現代人に多い咬合平面の乱れを解説|咬合平面の乱れの代表的な症状や放置するリスク・治療法を詳しくご紹介

【監修:青山健一】

現代人に多い咬合平面の乱れを解説|咬合平面の乱れの代表的な症状や放置するリスク・治療法を詳しくご紹介

咬合平面の乱れとは、簡単に説明すると歯並びがきちんと整っていないために、重なり合う部分やゆがみなどが出てしまった状態のことです。

咬合平面の乱れがあると、下顎や上顎を動かしたときに奥歯である臼歯に余分な力がかかります。
この状態が続くと歯や顎の部分に痛みや不快な症状が出る可能性があるのです。

咬合平面の乱れの症状放置するリスク・治療にはどんな方法があるのかなどを詳しく解説していきます。

現代人に多い咬合平面の乱れ

現代人に多い咬合平面の乱れ

現代人は咬合平面の乱れが顕著だといわれています。
現代人の骨格は一般的に下顎が細く、顔立ちも細表の方が多いです。
そのため歯の幅に対して顎が小さく、歯がまっすぐに並びきれないことが起こります。

一方、縄文人や弥生人は、顎の骨がしっかりしていて、歯並びが良く側頭筋や咬筋が発達していたということがわかっています。
現代人は骨格の面からも咬合平面が整っておらずに乱れている方が多いのです。

また幼少期から硬く歯ごたえのある食物を食べる習慣が失われてしまったことが、咬合平面が整わなくなった原因の1つといわれています。

咬合平面の乱れの代表的な症状

咬合平面の乱れの代表的な症状

噛み合わせがよいと、咬合平面は平らで歯は同じ高さで整って並んでいます。
しかし咬合平面の乱れがあると、歯の高さがまっすぐに整って並んでおらず、下がったり上がったりしてしまうのです。

ここでは、咬合平面の乱れの代表的な症状である垂れ下がり・持ち上がりについて解説します。

垂れ下がり

レントゲン写真を撮り、歯の高さに沿ってラインを引いていくと、傾きが顕著に分かります。
前歯と比較すると奥歯である臼歯のほうが下がっているのが垂れ下がりという症状です。

第一大臼歯の後ろに十分なスペースがない場合、生えてきた第二大臼歯や親知らずが前の歯を押し出してしまいます。
そのために咬合平面が乱れ、垂れ下がりが起きてしまうのです。

持ち上がり

持ち上がりは、前歯と比較すると奥歯である臼歯の方が持ち上がって並んでいる症状を指します。

持ち上がりも垂れ下がりと同様に、第一大臼歯の後ろに十分なスペースがない場合に起こります。
生えてきた第二大臼歯が前の歯を押し出していくうちに、歯列が崩れて持ち上がりになってしまうのです。

咬合平面が乱れる原因

咬合平面が乱れる原因

咬合平面の乱れの原因は1つではなく、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。
ここからは咬合平面が乱れる原因を詳しく説明していきます。

歯が生えるスペースが足りない

咬合平面の乱れの原因としてまず考えられるのは、歯が生えるスペースが足りないということです。

歯の構造をレントゲン写真などで見ると、歯ぐきから上の部分が大きく、歯の根の部分に行くにしたがって細くなります。

歯が生えても成長するにつれて歯ぐきから上の部分に十分なスペースが無い場合は咬合平面が乱れ、垂れ下がりや持ち上がりという症状が出ます。

顎が小さい

顎が小さいことも咬合平面が乱れる原因です。

下顎、または上顎の骨の発達が十分でないと、歯が生えてもすべての歯が並びきれなくなり、押し出されてしまいます。

症状が甚だしい場合は病的に凸凹した歯並びになるなど、大きく影響が出てしまうケースもあります。

遺伝的要素

遺伝により下顎・上顎の骨のバランスが悪いことも咬合平面が乱れる原因です。

上の骨が成長しすぎたり下の骨が成長しすぎたりすると、それに合わせて歯の位置も変わるからです。

症状が顕著な場合は、顔の形にまで影響を及ぼすことがあります。

咬合平面の乱れが歯並びに及ぼす影響

咬合平面の乱れが歯並びに及ぼす影響

咬合平面の乱れは歯並びに及ぼす影響が大きく、症状によりさまざまな弊害が出てきます。
どのような症状があるのか、咬合平面の乱れが歯並びに及ぼす影響について症例を見ていきましょう。

出っ歯

上の前歯が極端に前に出ている状態で、顔貌に大きく影響するためコンプレックスに感じる方が多い症状です。
出っ歯の原因は、上顎の骨が成長しすぎることが最も一般的です。

上の顎の骨が正常な場合でも下顎の骨の成長が劣る場合は、上顎が前に位置する状態になるため出っ歯になりやすくなります。
上下の顎の骨がバランスよく成長することが重要です。

受け口

受け口も顔貌に大きく影響する症状であるため、見た目を気にかける方が多い症状です。受け口は前述した垂れ下がりが原因で起こります。

下顎が成長する時期に、上の奥歯の部分が下がり下顎を前に出さないと物をうまく噛むことができなくなります。
このような動きを繰り返しているうちに、下顎の骨が前に出てきて受け口になってしまうのです。

開咬

開咬とは前歯がしっかり閉じず、奥歯でしっかり噛んでも前歯の上下が噛み合わない状態のことです。

下顎の成長が止まった後に上の奥歯が下がると開咬になりやすくなります。
上手に食べ物を噛み切ることができず、症状が強いと胃腸に負担をかけてしまう場合もあります。

口が閉じづらいために、知らず知らずのうちに口呼吸をしていることも多い症状です。
口呼吸は雑菌の繁殖に繋がるために歯周病や口臭の原因となるなど、さまざまな不調の原因ともなります。
上下の歯に隙間ができるため、特定の発音がしづらくなるというケースもあります。

乱杭歯

歯と顎の骨のサイズやバランスが悪く、咬合平面の乱れにより歯が正しく並ぶことができなくなった状態乱杭歯です。

歯が生えるスペースが狭くなると歯がきちんとした位置に生えることができません。
歯並びがずれたり、重なり合ったり、曲がるなど凸凹の状態になってしまいます。
乱杭歯は見た目にもマイナスのイメージを持たれてしまうことがあります。

咬合平面の乱れを放置するリスク

咬合平面の乱れを放置するリスク

咬合平面の乱れはそのまま放置しておくと、さまざまなリスクが発生します。
咬合平面の乱れを放置するとどのようなリスクがあるのかを解説しましょう。

顎の骨が変形する

咬合平面に垂れ下がりや持ち上がりがあると、歯が不正に接触したり、顎関節の運動がスムーズにいかなくなったります。

そのため顎の骨に負担がかかり骨が変形するといった症状が出る場合があります。

顎の骨が変形すると顔貌にも大きな影響があるため、美容上好ましくありません。
容貌に自信がもてなかったり、精神的に大きな負担を感じることにもつながります。

神経に障害が起こる場合も

咬合平面の乱れは噛み合わせたとき、歯根部分への刺激筋肉部分への過度の緊張を起こすことがあります。

特に筋肉部分へ繰り返し長期に渡って緊張状態が続くと、筋肉部分の神経が披露して障害が起こることにもなりかねません。

頭蓋骨の変形

咬合平面の乱れにより噛み合わせが悪くなると下顎・上顎に常に不具合が生じるため顎の骨の動きが不自然になります。

長期的に咬合平面の乱れを放っておくと、酷い場合は頭蓋骨の骨まで変形してしまうのです。

虫歯や歯周病

咬合平面の乱れは歯の並び方に影響します。
整った歯並びでない場合、歯みがきのときに歯ブラシがうまく届かず虫歯や歯周病になるリスクが高いです。

特に子どもの場合はブラッシングがうまくできず、虫歯になり歯を失ってしまうケースもあります。
咬合平面の悩みは歯科矯正で治療できる場合もあります。以下のリンクから無料相談を受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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咬合平面の乱れの治療法

咬合平面の乱れの治療法

咬合平面の乱れは放置せず、きちんと治療することが大切です。治療法には何種類かの方法があります。

咬合平面の乱れの程度歯の状態・噛みしめる力の具合などにより、治療法は変わってきます。

ここでは代表的な治療法について解説しましょう。

外科手術

外科手術

咬合平面の乱れを治す方法の1つに外科手術があります。
上顎または下顎の骨の大きさや位置がずれていたり、不具合があったりする場合、矯正治療では治すことができない場合に行う治療です。

外科手術では顎の骨に対してまっすぐになるように歯を並べるため、噛み合わせが安定します。
手術は顎の骨を一部切除し、正しい位置まで移動させた後、プレートやネジを用いて骨を固定させます。
手術時間の目安は1時間半くらいで、1週間から10日間の入院が必要です。

外科手術後、退院をしたら矯正治療を行います。歯並びや術後の後戻りを防ぐために、半年から1年ほど続ける必要があります。

外科手術では、歯並びだけでなく骨格のずれを根本的に改善することが可能です。
そのため顔がゆがんでいる・口元のバランスが悪いという場合も矯正できます。

歯列矯正

歯列矯正

歯列矯正の治療にはいくつか種類があります。
代表的なのはワイヤーを用いたワイヤー矯正・歯の裏側からワイヤーを通して矯正する裏方矯正・マウスピースを用いて矯正するマウスピース矯正です。

それぞれの歯列矯正の方法やメリット・デメリットを解説していきます。

ワイヤー矯正は歯の表面に矯正装置を取り付け、ワイヤーを通し歯に負荷をかけて移動させていく治療法です。

さまざまな歯並びの治療ができるのがメリットですが、ワイヤーや矯正装置が目立つというデメリットもあります。

裏方矯正舌側矯正とも呼ばれる矯正方法です。歯の裏側から矯正装置を取り付けるため、矯正しているということが分かりません。
しかし表側からの矯正より効果が弱くなるため、適用範囲が限られます。

マウスピース矯正は歯科矯正専用のマウスピースを用いる矯正方法です。取り外しが可能なため、ワイヤー矯正と比べると治療の負担が少なくなります。

ワイヤー矯正と比べると痛みが少なく、金属で口腔内を傷つけるといったこともありません。
適用できる症状に限りがあることや、装着時間を守らないと効果が出ないことがデメリットとしてあげられます。

歯の補綴

歯の補綴

咬合平面の乱れで歯列に欠損がある場合は歯を補綴する治療を行い、歯列を整えます。
補綴にはブリッジ・インプラント・入れ歯の3つの治療方法が可能です。

それぞれの治療方法やメリット・デメリットは以下のとおりとなります。

ブリッジは抜歯などで欠損してしまった歯の両隣の歯を削り、かぶせ物を作る治療方法です。
メリットは自分の歯に近い感覚で違和感が少ない点です。一方、欠損部分の両隣の歯に負担がかかることがデメリットとなります。

インプラントは人口の歯根を骨の中に埋め込んで人工歯を作る治療法です。審美的に優れ、違和感もほとんどありません。
手術が必要になることと治療費が高額になることがデメリットです。

入れ歯は付けはずしができる人工の歯で、部分入れ歯と総入れ歯があります。
健康な歯を削らず、多くの歯を失った場合にも対応が可能です。
デメリットは保険治療の場合金属が見えてしまうことと違和感が出る場合があります。

奥歯の噛み合わせで悩んでいるなら歯科医に相談

奥歯の噛み合わせで悩んでいるなら歯科医に相談

奥歯の噛み合わせが悪く、持ち上がり、垂れ下がりなど咬合平面の乱れがある場合は早めに治療を受けるようにしましょう。
たかが歯並びくらい、と放置することは骨や神経に悪影響を及ぼします。

見た目も悪く、美容面や精神面でコンプレックスを持つことにもなりかねません。
奥歯の噛み合わせで悩んでいる方は、歯科医に相談しましょう。

下記のリンクから歯科矯正の無料相談を受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

まとめ

現代人に多い咬合平面の乱れは、長く放置しないようにすることが大切です。

長期間治療しないことで症状が進み、治療期間や治療方法も複雑になるため、悩んでいる方は早めに歯科医に相談するようにしましょう。

症状に合わせたさまざまな治療方法があるため、まずは問い合わせてみてください。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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