歯科矯正で医療費控除を受けられるパターンを医師が解説|知っておきたいポイントもご紹介

【監修:青山健一】

歯科矯正で医療費控除を受けられるパターンを医師が解説|知っておきたいポイントもご紹介

最近では美容目的で歯列矯正をする人が増えてきました。
今回はそんな歯科矯正を受ける際に気になる医療費控除の仕組みや計算方法を解説します。
医療費控除には基準が設けられており、状況によって受けられるかどうかが異なるものです。

今回は歯科矯正での医療費控除について、知っておきたいポイントまでご紹介しますので、是非参考にしてみてください。

医療費控除の仕組み

医療費控除の仕組み

医療費控除とは、1年間に多くの医療費を支払った場合に適応される、負担する税金額を調整してくれる制度です。
この制度をうまく活用することで、住民税と所得税を安く抑えることができます。

医療費控除を受ける条件の一つが、医療費を一定額以上支払うことです。
ただし、医療費控除が受けられる医療行為には条件があり、全てに適応されるわけではありません。
申請する場合には適応されるかどうかをよくチェックしておきましょう。

医療費控除を受ける場合には、確定申告書の提出が必要です。
個人事業主だけでなく、給与受給者も確定申告書を自分で申請をすることになります。
申請時に困らない様に、医療費の計算や支払われた保険料などはしっかりと記録しておきましょう。

また、確定申告の提出時には歯科医師による診断書を一緒に提出する必要があります。
診断書は医院によって発行にかかる日数は異なるため、余裕をもって歯科医院に相談し、事前に準備しておきましょう。

医療費控除の基準

医療費控除の対象は様々なものがありますが、そこには基準が設けられています。
まずは歯科矯正に関係する医療費控除となる基準をみてみましょう。

治療か美容か

治療か美容か

歯科矯正を行う理由には、大きく分けて次の2つがあります。
その理由が以下の2つです。

  • 治療目的
  • 美容目的

それぞれの理由によって、医療費控除になるかならないかが決定します。
一般的に、美容目的の歯列矯正などは医療費控除の対象ではありません。
一方、健康上の問題を解決するための医療行為に関しては医療費控除になるケースが多くあります。

例えば、成長段階の子供の不正咬合を治療するための歯列矯正などは医療費控除の対象です。
ただし、医療行為であっても、治療にかかる費用が高くなりすぎている場合には控除ではなくなるケースもあります。

例えば、歯に詰め物をする治療の場合、詰め物の種類などの材料によって治療費が大きく変わるものです。
その金額が一般的な金額を逸脱する場合には申請はできなくなってしまうため注意しましょう。

美容目的でも控除の対象になる例も

美容目的でも控除の対象になる例も

歯科矯正を美容目的で行う場合には、基本的には医療費控除の対象ではありません。
しかしある一定の条件が満たされた場合には、医療費控除の対象となる場合もあります。
例えば、歯の強度を上げることが健康上必要な場合などには、セラミック矯正でも医療費控除の対象となります。
また、噛み合わせの治療や発音しづらいなどの理由から歯列矯正をする場合も医療費控除の対象です。

医療費控除を受けられるパターン

歯科矯正が、医療費控除の対象となる大まかな基準は説明しました。
続いて、医療費控除を受けられる代表的なパターンをご紹介します。

子供の場合

子供の場合

子供の場合には、大人に比べると歯列矯正が治療行為として認められるケースが多くあります。例えば、以下のような場合です。

  • 上下の歯のかみ合わせが悪い
  • しっかりとした発音ができていない
  • しっかりと咀嚼できていない

子供の成長を阻害する可能性を無くすための歯列矯正は、医療費控除の対象となります。
ただ、注意してほしいのが、あくまでも健康上の理由であることです。
子供のためであっても、美容が理由の場合には医療費控除の範囲にはなりません。

大人の場合

大人の場合

大人の場合には、歯列矯正などは美容目的ととられることが多く、医療費控除の対象とならないことがほとんどです。
ただし、大人であっても以下のような場合には医療費控除の対象となります。

  • 歯が原因で発音がしにくい
  • 食事に支障が出る

医療費控除の対象となるかどうかは歯科医の判断によっても異なります。
大人の場合には、きちんとした診察を行って医師と相談することが必要です。

治療費以外の控除

ここまで、実際に治療を受ける場合の例をご紹介しました。
実は治療費以外にも医療費控除となる費用があります。具体例は以下の通りです。

  • 診断料
  • レントゲンなどの検査費用
  • 電車やバスを使った病院までの交通費
  • 家族以外で病院まで付添をお願いした人への付添料
  • 処方された薬代
  • 鎮痛剤など個人で購入した市販の薬代

治療のためにかかった諸費用が対象です。
ただし、マイカーでの通院におけるガソリン代、駐車場代は対象とはなりません。
基本的には公共の交通機関以外認められませんが、公共の交通機関が使えない場合のタクシー代などは認められます。

医療費控除を受けられないパターン

医療費控除を受けられないパターン

ここまでは医療控除を受けられる説明をしてきました。
先述した通り、逆に医療費控除を受けられないパターンもあります。
医療費控除の対象とならないものは以下の通りです。

  • 美容を目的とした歯列矯正
  • 美容目的だけのホワイトニング
  • 歯科治療のためのローンの金利や手数料

美容目的の矯正など、治療が必ずしも必要とはされない場合は医療費控除を受けることはできません。
また、医療費をクレジットカードやローンで分割払いをした場合、その金利や手数料は対象外となります。

医療費控除額の計算方法

さて、実際の医療費控除額の金額はどの様に計算するのでしょうか。
続いては具体的な計算方法を紹介します。

計算式

計算式

医療費控除額の計算式は、総所得金額等が200万円以上の人と未満の人とで計算式は変わってきます。
医療費控除額=1年間の医療費の合計額-保険金などで補填される金額-(10万円もしくは所得金額の5%)
なお、医療費控除額は上限が200万円です。

所得との関係性

上記の計算における(10万円もしくは所得金額の5%)の所は所得によって変わってきます。所得との関係は以下の通りです。

  • 所得200万円以上:10万円
  • 所得200万円未満:所得の5%

ここでいう所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額、もしくは源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の金額です。
その所得が200万円以上であれば、1年にかかった医療費が10万円を超える場合に適応されます。

200万円未満の場合は1年の医療費が所得の5%を超えた場合に適応されるのです。
また「1年にかかった医療費」は同一生計で合算して計算できます。
共に住んでいない場合も、仕送りなどで生計を同じにしている配偶者や家族の医療費を含めて申告できることもおさえておきましょう。

具体例

それでは、所得に応じた計算の具体例をみてみましょう。

【所得が300万円の場合】

医療費の合計が100万円、そのうち保険で支払った金額が20万円だった場合での計算は以下の通りです。
100万円-20万円-10万円=70万円
この場合、控除額は70万円になります。

【所得が180万円の場合】

医療費の合計が100万円、そのうち保険で支払った金額が20万円だった場合での計算は以下の通りです。
90万円-20万円-9万円=61万円
この例では所得が200万円未満のため、180万円の5%に相当する9万円が差し引かれ、控除額は61万円となります。
このように同じ条件でも、所得によって控除額は変わってきます。

医療費控除の手続き

医療費控除の手続き

医療費控除の手続きは、以下の手順で行います。

  1. 医療費をまとめる
  2. 医療費控除の明細書を作成
  3. 確定申告書を作成

まずは一年間にかかった医療費を、人別・治療別にまとめましょう。この際、受け取った保険料もまとめます。
次に行うのが医療費控除の明細の作成です。
明細書は、国税庁の「医療費控除の明細書の書き方など」のページからダウンロードができます。
この用紙に1でまとめた数字を記入し、用紙の手順に沿って計算し医療費控除額を算出しましょう。

最後に確定申告を行います。確定申告書には2種類あり、一般の会社員が医療費控除のみ行う場合に提出するのは確定申告書Aです。
個人事業主などの場合には、確定申告書Bを提出することになります。
記入方法などは、国税庁のホームページなどで確認するようにしましょう。

もし書き方や提出方法など分からないことがあれば、所轄の税務署に電話をして相談することもできます。
また税務署にもよりますが、確定申告時期には土日に相談を受け付けている場合があるため、必要に応じて利用してみましょう。

知っておきたいポイント

ここまで医療費控除の仕組みや受けられるパターンなどを説明しました。
ここからは、医療費控除の申請を行う際に知っておきたいポイントをご紹介します。
知らないと損をする可能性があるポイントのため、事前にしっかりと確認してください。

領収書を保管する

領収書を保管する

医療機関での会計の際に渡される領収書を必ず保管するようにしましょう。
1回ずつの治療費が少ない金額であっても、積み重なれば医療控除を受けられる金額になる可能性があります。
また、確定申告書の提出時には明細書を添付しますが、税務署が求めた場合には領収書を提出しなければなりません。

領収書が実際に医療費を支払ったことの証明となり、5年もしくは7年間の保管が義務づけられています。
この保管期間は青色申告か白色申告かによって異なるため、申告時に確認が必要です。
どちらの申請方法であっても、直ぐに捨ててしまうのではなく、きちんと保管するようにしましょう。

歯科医に相談するのもおすすめ

医療費控除を受けることが出来るのかどうか、自分では判断に迷うという人も多いことでしょう。
そのような場合には、かかりつけの歯科医に相談するのがおすすめです。
歯科医は医療控除となるかどうかの判断もしっかりでき、治療の方法として医療控除の対象となる方法も相談できます。

相談することで、自分に必要な治療を受けられ、納税額の節約にもなります。
歯科矯正を行う時には、是非相談してみてください。

まとめ

美容目的でも控除の対象になる例も

今回は歯科矯正の治療費は医療費控除の対象となるのかどうかや仕組みについて解説しました。
歯科矯正は、美容目的として判断された場合は、医療費控除の対象となりません。
しかし、噛む力が弱い場合や発音がしっかりできないなど、健康上の問題を解決することが目的であれば対象となることもあります。

医療費控除は、受けることが出来れば所得税などで納める税金を節約することができる制度です。
歯科医は、歯科治療のスペシャリストでもありますが、患者様の経済的負担を少なくする方法も良く知っています。

歯科矯正を検討しているけれど費用面での不安があるという方は、ぜひ一度かかりつけの歯科医に相談してください。

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