切端咬合の特徴を歯科医が解説|切端咬合を放置するリスクや治療方法もご紹介します

【監修:青山健一】

切端咬合の特徴を歯科医が解説|切端咬合を放置するリスクや治療方法もご紹介します

切端咬合は噛み合わせトラブルの1つです。放置すると歯がすり減ったり、虫歯や歯周病を引き起こしたりします。
そのため切端咬合はできるかぎり早めの治療が望ましいです。治療法は、歯列矯正や外科手術などが代表的です。
本記事では、切端咬合の特徴や治療法について詳しく解説します。切端咬合を放置するリスクにも触れています。
切端咬合の治療を検討している方や、噛み合わせに問題を抱えている方はぜひご覧ください。

切端咬合の特徴

切端咬合の特徴

切端咬合とは、口を閉じたときに上下の歯先がぶつかり合っている状態です。通常の歯並びであれば、上の歯は舌の歯に覆いかぶさります。
より分かりやすくいえば、横から見たときに、上の歯が下の歯よりも少し前に出ているのが通常の歯並びです。

しかし切端咬合の場合は、横から見たときに、上下の歯が同一線上に並んでいます。そのため口を閉じると上下の歯の先端同士が接触します。
切端咬合は前歯の一部に起こる場合が多いです。ただし、歯並び全体が切端咬合になることもあります。

いずれの場合も、歯の摩耗や虫歯などのリスクが高くなります。できるかぎり早めに治療しましょう。
治療について気になる方は、ぜひ無料相談を活用してください。

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切端咬合の原因

切端咬合の原因

切端咬合の原因は様々です。先天的な原因もあれば、後天的な原因もあります。
後天的原因の場合は治療後も再び切端咬合になる可能性があるため、注意が必要です。それでは、切端咬合の主な原因を4つみていきましょう。

顎の発達異常

上顎に対して下顎が大きすぎる場合、切端咬合が起こりやすくなります。上顎は下顎より少し前に位置するのが正常です。
しかし、なんらかの原因で下顎が上顎より前に出ることがあります。上下の歯の位置が同一線上になるため、歯の先端はぶつかります。

つまり切端咬合の状態になるのです。ちなみに、顎の骨格のバランスが崩れるのは、下顎が異常に発達したときです。
あるいは、上顎が発達せず、相対的に下顎が大きくなるケースもあります。顎の発達異常が起こる原因として、生育不良や遺伝的要因が挙げられます。
とくに成長期の顎の発育不良は、切端咬合の代表的な原因です。

悪い舌癖

悪い舌癖

舌で下の前歯を押したり、舐めたりする癖が切端咬合を引き起こすことがあります。舌の悪い癖は、とくに幼少期に起こりやすいです。
舌から歯にかかる圧力は意外に強いものです。本人はちょっと舌で前歯に触れたつもりでも、実際には歯に大きな負荷がかかります。

そのため舌で下の前歯を押した結果、下顎全体が前に押し出されて切端咬合を招きます。舌の癖は無意識に出やすいため、子供・大人ともに注意が必要です。
なお、正常な舌の位置とは、先端が上顎についている状態です。

口呼吸

口呼吸の癖がある方は、舌の位置が下がりやすくなります。つまり、下の前歯を歯で押す癖が出やすいのです。
舌の位置が下がると、上顎の成長にも支障をきたします。理由は上顎に対する頬や唇の圧力が強くなるためです。

また、口呼吸は下顎を下・前に成長させる原因でもあります。常に口を開いていることで、下顎が自然と前に押し出されるためです。
上顎の未発達と下顎の過剰発達が重なった結果、顎の骨格バランスが崩れて切端咬合が起こります。

前歯の歯並び

単純に歯並びの悪さが切端咬合を招くこともあります。たとえば、歯並びがガタガタである叢生が代表的です。
とくに上の歯が内側に傾斜している場合は、切端咬合が起こりやすくなります。歯並びが原因の場合は、骨格異常ほど治療は難しくありません。
ただし、治療の難易度は症例や歯並びの状態によって個人差があります。

切端咬合と受け口の関係性

切端咬合と受け口の関係性

切端咬合と受け口の関係は密接です。互いに影響を及ぼし合うことも少なくありません。受け口とは、噛み合わせが通常と反対になることです。
具体的には、下の歯が上の歯より前に出ている状態を指します。
「しゃくれ」「反対咬合」とも呼ばれており、横から見たときに下顎が前方につき出ているのが特徴です。

下の歯は上の歯より内側に収まるのが通常の歯並びです。しかし受け口では、下の歯が上の歯の外側にきます。
結果として、上下の歯がぶつかる切端咬合が起こりやすくなります。受け口の主な原因は下記のとおりです。

  • 顎の発達異常
  • 舌癖
  • 口呼吸
  • 歯並びの悪さ
  • 遺伝的要因

上記は切端咬合の原因とほぼ同様です。つまり切端咬合と受け口は特徴・原因が非常によく似ています

切端咬合を放置するリスク

切端咬合を放置するリスク

切端咬合にはさまざまなリスクが伴います。放置すると歯の寿命を縮めたり、抜歯が必要になったりするケースも少なくありません。
そのため切端咬合は、できるかぎり早めの治療が望ましいです。治療の必要性を知るためにも、具体的なリスクをみていきましょう。

歯が摩耗する

前歯同士がぶつかることで、歯の先がすり減ったり、欠けたりしやすくなります。あるいは歯が縦に割れることもあります。
原因は、噛み合わせのたびに大きな衝撃が前歯にかかることです。もともと前歯は、上下がぶつかる構造になっていません。

そのため奥歯に比べると、上下の衝撃に脆弱です。結果として歯の先が摩耗し、前歯が短くなったり、欠けたりします。
歯が割れた場合は、抜歯が選択されることも少なくありません。いずれも審美的な問題があるだけでなく、噛み合わせの面でも不便です。

上下の歯の接触が歯の痛みを招くこともあります。とくに痛みが出やすいのは下の歯です。
歯周病・虫歯などの心当たりがないにもかかわらず、下の歯が痛む場合、切端咬合が疑われます。

虫歯のリスク

虫歯のリスク

虫歯が起こりやすくなるのは、歯の衝突によってエナメル質が剥がれやすくなるためです。エナメル質は歯の表面を覆うツルツルした組織です。
虫歯菌をはじめ、さまざまな雑菌などから歯を守る役割があります。

しかし切端咬合でエナメルが剥がれると、歯のガード組織がなくなるため、虫歯や歯周病などのリスクが高まります。
とくに切端咬合の原因が叢生の場合は注意が必要です。歯並びが悪いと歯磨きしづらいため、虫歯リスクはさらに高くなります。

顎関節に負荷がかかる

顎に負担がかかる原因は、噛み合わせで顎を不自然に動かすためです。切端咬合の方は、奥歯が噛み合っていないことがしばしばです。
奥歯の噛み合わせが悪いと、咀嚼などに支障が出ます。無意識に噛み合わせを正そうとして、顎を不自然に動かすようになるのです。

具体的には、下顎をズラすような動きが多くなります。本来しない動きを繰り返せば、それだけ顎の関節には大きな負担がかかります。
顎に痛みを感じるだけでなく、顎関節症に発展するケースも少なくありません。小児・若年者の場合は、顎の発達に支障が出ることもあります。

切端咬合の治療方法

切端咬合の治療方法

切端咬合はさまざまなリスクを伴うため、なるべく早めに治療しましょう。主な治療法を3つ紹介します。

歯列矯正

大人の場合はブラケット矯正が一般的です。ワイヤーを用いる方法で、歯列矯正の中ではポピュラーな治療法です。
歯列矯正には全体矯正と部分矯正があります。どちらが選択されるかは、歯並びなどの状態によって異なります。

ブラケット矯正が選択されるのは、大がかりな歯並びの改善が必要な場合です。抜歯を伴うこともめずらしくありません。
軽度であれば、非抜歯で済むケースも多いです。ただし矯正治療である以上、矯正装置の見た目・痛みなどの問題は避けられません。

見た目の問題に関しては、近年はリスクが低くなっています。透明なものや、目立ちにくい装置が多数登場しているためです。
取り扱う装置の種類は歯科医院によって異なります。治療法を含め、歯科医師とよく相談してください。

セラミック矯正

歯並びが悪い部分を削り、その上からセラミックの被せ物をする方法です。「セラミッククラウン法」とも呼ばれます。
セラミック矯正は、比較的軽度な切端咬合の治療法です。部分的な治療であるため、治療期間はさほど長くかかりません。
また、歯列矯正に比べると治療費も安価な場合が多いです。何よりも、審美性に優れるというメリットがあります。

外科的矯正治療

顎の骨の切除などを伴う治療法です。外科手術と併用して、ブラケット矯正などの歯列矯正もおこなわれます。
外科的矯正治療は、主に骨格に問題がある場合に選択されます。とくに受け口の方は、外科手術が必要な場合が多いです。

顎の骨から根本的に治療するため、矯正治療単体より歯の負担が少ない点がメリットです。一方、外科手術であるため、費用・期間はそれなりにかかります。
対応しているクリニックが少ない点もデメリットです。基本的には口腔外科がある病院を受診しなければなりません。
一般的な歯列矯正専門クリニックでは対応していない点には、くれぐれも注意しましょう。

部分矯正で切端咬合を治療するケースも?

部分矯正で切端咬合を治療するケースも?

軽度の切端咬合であれば、部分矯正でも十分に対応できます。たとえば前歯の一部だけ歯並びが乱れている場合などが当てはまります。
部分矯正は全体矯正に比べると治療期間が短めです。治療期間は個人差がありますが、一般的には数カ月~1年程度で治療を終えられます。
おなじく、費用も全体矯正よりは安価です。さらに、見た目や痛みの点でもメリットがあります。

【部分矯正のメリット】

  • 治療期間が比較的短い
  • 全体矯正に比べると費用は安め
  • 治療範囲がせまいため、見た目が目立ちにくい
  • 治療範囲がせまいため、痛みが比較的少ない

部分矯正が適応できるかどうかは、歯の状態や歯科医の判断によって異なります。
たとえば抜歯や大規模な矯正が必要な場合には、部分矯正による切端咬合の治療は難しいです。
どのような治療法が適しているか、まずは歯科医とよく相談してください。無料相談を利用するのもおすすめです。

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切端咬合のお悩みは信頼できる歯科医に相談しよう

切端咬合のお悩みは信頼できる歯科医に相談しよう

切端咬合にはさまざまな原因が考えられます。ときには患者様が予想もしなかった問題が隠れていることも少なくありません。
適切な治療を行うには、原因を正しく特定する必要があります。まずは信頼できる歯科医の口内・歯のチェックを受けてから治療に臨みましょう。

まとめ

まとめ

切端咬合を放置するとさまざまなリスクがあります。歯の健康を守るためにも、なるべく早めに治療を受けましょう。
とくに若年者の場合は、日常の癖の改善で切端咬合を防げることもあります。気になる症状や口の癖がある方は、まず歯科医に相談しましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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