうのです。

日常的な会話や食事などで口まわりの筋肉はよく使われるイメージがありますが、リモートワークや一人暮らしなど、会話の機会が減少するケースも増えています。

また食事の面でも、よく噛むことが必要とされる昔ながらの日本食ではなく、柔らかい食べ物が好まれる傾向が続いており、これが顎の成長をさまたげる原因にもなっています。

予防のために噛みごたえのあるメニューを積極的に選んだり、生活の中に口元のトレーニングを取り入れたりするなど、意識的に口まわりの筋肉を使って鍛えるようにしてください。

口呼吸などの習慣

口呼吸が癖になっているといつも口が開いた状態になりますが、これも口ゴボの原因になります。
口まわりを円状に囲んでいる口輪筋の筋力が低下したり、歯並びが悪くなることで、口元が前に出ているように見えてしまうのです。

口呼吸を続けていると顔の筋肉がたるんで下顎が首の方に引っ込んでしまい、顎と首の境目が分からなくなることで口が前に出ているように見えるケースもあります。

指しゃぶりの癖によって悪化した歯並びが原因になることも少なくありません。
特に3歳以降まで指しゃぶりをしていると、歯並びに影響が出てしまうため気をつけてください。

また指しゃぶりと同様に、日頃から下唇を噛む癖があると上の前歯が前に傾いてしまい、口元が前に出ているように見えることがあります。

遺伝

子どもの容姿や体質は、両親からの遺伝が基になって形成されるものです。
顎の位置や大きさ、歯のサイズなどの遺伝的な要因によって口ゴボになっているケースもあります。

上の前歯が前に出ている上顎前突や、上下の前歯が突出している上下顎前突の場合はその状態になりやすく、歯並び自体はキレイというケースに多いのが上下顎前突です。

歯並びが出っ歯で悩んでいる方や口ゴボが気になる方も、矯正治療について相談したい場合は、下記の無料相談を参考にしてみてください。

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出っ歯じゃない口ゴボを見分ける方法

出っ歯じゃない口ゴボを見分ける方法

上の前歯が出っ歯のケースでも口ゴボになることはありますが、歯並びはキレイなのに唇が突き出して見えるタイプもあります。

出っ歯ではないのに口元が突出して見えるのは、上下の顎骨自体が頭蓋骨に対して前方に出ているケースに多いタイプです。

そのようなタイプを見分けるための方法として、Eラインと呼ばれる審美的な基準や口を閉じた状態の見た目などがあります。

ここではその2つの確認ポイントについて解説します。

Eラインで確認する

Eラインで確認する

矯正治療の目標となる美しい横顔の基準は、一般的にEラインで判断されます。
Eライン(エステティックライン)とは、1954年にアメリカの歯科矯正医ロバート・リケッツによって提唱された、横顔になったときの鼻の先端から顎の先端を結んだ線のことです。

欧米では、このEラインよりも上下の唇が内側にあることが美しいと定義されています。
欧米人に比べて鼻が低い日本人の場合は、Eラインに触れるか触れないかくらいの位置に唇があることがバランスのよい横顔の条件です。

横顔の写真を撮ることで、自分のEラインと口ゴボの状態を客観的に判断できます。
撮影する際に角度がずれると横顔の印象が大きく変わり判断が難しくなるため、しっかり真横から撮るようにしてください。

口を閉じると顎に梅干し状のシワができる

口を閉じると顎に梅干し状のシワができる

通常、口を閉じると下唇は上に引き上げられますが、このときに顎にあるオトガイ筋という筋肉が収縮します。

口が閉じにくい状態だと下唇を引き上げる程度が大きくなるため、オトガイ筋が過度に緊張することになります。

その結果、オトガイ筋の端が引っ張られて下顎に梅干しのような形状のシワが現れるのです。
口を閉じたときに梅干し状のシワができていれば、口ゴボの可能性があります。

出っ歯じゃない口ゴボの治療法

出っ歯じゃない口ゴボの治療法

口ゴボを治療する場合には、口元がどの程度の症状であるかを見極めることが必要です。
軽度または中度であれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの歯科矯正で治せる場合があります。

しかし重度の場合は歯ではなく骨格そのものが前に出ているケースが多く、歯科矯正では治すことができません。
ここではそれぞれの治療法の概要を解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ブラケットという小さな装置とワイヤーを使って歯を移動させる一般的な矯正治療方法で、幅広い症例に対応できます。

ブラケットを歯の裏側に取り付ける裏側矯正であれば、ワイヤーがほとんど目立たないため、大人の矯正治療でもよく用いられます。

上下顎前突の程度が軽いケースであれば抜歯をせずにワイヤー矯正が行えますが、多くのケースでは歯を移動させるためのスペースを確保するために抜歯が必要です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、インビザラインという透明なマウスピース型の矯正装置を使う方法で、骨格に問題がなく歯の生え方で口ゴボになっている場合に使われます。

マウスピースを1日20時間以上装着することで、時間をかけて歯を動かし、歯並びと噛み合わせを整えていきます。
装着していても目立ちにくいのがマウスピース矯正の大きな特徴で、大人の矯正治療に使われることが多い方法です。

また自分で取り外して手入れができるため、ワイヤー矯正のように食事や歯磨きに負荷がかかることもありません。
抜歯をともなう矯正の場合も、抜歯した部分をマウスピースが覆うために目立ちにくいというメリットがあります。

外科的矯正

骨格そのものに問題がある場合、矯正治療では口ゴボを治すことはできません。症例の程度によっては、骨を削って顎の位置を改善する外科矯正が必要になることもあります。

骨格の問題で口元が出ているケースには、セットバック(上下顎分節骨切り術)という方法が用いられます。

上下左右の歯を抜き、そのスペースを利用して上下顎を切って後方に下げて口元の出っ張りを改善するものです。
外科手術ですが口の中を切開するため、外側からは傷跡が分かりません。

出っ歯じゃない口ゴボの治療期間と費用

出っ歯じゃない口ゴボの治療期間と費用

出っ歯ではなく歯並びがよいケースでは、矯正治療の必要がないと感じている人もいるかもしれません。
見た目のコンプレックスを解消することは、悩んでいる人にとってはとても意味があります。

矯正治療を考えたときの懸念材料は、治療期間の長さとどれくらい費用がかかるかということです。
就職活動を前に矯正治療を検討する学生などの若者にとっては、特に治療費用が気になるかもしれません。

ここでは、出っ歯ではない口ゴボの治療期間と費用の目安をご紹介します。症状や具体的な治療内容によって差があるため、詳しくは歯科医院にお問い合わせください。

治療期間

  • ワイヤー矯正:2~3年
  • マウスピース矯正:2年半~3年半
  • セットバック:2か月(手術を受けてから通常の生活に戻るまでにかかる時間を含む)

費用

  • ワイヤー矯正:100~150万円
  • マウスピース矯正:80~100万円
  • セットバック:120~150万円

出っ歯じゃない口ゴボは自力で治せる?

出っ歯じゃない口ゴボは自力で治せる?

結論からいうと、口ゴボを自力で治すのは不可能です。
その原因となる癖や習慣を改善したとしても、すでになってしまった状態が治せるわけではありません。

気になる口ゴボの治療には歯列矯正や外科手術による処置が必須です。
自力で治そうとして自己流の方法を試みると、それが原因で症状が悪化する場合もあるため絶対にやめてください。

口ゴボが気になる場合は歯科医院へ相談しよう

口ゴボが気になる場合は歯科医院へ相談しよう

出っ歯ではないのにモッコリと盛り上がった口元にコンプレックスを感じている方は多いです。
見た目以外にも影響を及ぼす口ゴボは矯正治療で改善でき、早く始めるほど早く美しく健康な口元が手に入れられます。

矯正治療を行う前には、自分がどのタイプであるかを正しく知ることが重要なポイントです。
気になる場合は、矯正治療において実績のある歯科医院に相談してみましょう。下記の無料相談もぜひ参考にしてください。

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まとめ

まとめ

出っ歯ではなく、歯並びがキレイでも口ゴボになることがあります。
自分の横顔に対してコンプレックスを持っている人は、ぜひ矯正治療を考えてみてください。

矯正治療で見た目がよくなると自信が持てるようになり、性格も前向きで活発になり、人前に出るのも楽しくなるはずです。

また、歯並びが整うことで口腔環境も清潔に保てるようになるだけではなく、肩こりや顎関節症などにもなりにくくなります。
矯正治療で気になる口元を改善して美しい横顔を手に入れ、体も心も健康になりましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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