八重歯が生え始めた場合の対処法を歯科医が解説|生えてくる原因や治療方法もご紹介します

【監修:青山健一】

八重歯が生え始めた場合の対処法を歯科医が解説|生えてくる原因や治療方法もご紹介します

子どもの歯の生え変わりは成長の証としてうれしい反面、キレイな歯並びになってくれるかどうか心配にもなるものです。
この記事では、子どもの口に「八重歯」が生え始めたときの対処法を解説します。

「なぜ八重歯は生えるのか?」その原因や、八重歯の治療方法などもご紹介いたします。
第1期と言われる子どもの矯正治療は、歯が生え変わる小学生の間が良い時期です。ぜひご参考にしてください。

八重歯が生え始めて不安な親は多い?

八重歯が生え始めて不安な親は多い?

歯が重なって生えてくる「八重歯」は、子どもの口の中に突如として生え始める印象があるため、不安に思う親御さんはたくさんいらっしゃいます。

特に、正中線(歯列の中心)から3番目の「犬歯(けんし)」の場合は尖っていることもあり、前に飛び出すように生えてくると、とてもインパクトがあります。

日本では「八重歯はかわいい」という風潮がないわけではありませんが、お口の中の状況を考えると八重歯には良いことはないといわざるを得ません。
子どもの口に八重歯が生え始めたら、一度歯科医院で診察してもらいましょう。

八重歯が生える原因

八重歯が生える原因

キレイな歯列の方もいるなか、特定の人はなぜ八重歯になってしまうのか不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、乳歯から永久歯に生え変わるとき、歯によって生えてくるタイミングが違うことと、スペースの有無が関係しています。

人間の歯は6歳から14歳くらいまでの間に、最初は上顎の前歯、次に奥歯へといった順番で、だんだんと乳歯から永久歯へと生え変わっていきます。

しかし、真ん中から3番目の犬歯はその中でも遅い時期に生えてくるため、スペースが足りないと歯列からはみ出して八重歯になりやすいのです。
その他にも、八重歯が生える原因はたくさんあります。次に詳しく解説いたします。

顎の成長に問題がある

八重歯になってしまう原因には、顎の成長が足りず小さいことも関係しています。
なぜなら顎が小さいと歯が並ぶ十分なスペースが確保できないために、歯がはみ出して八重歯になってしまうからです。

上顎の成長期は5歳から10歳頃までといわれており、この頃にしっかりと成長しないとその後に顎を大きくすることは難しくなります。
成長期には柔らかい食べ物ばかりではなく、歯ごたえのあるものをしっかり咀嚼する習慣をつけて、顎の成長を促すことが大切です。

歯が大きい

歯が大きい

八重歯が生える原因には「歯が大きい」という理由もあります。
現代人の特徴ともいえる小さい顎に大きな歯が生えてくると、なおさらキレイに一列に並ぶスペースの確保が難しくなるのです。
歯が大きい理由には、遺伝による先天的なものと、現代人によくみられる高栄養による後天的なものがあると考えられます。

乳歯が抜けるタイミング

八重歯が生えるかどうかは、乳歯が抜けるタイミングが重要なポイントとなります。
なぜなら、乳歯が虫歯などの影響で早く抜けると、隣りの歯が移動して隙間を埋めてしまい、次に生えてくる歯のスペースがなくなって八重歯になってしまうのです。

また反対に、抜けるのが遅い乳歯(晩期残存乳歯)があると、永久歯がかなり上から生えてきたり、重なってしまったりすることもあります。
八重歯にしないためには乳歯が抜けた後、永久歯が生えてくる適切な場所を確保することが大切です。

噛み合わせが悪い

八重歯といえば「前に突き出していて尖っている」というイメージを持たれている方が多いですが、その理由には噛み合わせの悪さ関わっています。

犬歯は誰でも生えはじめは尖った形をしていますが、正常な位置に生え、しっかりと上下の歯が噛み合っていれば自然に丸くなっていくものです。

しかし、上下の犬歯が接触することができない悪い噛み合わせの場合は、すり減ることなく尖ったままの八重歯になる確率が高まります。

歯の本数が多い

八重歯になってしまう理由のひとつには、歯の本数が多い「過剰歯」が関係している場合もあります。
人間の歯は、乳歯は20本、永久歯は親知らずを含めると32本ですが、約3%の確率で先天的に歯の本数が多い「過剰歯」が発生する可能性があるといわれています。

過剰歯は特に上の前歯に生えやすく、通常の歯が生えるスペースを奪ったり、成長を阻害してしまったりする原因となるため注意が必要です。
後に生えてくる歯が八重歯になってしまう前に、歯科医で診察してもらいましょう。

八重歯が生え始めた際の対処法

八重歯が生え始めた際の対処法

八重歯が生えると、時が経つにつれて虫歯などの口腔障害を併発するリスクが高まるため、早めに受診して診察してもらいましょう。
子どもが成長期のうちに歯列をキレイに整えて上下の歯がしっかり噛み合うように、定期的に受診して調節してもらうことが大切です。

八重歯が生えた場合のリスク

八重歯が生えた場合のリスク

もし子どもに歯列からはみ出した八重歯が生えてきたら、そのままにせず歯科医に早めに相談することが大切です。
なぜなら、八重歯は歯が重なり合ってとても複雑な歯列のため、さまざまな口腔障害や日常生活に支障が出るリスクがあるからです。
ここからは、八重歯が生えた場合のリスクについて詳しく解説いたします。

虫歯・歯周病になりやすい

八重歯のリスクとして気を付けておきたいのが、虫歯・歯周病になりやすいことです。
なぜなら八重歯の特徴である複雑な歯並びは、とても歯磨きがしにくく、子どもにとってはさらに扱いが難しい症例といえるからです。

重なり合った歯と歯の間は死角が多いため、しっかり歯磨きをしたつもりでも食べカスが残って虫歯になったり、やがては歯ぐきに炎症を起こす歯周病の原因になったりします。

唇・口内が傷つく可能性がある

八重歯は通常の歯並びと比べて、唇や口内が傷つくリスクが高くなります。
それは、八重歯の歯列は複雑で歯がいろいろな方向を向いているケースが多いため、唇や口内を傷つけてしまうことがあるからです。

また、上下の歯の噛み合わせが悪い症状が加わると、反対側の歯ぐきに八重歯が食い込む・頬の内側を噛むなどのリスクも考えられます。

日常生活に支障が出る

八重歯は、日本では「かわいい」という印象を持たれることがある一方、海外では「ドラキュラ」を連想させるとして敬遠されることが多い症例です。

八重歯が極端に飛び出るような歯並びは見た目にも影響があり、口を開けて笑えなくなったり、コンプレックスを抱いてしまったりと、日常生活に支障が出る場合があります。

さらに、八重歯に噛み合わせの悪さも併発すると、しゃべりにくかったり、うまく発音できない言葉があったりなど、さまざまなリスクが重なることも考えられます。

八重歯の矯正治療

八重歯の矯正治療

子どもの八重歯の矯正治療は、歯の生え変わり時期である6歳から12歳ころに、歯科医に経過観察をしてもらいながら計画的に治療していくことが大切です。

たとえ思いもよらぬところから八重歯が生えてきても、治療する方法はたくさんあるため心配しすぎることはありません。
それでは、子どもの矯正治療にも有効な「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」について、詳しく解説いたします。

マウスピース矯正

マウスピース矯正はお口の中の歯全体の型をとり、理想の歯並びへ導くマウスピースを複数作成し、新しいものに変えながら歯列を整えていく方法です。

マウスピースは見た目が透明で目立ちにくいことや、取り外しができるため食事や歯磨きに影響がないなどのメリットがあり、人気がある矯正方法のひとつといえます。

しかし、特に子どもの場合は、取り外しができるために失くしてしまったり、装着することを忘れてしまったりする可能性が高いのがデメリットです。
マウスピース矯正は、歯科医の指示に従って装着時間をしっかりと守ることが大切です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットという装置とワイヤーを取り付けて、徐々に歯を動かしていく矯正方法です。
ブラケットとワイヤーは、金属製(メタル)のものと、透明や白で目立ちにくいプラスチック製やセラミック製のものがあり、ご自身で選ぶことができます。

ワイヤー矯正には、ブラケットとワイヤーを歯の表側に付ける「表側矯正」と裏側に取り付ける「裏側矯正」があり、矯正治療の中ではメジャーな方法です。

ワイヤー矯正は取り外しができないため、目立ちやすい・歯磨きしにくい・発音しにくいなどのデメリットがあり、子どもの場合は特にサポートしてあげることが大切です。

八重歯矯正の費用・期間

八重歯矯正の費用・期間

八重歯は早めに矯正治療を行った方がよいとご理解いただいたところで、次に気になるのは費用と矯正にかかる期間のことではないでしょうか。
八重歯の矯正にかかる費用と期間は、お口の状況によってさまざまなケースがありますが、ここでは一般的な例としてご紹介します。

費用相場

八重歯の矯正治療にかかる費用の相場は下記の通りです。

  • マウスピース矯正:約60万~100万円
  • ワイヤー矯正:約50万~100万円

矯正治療は審美目的と位置付けられているため、全額自己負担で支払いは高額となります。
また、歯科医によっては矯正に入る前のカウンセリング・精密検査や、治療後の保定料、経過観察などが別料金の場合があります。よく確認なさってください。

治療期間の目安

八重歯の矯正にかかる治療期間の目安は、マウスピース矯正とワイヤー矯正ともに約2~3年ほどかかるのが一般的です。
しかし、マウスピース矯正は先述した通り、装着時間(1日につき約22時間)をしっかりと守らないと治療期間が延びてしまう可能性が高くなります。

八重歯が生え始めて不安なら歯科医へ相談を

八重歯が生え始めて不安なら歯科医へ相談を

八重歯は子どもの歯の成長に合わせて計画的に矯正治療を進めれば、良い歯並びへと導くことが可能です。
子どもの口に八重歯が生えてきて不安に思ったら、歯科医へ相談しましょう。

できれば、まだ子どもの歯に特に問題がないように見えたとしても定期的に診察してくれる、かかりつけの「歯医者さん」を探しておくと安心です。

まとめ

まとめ

ここまで、八重歯が生え始めたときの対処方法や、生えてくる原因・治療方法などをご紹介してきました。
子どもの歯並びは成長期のうちにしっかりと歯科医に診察してもらうことが大切です。

もし、八重歯が生える兆候が見えて不安になったら、すぐに歯科医に相談することをおすすめします。
子どもの歯の生え変わりをしっかりと注視していくとともに、噛み合わせや虫歯などにも注意して、健やかな成長を見守りましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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