外科矯正のリスクやメリットを医師が解説|症例と費用相場もご紹介します

【監修:青山健一】

外科矯正のリスクやメリットを医師が解説|症例と費用相場もご紹介します

歯列矯正では噛み合わせがうまく治療できない、そんなときには外科矯正が必要です。
とはいえ、外科矯正にはメリットがありますが、もちろんリスクもあります。
しかし、嚙み合わせは一生の問題であり、とくに外科矯正を必要とするほどの症状では通常の歯列矯正では治すことが難しい症状になります。

基本的に、自分の歯を使ってうまく噛めない、顎がゆがんでいるというときなどは外科矯正を検討してください。
今回は、外科矯正のメリットとリスクだけでなく、必要な症例や費用の相場などもご紹介します。

外科矯正の特徴

外科矯正の特徴

外科矯正の特徴とは、通常の矯正治療だけでは治すことができない症例を外科的手術を活用して治療できる点です。
例えば顔面が曲がっている自分の歯を使ってうまくものを噛めないというときには、外科手術が必要になります。

また、美容整形とは違うため骨格を矯正して顔面を美しくする、というわけではありません。
あくまでも顎機能診断をすることによって、咬合を改善するために外科矯正が必要と判断されたときのみ適用されます。

また、外科矯正ができる病院は限られていて、どこの病院でも簡単にできるというわけではないと覚えておきましょう。

外科矯正のリスク

外科矯正のリスク

外科矯正には、いくつかのリスクがあります。どのようなリスクがあるかを知っておくことで、手術に対する不安も少なくできます。
ここでは、外科矯正のリスクを詳しく解説するため、ぜひ検討の際の参考にしてみてください。

全身麻酔に関わるリスク

全身麻酔には、合併症のリスクがあります。それが、全身麻酔後に起こる吐き気や嘔吐、悪寒などです。
もちろんすべての人に起こるわけではなく、個人差も大きいですがこういったリスクがあることは知っておきましょう。

また人工呼吸器が必要になるために、口唇、歯牙の損傷、喉の違和感などといったリスクも考えられます。
予防策などはないためいざというときパニックにならないように、全身麻酔をするときにはこれらの症状が出るかもしれないと理解しておくことが大切です。

知覚麻痺

知覚麻痺

外科矯正を行うことで、知覚麻痺がおこる場合もあります。
知覚麻痺とは、脳や神経に障害が生じることです。
外科矯正を行う場合は下顎に知覚麻痺がでて口が開かない状態になることもあるため覚えておきましょう。

虫歯・歯周病

外科矯正治療中は、歯に装置を付けるため虫歯や歯周病のリスクが高まります。
通常の歯磨きはもちろんですが、デンタルフロスなども使って隅々まで汚れを落としましょう。
また、定期的に歯科医院を受診してメンテナンスすることもおすすめです。

外科矯正のメリット

外科矯正のメリット

外科矯正には、リスクだけではありません。
リスクがあっても、外科矯正をするだけのメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。

歯列矯正で治療困難なケースにも対応

外科矯正は、歯列矯正では対応しきれない治療困難なケースにも対応できます。
例えば、歯列矯正だけではきちんとした理想的な噛み合わせにすることができない、といった場合などです。

歯だけの問題ではなく、顎の骨がゆがんでいるためであれば歯列矯正だけではどうしようもありません。
そういった場合に、外科矯正に歯列矯正を併用することで、理想的な噛み合わせを取り戻すことができます。

保険適用になる

歯列矯正は、基本的に保険適用外です。そのため、費用負担が大きくなかなか受けることができないという人も多くいます。
しかし、外科矯正であれば保険適用になるため、費用負担が少なくすむのがメリットといえます。

ただし、外科矯正はほとんどが歯列矯正との併用となるため、施術前にどこまでが保険適用になるのかをしっかり確認しておいてください。

外科矯正が適応となる症例

外科矯正が適応となる症例

外科矯正が適応となる症例には、どのようなものがあるのかを知っておきましょう。
どの症状も健康上問題が出てくるため、精密検査をしてきちんとした治療を受けることが大切です。
もしあてはまる症例があるようなら、早めに歯科医院へ受診して専門医に相談してください。

骨格に問題がある

骨格に問題がある場合、顎変形症と呼ばれます。
上下どちらかの顎の骨、もしくは両方の顎の骨に異常があり、位置がずれている場合は顎変形症の疑いが濃厚です。
顎の骨がずれているため、歯科矯正だけでは根本的な治療ができません。
そのため、顎変形症と診断されたなら、早期の治療が望ましいです。

歯列矯正では治療困難な不正咬合

歯列矯正では治療困難な不正咬合も、外科矯正で治療ができます。
不正咬合もまた顎の骨格がゆがんでいる、もしくは顎が大きすぎたり小さすぎたりすることが問題です。
これらの症状は、外科的手術で治療が可能です。
不正咬合はひどいときには物がうまく噛めなかったり、顔がゆがんでしまったりといった問題があるため、歯列矯正だけでは治すことができません。

噛み合わせが反対で下あごが前に突き出ている、口を閉じても上と下の歯の間に大きな隙間ができてうまく閉じられないなどがあります。
そういったときには、できる限り早く歯科医師の診断を受けるようにしてください。

外科矯正の治療の流れ

外科矯正の治療の流れ

外科矯正をする場合には、どのような流れになるのかを事前に知っておくのがおすすめです。
手術に対する不安をなくすためにも、細かいところまで詳しく把握しておきましょう。
専門の歯科医院では、事前の相談から精密検査はもとより、外科矯正の手術ができる病院の紹介までをしてくれるため安心できます。

検査と診断

まずは、専門の歯科医師と相談を行います。
自分では骨に問題がある不正咬合だと感じていても違う場合があるため、きちんと医師の問診に答えて、何に問題があるのかをはっきりさせることが重要です。
その後、レントゲンや歯型を取るなどの精密検査を行い、顎の運動検査や筋電図を実施します。

検査が終了すれば、歯科医師から外科矯正が必要かどうか、一般的な歯列矯正では治療が困難なのかを伝えられます。
ただし、すべての歯科医院が外科矯正に対応しているわけではないため、対応していない場合は紹介状をもらって別の病院を受診してください。

術前矯正

 

術前矯正

外科矯正をすることになったからといって、すぐに手術が可能なわけではありません。
外科矯正をする前に、顎の骨を正常な位置に戻したとききちんと噛み合わさるように、歯列矯正を事前にしておく必要があります。
それが術前矯正と呼ばれるもので、基本的にはブラケットなどの矯正装置を利用して歯列矯正をしてください。

早ければ10か月程度で終了しますが、症状によっては2年程度かかることもあります。
術前矯正をしている期間は、逆に噛み合わせが悪くなる、物をうまく噛めないなどの不具合が生じることもあるため注意が必要です。

手術

術前矯正が問題なく終了しそうであれば、その時点で手術日程を決めます。
手術をするにあたってさまざまな検査が必要になるため、何度か受診して血液検査や尿検査、レントゲンなどを医師の指示に従って行ってください。
とくに検査に異常がなければ、手術の数日前から入院して日程通り手術を実行します。
手術する病院や個人差によって入院期間は違いますが、大体1週間から2週間程度が目安です。

術後矯正

外科矯正をしたからといって、そこで治療がすべて終了するわけではありません。外科矯正の後には、術後矯正が必要です。
なぜなら、外科的手術で顎の骨をずらしても、筋肉の働きですべてではなくとも顎の骨が元に戻ろうとするからです。

そのため、後戻りを防ぐためにもワイヤーやゴムを利用して矯正する必要があります。
もちろんそれだけでなく、顎をずらした後にはどうしても噛み合わせが理想的にならないことがあるため、術後矯正で微調整を行う必要があります。
この術後矯正を怠ってしまうと、せっかく手術自体はうまくいっていても噛み合わせがうまくいきません。
面倒でも歯科医師の指示に従うことが大切で、勝手に矯正装置は外さないようにしてください。

保定

噛み合わせがうまくいったら矯正装置を外すことができますが、術後矯正には半年から長ければ1年以上が必要になります。
もちろん、噛み合わせがうまく調整できれば早めに矯正装置を外すことができます。
しかし、その後も保定装置を付けて、経過観察が必要です。

経過観察には数年かかりますが、保定装置は取り外しが可能なため、矯正装置ほど負担はかかりません。
その後、必要に応じて顎の骨をとめるために使っていたプレートを除去する手術を行います。
この手術自体はしてもしなくてもよく、負担もあまりなく入院期間も短くて済みます。とはいえ、自身の希望をきちんと歯科医師に告げましょう。

外科矯正の費用相場

外科矯正の費用相場

外科矯正の費用相場は、大体30万円前後です。保険が適用されるため、自己負担は3割です。
とはいえ、初めは病名などはわからず、まずは全額自己負担で検査をしたという人も多くいます。

そういった場合でも、外科的手術をしなくては治すことができないと判断されれば問題ありません。
病名が「顎変形症」と付いた時点で検査費用を保険適用金額で計算しなおして清算することができるため、覚えておきましょう。

そのほか、手術する場所や症状、病院、入院期間などによって手術費用は25万円程度から35万円前後と大きく幅があります。
もっとも、高額になったとしても保険適用のない歯列矯正治療よりはずっと安く手術を受けることができます。

また、高額療養費制度を活用することによって手術費用の一部は払い戻してもらうことができるため、そこまで心配する必要はありません。

矯正治療でお悩みのことは信頼できる歯科医に相談

矯正治療でお悩みのことは信頼できる歯科医に相談

矯正治療でお悩みであれば、信頼できる歯科医師に相談してください。
外科矯正自体は、日本矯正歯科学会がリストに載せている施設しかできませんが、相談や検査だけであれば矯正歯科であればどこでも受け付けてくれます。
とはいえ、口の中の治療では信頼関係が大切なため、周囲から評判などを聞いて信頼できると感じた歯科医院へ受診してください。

まとめ

まとめ

外科矯正は、美容整形とは違って決められた症状にしか対応できず、手術ができるところも限られています。
しかし、実際に外科矯正でしか対応できない症状もあり、そういった場合は早期の治療が必要です。

治療期間は長くても、噛み合わせは一生の問題です。きちんと治療することで顔のゆがみが取れ、顎も正常に機能することができます。
保険適用もあり費用負担が大きくはないため、まずは専門の歯科医師に相談してみてください。

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