半開きの口で起こりやすいリスクを歯科医が解説|「お口ぽかん」の原因や治療方法もご紹介します

【監修:青山健一】

半開きの口で起こりやすいリスクを歯科医が解説|「お口ぽかん」の原因や治療方法もご紹介します

お子さんがよく半開きの口でぽかんとしている姿はかわいらしくみえますが、常にそのような状態なら親御さんも気になるものです。
歯が生え出す3歳から12歳までの間の癖というのは、成長にともない治るものと、大人になってからも続いてしまうものがあります。

中には悪癖でお子さんの健康を害してしまうものもあり、その1つが口が半開きになることだとはあまり知られていません。
ここでは半開きの口で起こりやすいリスクや原因、治療方法をご紹介します。

子どもの口が半開きで心配な方は多い?

子どもの口が半開きで心配な方は多い?

子どもの口が半開きで心配な方は、実は少なくありません。小児歯科に通う子どもの多くが、さまざまな理由で「お口ぽかん」になっているのです。
他にも鼻がつまりやすい、乳歯の歯並びが悪いなどお子さんの悩みはつきませんが、「お口ぽかん」の症状を見つけたら他の症状があるかみてください。

他の症状は例えば、指しゃぶりがやめられない、咀嚼や嚥下がうまくできない、発音が悪いなどです。
第1成長期が始まる5歳から7歳ぐらいの間に、まだ口が半開きになっている状態のようなら歯科医へ相談しましょう。

「お口ぽかん」で起こりやすいリスク

「お口ぽかん」で起こりやすいリスク

「お口ぽかん」で起こりやすいリスクがいくつかあります。さらに放置しておくと別の疾患になりうる可能性があるため、成長期にきちんと治すべきです。

人間は鼻呼吸でも口呼吸でもできますが、無意識に口呼吸をしている場合は下記のような症状がでやすくなります。
特にお子さんはまだ小さいため言葉がうまく伝わらないため、日頃からお子さんの状態をよく観察しておきましょう。

口の中が乾燥しやすい

口の中が乾燥しやすいのは、口を半開きにした状態が長く続いたときに起こる症状の1つです。
口の中が乾くと、味覚障害、口臭などが症状として伴ってくるため、お子さんをよく観察しているご両親は気づけるはずです。

それ以外にもお子さんの食事中の咀嚼がよくないとき、飲み込みができないなどをみかけたら歯科医へ相談してください。

虫歯になりやすい

虫歯になりやすい

永久歯が生え変わる6歳から12歳ぐらいまでの年代は新しいはエナメル質がまだ成長途中のため、虫歯になりやすいです。
本来なら、だ液が殺菌作用をもっていますが、お口ぽかんのお子さんは、だ液があまりでていないため口の中で菌が繁殖しやすくなります。

そして口が半開きだと常に口の中は体温より低い温度になるため、免疫力が伴わず虫歯になりやすいです。
さらに歯の中でも前歯と呼ばれる中心から左右4本ずつの歯は、上記の理由から虫歯になりやすい歯としてご注意ください。

歯並びに影響する

歯並びに影響する

口が半開きのお子さんが何も治療せずそのまま成長すると、高い確率で歯並びに影響します。
なぜなら、口が半開きだと正しい舌の位置にならず、下顎だけが成長してしまうからです。
成長しない上顎は十分な永久歯のスペースが確保できず、結果的に歯が重なって生えたり、前に突出してくる事もあります。

これらの症状が見え始めるのは6歳から12歳ごろの混合歯列期と呼ばれる時期です。お子さんの口呼吸が気になる方は歯が原因かもしれません。
もし口呼吸が続いていたら、一度歯科医に相談してみましょう。

口が半開きになる原因は?

口が半開きになる原因は?

口が半開きになる原因は、歯と舌ぐせ、そして顎の骨が正しい位置にないからです。
この3つは連動しており、どれか1つに不具合があっても他の器官に影響を及ぼすため、喉や耳の疾患などが起こる前に対処しましょう。

一方で成長期に口や歯の問題を解決すれば、その後のお子さんの健康を守る事ができ、正しい位置で舌や骨が安定します。

口呼吸の癖

口呼吸の癖

口呼吸の癖で一番の特徴は、息をしているときに舌の位置が正しくない事です。
鼻呼吸をする際、自分の舌先がどこにあるか意識してみるとわかりますが、通常は上顎と接触し上の歯の裏側あたりに舌先がきます。

口呼吸は、舌が上顎と接触しておらず上顎への圧力は皆無となるため、上顎が広がることがありません。
乳歯から永久歯に生え変わる時期は顎も成長するはずですが、口呼吸の癖がついていると顎が発達せず他の器官とのバランスも悪くなります。

口を閉じにくい歯並び

口を閉じにくい歯並び

口を閉じにくい歯並びのまま放置しておくと、口呼吸の癖がつきやすくなります。
なぜなら空気の通り道は鼻と口の2種類ありますが、どちらも開いているとき、体はより多くの空気を取り込む方を優先するからです。
自分で試してみるとわかりますが、口を開けて鼻呼吸をするのは非常に不自然な動きなのがわかります。

鼻が詰まっている

鼻が詰まっていると、鼻呼吸をするのは困難です。そのため体はホメオスタシスが働き、他の方法で呼吸を行うようになります。
しかし、口の機能は本来息を吸うためではなく、食べ物を食べたり飲み物を飲んだりする器官で、間違った使い方は疾患の原因になります。

口の中を通った空気は冷たく雑菌も含まれているため、口呼吸を続けていると顎や脳の発達に影響を及ぼすためすぐ改善しなくてはなりません。

口まわりの筋力が弱い

口まわりの筋力が弱いと、舌癖(ぜつへき)といわれる舌の位置が正しくない癖がつきやすいです。
舌の癖があれば、発音が悪かったり顎の発達が遅れる場合があります。

舌は筋肉で動かしています。筋肉は骨をささえる添え木のような役割で存在しており、これが弱いと骨にも悪影響をおよぼしかねません。
口まわりの筋力が弱いと顎の骨の異常につながり、気がつくと口が半開きの状態が普段の状態だと治療が必要な場合があります。

下記の無料矯正相談で口の周りの筋肉のトレーニングや歯列矯正の相談をしてみましょう。

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半開きの口と歯並びの関係

半開きの口と歯並びの関係

半開きの口と歯列の関係は非常に密接で重要です。特に歯は混合歯列期といわれる6歳から12歳ぐらいまでの時期に矯正治療を行う事で口の問題も解決します。
半開きの口が原因で歯列に影響がでた場合、歯列矯正以外の方法で治すことはできません。

しかし、歯列矯正は顎の骨も関係するケースもあるため、できれば永久歯が生えそろう前に矯正治療できればお子さんの負担が少なくなります。
口呼吸が原因で考えられる不正咬合の症例をいくつかご紹介します。

出っ歯

出っ歯は医学用語で上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれ、この原因の1つに口呼吸があげられます。
口呼吸をしていると舌の圧力が上顎にかからず、上顎は成長しないままになるため永久歯の生えそろう十分なスペースがとれません。

奥歯よりも前歯の乳歯が先に生え変わるため、そのまま放置するとその後生えてくる奥歯の噛み合わせも問題になる可能性があります。

開咬

口が半開きのままで成長し続けると、舌は正しい位置に収まらず口のまわりの筋力もつきません。
顎が発達しない状態で歯が生え始めると不正咬合になりやすく、最後に生えてくる奥歯は十分なスペースがなかったり、発達しない状態になります。

口呼吸の癖と不正咬合が重なると、開咬と呼ばれる不正咬合になるため、いくら口を閉じようとしても奥歯が邪魔をして口呼吸は止まりません。
噛み合わせが悪いため、消化不良を起こしたり細菌感染しやすくなるなど他の疾患も引き起こしてしまいます。

叢生

叢生

叢生(そうせい)とは、歯並びが悪い歯列状況を差し、この度合は患者様によってそれぞれです。
口が半開きの状態は舌癖が悪く、歯を食いしばる事が少ないため顎の筋肉が弱くなります。

顎の筋肉が発達しないと叢生になりやすく、叢生の場所によっては口呼吸は改善しないため治療が必要です。

半開きの口を改善する方法

半開きの口を改善する方法

半開きの口を改善する方法は、歯列矯正または顎の骨と筋肉の強化、そして舌の位置を正しくすることで解決します。
どれか1つの場合もありますし、複数必要な場合があるため必ず歯科医の診察を受け適切な治療やトレーニングを行ってください。

これらの方法は、年齢によっては骨や筋肉が完成していて別の方法を提示される事もあるため、よく話し合った上で始めましょう。

歯列矯正

上記のような不正咬合の場合は、歯列矯正をすることによって半開きの口も解決します
治療が早ければ早いほど、骨がやわらかく筋肉も癖を改善しやすいため、半開きの口が気になる場合は一度矯正歯科へご相談ください。

中学生や高校生になっても歯科矯正が遅いということはありません。
半開きの口が気になる方は、顎や歯列を矯正すれば呼吸も正しくできるようになり、受験勉強など大事な時期よりも前に改善することをおすすめします。

口腔筋機能療法

口腔機能療法とは、後天的な環境が原因での口腔内の筋肉の癖を修正したり、筋肉を強化するトレーニングです。
矯正歯科医院では矯正治療と一緒に行っている所が多く、歯が元にもどらないために癖をとる役割もあります。

噛む、飲み込む、吸うなどの咀嚼と嚥下が正確にできるようになるためのトレーニングで頻度は約1ヵ月に1回から2回です。

口テープ

口テープ

口テープは、アメリカで1930年代から行われている予防医療で、日本でも珍しくありません。
口テープは皮膚に優しくて安全な素材の粘着性テープで、上唇と下唇を閉じるだけです。無呼吸症候群やメタボリック症候群の患者様にも使えます。

薬局でも購入可能ですが、習慣を治しても歯列に問題がある場合はテープを外すとまた元に戻る可能性もあります。
あくまで補てんにすぎないため、歯科医と話し合いの上で有効だと判断された場合に試してみましょう。

子どものうちに口呼吸を改善するメリット

子どものうちに口呼吸を改善するメリット

子どものうちに口呼吸を改善するメリットは、その後の成長にも大きく左右する呼吸に関する問題が解決できる事です。
特に歯列に関しては、顎の発達や咀嚼力にも大きな影響を及ぼすため、口呼吸を早い段階で改善しておくことに損はありません。

子どものときなら顎の骨もまだ完全に固まっていないため、歯列矯正も期間が短くてすみます。
成長期のお子さんは日々体が変わっていくため、問題がなくても1年に一度は定期健診として専門家にみてもらいましょう。

下記の無料相談はお子さんの口が半開きのお悩みについて承ります。お気軽にご相談ください。

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お子さんの口が半開きで心配なら

お子さんの口が半開きで心配なら

お子さんの口が半開きで心配なら、まずは専門家に一度相談しましょう。
永久歯が生え変わってくるまでの期間は6年ほどあります。単なる子どもの癖というものの、口が乾いている状態や、口呼吸は普通ではありません。

大人がこの事実を知らなければ子どもは病院にもいけず、いつまでたっても口呼吸のままです。
大丈夫と思っていても、定期的な健診をする事で未病を防ぐ事ができます。

まとめ

まとめ

 

お口ぽかんの子どもの顔は、愛らしいです。しかし、それがずっと続くと自然治癒はせず、他の器官にも影響を及ぼす可能性もでてきます。

歯列に影響が出る前にできることはたくさんありますし、悩んでいる人も少なくありません。
周りに助けてくれる人もおらず、不安になっている方は一度お子さんと一緒に診察をうけましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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